1976年に米国のWhitfield DiffieとMartin Hellmanが公開鍵暗号の概念を発表して以来、暗号技術はさまざまな研究を経て進化してきました。特に最近では、コンピュータの演算性能が向上したことや価格が低減したことにより、ペアリングなどの複雑な計算を要する暗号も実利用することが可能になってきました。また、個人情報などがさまざまなサービスに利用されるようになり、それらの保護に対する要求も高まっています。こうした多様化するサービスに対して、その特性に合わせた暗号技術を選択することが必要になってきています。
当社では、長年蓄積した暗号技術に関する知見や経験をいかして、お客さまの研究開発を促進するためのさまざまなサービスを提供しています。
サービス内容
お客さまの研究開発を促進するために、次のようなサービスを提供しています。
技術調査
最新の暗号技術に関する論文等の調査を行います。例えば、お客さまの関心の高い暗号技術について関連する論文等を調査し、お客さまの目的に合致した有用な論文等をピックアップします。
暗号アルゴリズム・セキュリティプロトコルのソフトウェア実装および性能評価
お客さまが考案した暗号アルゴリズムやセキュリティプロトコルをソフトウェアに実装し、その性能を定量的に評価します。 例えば、考案方式の利用先が決まっている場合、利用シーンを想定すると、トレードオフの関係にある暗号強度と演算量・演算時間に対する要求条件が決まります。考案方式用に開発したソフトウェアにより、要求される暗号強度と演算量・演算時間を両立させるパラメータ等の組み合わせを探し出すことが可能になります。
また、考案方式と他者方式の性能比較を行うこともできます。この場合には、論文等に掲載された他者方式の暗号アルゴリズムやセキュリティプロトコルをソフトウェアに実装し、さまざまな条件を変えて、考案方式と比較します。
デモンストレーション用システムの開発
お客さまが考案した暗号技術を世の中に普及させるためには、その有用性や優位性等を利用者、経営層、サービス提供部署などに理解してもらう必要があります。しかしながら、一般的に暗号技術自体はアプリケーションやサービスからは見えないため、その有用性や優位性等をアピールするためには、特別なデモンストレーションが必要になります。
当社では、暗号技術に詳しくない方でも、見たり、体験したりすることで、考案方式の有用性や優位性が理解できるような、利用シーンを模擬したデモンストレーション用のシステムを開発しています。暗号化の様子が見て取れるように可視化の仕組みを入れたり、実際の利用シーンを想定してスマートフォンやタブレット端末を導入したりすることも可能です。システムの開発にあたっては、デモンストレーションのシナリオも併せて提案いたします。
実績
暗号技術に関する実績は以下のとおりです。
開発等に際して利用実績のある暗号技術
- RSA暗号やElGamal暗号、Lifted-ElGamal暗号などの準同型暗号
- 最新の完全準同型暗号
- IDベース暗号や属性ベース暗号などの楕円曲線のペアリングを用いた暗号
- AESなどの共通鍵暗号
など
利用実績のある関連ライブラリ
- PBCライブラリ (The Pairing-Based Cryptography Library)
- GMPライブラリ (GNU Multi-Precision Library)
- OpenSSL
など
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キーワード | 公開鍵暗号、共通鍵暗号、楕円曲線暗号、ペアリング、AES、RSA暗号、ElGamal暗号、Lifted-ElGamal暗号、準同型暗号、完全準同型暗号、IDベース暗号、属性ベース暗号、秘匿検索、ゼロ知識証明、PBCライブラリ、GMPライブラリ、OpenSSL、ハッシュ関数 |
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担当:情報通信研究部
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