発電事業を計画している電力管内において、電力需要と供給の見通しを想定し、電力需給ギャップを1時間ごとに算出、その後、限界費用の安い電源から稼働を行うメリットオーダーベースでのkWh価格を算出します。
シミュレーションにあたっては、再生可能エネルギーの出力抑制の評価サービスにおいて使用している、プロジェクトファイナンスを見据えた当社の標準的なシナリオをベースに、お客さまと協議のうえで分析シナリオを設定し、分析結果のデータと評価レポートを提供します。

サービスの流れ
工程
本サービスは、以下の順で実施します。
- 1)シナリオの設定
- 2)シミュレーションの実施
- 3)レポートの作成と質疑対応
期間
全体で2~3カ月程度
- 1)シナリオの設定では、kWh市場価格へのインパクトが大きいと考えられる原子力再稼動の見通し、再生可能エネルギーの導入拡大の見通し、火力発電のリプレイスの見通しが主な論点になります。燃料価格の想定において炭素価格を入力条件として織り込むことも可能です。

アウトプットイメージ
メリットオーダーシミュレーション
メリットオーダーとは、需給のバランスが揃うまで、燃料費などの可変費を主とする発電限界費用が安い電源を稼働させるもので、需給バランスが揃った時点で稼働させた電源の限界費用がkWh価格(均衡価格)となります。中長期的にFIT電源や変動費の安い再エネの導入、原子力の再稼働が進むと、稼動が見込めていた火力発電が押し出され、kWh価格が下がる可能性があります。
本手法はこれまで、火力発電の新設に伴う事業性を試算する際に用いた手法でしたが、中長期的なkWh価格の見通しや、それに伴う電源開発計画の事業戦略検討で用いられています。

計算結果・レポートのイメージ
本サービスでは、分析結果のデータと、評価レポートを提供します。評価レポートでは、①シミュレーションの概要、②シナリオの考え方、③kWh価格の算定結果の3章構成を基本としています。③では計算期間の特定の年次を取り上げ、シミュレーション結果の考察や事業リスクの評価を行います。
FIP制度下での再エネ事業や蓄電池事業の分析においては、④プレミアム価格の算出や蓄電池の運用効果の分析を実施します。
本分析は特定の電源の将来の稼働率や炭素価格の導入想定による採算性の見通し分析、容量市場・需給調整市場分析への活用など幅広い用途があります。詳細については個別にお問い合わせください。

