自然言語処理の分野では、要約、質問応答、文章生成などの技術が広く活用されています。近年では、生成AIサービスや、大規模言語モデル(Large Language Model:LLM)の登場により、LLMを活用して社内ノウハウを効果的に引き出す技術に関するご相談が増えています。当社でのお客さまの課題解決に関する事例や、研究開発の事例をご紹介します。
Open AI提供のGPT(※)の発表以降、様々な場面で大規模言語モデル(LLM)や生成AIサービスの活用が広まっています。一方、生成AIの特徴の理解不足や適切なプロンプト設計が行えない事で自社課題の解決に至らないケースが多いことも事実です。AI Powerhouseではお客さまの課題解決に繋がる適切な生成AI活用のため、課題や業務データ分析、課題に合わせたプロンプト設計、LLMのファインチューニング等を支援させていただく、生成AI活用支援サービスを提供しております。
詳細はこちら※ GPTは、米OpenAI OpCo, LLCの商標です。
多くのお客さまが直面する課題の1つに、ベテラン社員や有識者が持つ、勘や経験、ノウハウの可視化や継承の難しさがあります。中でも、日報や自社製品のメンテナンスレポートなど、社内ドキュメントに蓄積されたベテラン社員や有識者の知識、情報が活用されないまま埋もれてしまうことは、DX推進における大きな障壁です。
AI Powerhouseでは、社内ドキュメントに蓄積されたベテラン社員の知見の有効活用に向け、お客さまの課題分析から保有データの調査、分析から社内ドキュメントの検索基盤の構築までを支援します。
自社内の手続やルールの照会、お客さまからのお問合せの対応においてチャットボットの活用が広まっています。一方でチャットボットの回答精度を保つためには、過去の問合せ履歴を分析したメンテナンスが必要不可欠ですが、過去の問合せ履歴の分析やFAQの抽出、メンテナンスを人手で実施するには限界があります。
これらの課題に対し、AI Powerhouseでは特許取得済の専門用語を処理できる自然言語処理技術(※)を活用した効率化支援の他、チャットボットやアシスタントの構築についても支援します。
※特許第7143460号 質問回答集生成システム、質問回答集生成方法及び質問回答集生成プログラム
接続表現は、文章間の論理的なつながりや文脈を構築する重要な要素です。人間でも接続表現を当てはめるのは難しい一方、言語モデルを活用し人間よりも精度高く接続表現を自動推定する技術を開発しました(※)。この技術を利用することで、人間が書いた文章の論理構成などを評価することが可能となります。
※記述指導支援に向けた文間接続関係の自動推定システムに関する研究,日本教育工学会研究報告集,2023,2023巻 4 号,p. 21-26
自社のノウハウを生かしたLLMを構築するには、LLMにドメイン知識と特有のタスクに対する応答性能を改善する必要があります。ドメイン知識を与えるために、大量のテキストデータを収集し、継続事前学習を実施していきます。当社では、様々なドメインを想定し、継続事前学習等によるドメイン特化LLMの研究開発を行っております。これらの知見をもとに、お客さま独自のLLM構築に関する技術的アドバイザリーサービスを提供することも可能です。
LLMが人間の指示に対して適切に応答できるようにするためには、インストラクションチューニングが有効です。しかし、このチューニングに必要な日本語のインストラクションデータは、英語圏に比べて著しく不足しているのが現状です。当社では、研究機関との共同研究を通じて、複数のLLMの相互作用を活用したインストラクションデータの創発的生成技術を開発しています。また、LLMを評価する基準(ベンチマーク)がLLM内でどのように位置づけられるべきかについては、まだ明確になっていません。LLMの性能を正確に評価するためのベンチマークのさらなる開発にも、大きな可能性が残されています。
プロンプトにノイズとなる情報を含めることで、期待する結果が得られないことがあります。当社では、ノイズとノイズに頑健なLLMの評価結果情報を蓄積することで、プロンプト入力をサポートする技術を開発しました(※1)。また、プロンプトをサブタスクに分割した事例を蓄積することで、入力したプロンプトを細かい作業に自動分解する技術を開発しました(※2)。
これらの技術を活用することで、より効率的なプロンプトエンジニアリングをサポートします。
※1 特願2023-178390(特許査定済)※2 特願2023-178391(特許査定済)
従来から、接客において顧客の感情を把握することは重要とされてきました。近年では、SNSや口コミ情報がマーケティングにおいて身近に利用されるようになり、これまで以上に精細な感情推定が求められるようになっています。
当社では、文章のテーマを考慮した感情推定を活用し、素材を組み合わせてコンテンツを生成する新しい技術を開発しました(※)。たとえば、従来の文章から音楽を生成する技術では、内容に秩序が感じられない場合がありましたが、本技術を用いることで、聞き心地にも配慮した質の高いコンテンツ生成が可能となります。
※特許第7599963号 コンテンツ生成システム、コンテンツ生成方法及びコンテンツ生成プログラム
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