市場本格化に先立ち、CO2排出権取引の実務を体験
GHGソリューションズ、排出権クレジットのパイロット取引を実施
2005年7月19日
電源開発株式会社
みずほ情報総研株式会社
イネオスケミカル株式会社
「GHGソリューションズ(電源開発株式会社とみずほ情報総研株式会社が運営する、地球温暖化問題に関する会員制サービス)」[*1]は、イネオスケミカル株式会社から排出権クレジットの一形態であるCER(認証排出削減量)[*2]の提供を受け、同社と会員企業との相対契約によるCO2排出権のパイロット取引を実施します。
GHGソリューションズは、2003年の発足以来、専用サイトを通じたレポートのダウンロードサービスや勉強会等を実施してまいりましたが、今般、会員各社の一層の実務ノウハウ獲得を図るために、イネオスケミカルの協力によるCERの現物提供を受けてパイロット取引を実施することといたしました。
イネオスケミカルは、韓国のウルサン(蔚山)市で温室効果ガス排出削減を目的としたCDMプロジェクトを実施しています。このプロジェクトにより、早ければ2005年7月中にも、世界で初めてCERが発行される見込みです。このたびの取引は、そのCERの一部を、GHGソリューションズの会員企業に対して、排出権取引市場を介さずに定価格で販売するものです。
今回の取引に参加する企業は、CO2排出権取引の本格化に先立ってCERの現物入手に伴う契約実務のほか、国別登録簿への口座開設(原則電子申請)、会計整理、税務対応など、排出権クレジットの取引に欠かせない一連の手続きを経験することにより、今後の実施ノウハウを蓄積することが可能です。また、GHGソリューションズの運営2社は、排出権取引を希望する企業に対するコンサルティングを、今後一層強化してまいります。
パイロット取引の概要
左右スクロールで表全体を閲覧できます
1.契約 | CERの先渡し |
---|---|
2.当事者 | イネオスケミカルと購入を希望する会員企業 |
3.数量 | 10~1000トンCO2程度で購入企業の希望数量 |
4.価格 | GHGソリューションズ会員間限定の非公開・期間限定の定価格(*1) |
5.支払 | 受け渡し時 |
6.受け渡し | CERが発行(*2)され、取引ログ(クレジットの登録簿間の移転など を記録するシステム)が機能後で当事者の準備ができ次第(*3) |
7.対象CDMプロジェクト | 韓国ウルサン市におけるHFC類の破壊事業 |
8.その他 | 個別購入企業名は当事者の希望がない限り非公開 |
ウルサンプロジェクトの概要
左右スクロールで表全体を閲覧できます
プロジェクト参加者 | イネオスケミカル他4社 |
---|---|
実施国 | 韓国 |
プロジェクト名 | 韓国ウルサン市におけるHFC類の破壊事業 |
プロジェクトの概要 | HCFC22の副生産物としてのHFC23の破壊 |
計画クレジット獲得量 | 年間約140万トンCO2 |
- *1今回のCER取引はあくまで会員企業の実務勉強に資することを目的としますので、数量を限定した上で定価格(非公開・期間限定)販売するものです。したがって、今回のCER価格については市場価格とは必ずしもリンクしたものではありません。
- *2CDM理事会の決定によりますが、早ければ2005年7月中にも発行される見込みです。
- *3ウルサンにおけるCDMプロジェクトの場合、CER検証・認証のための第三者機関がCDM理事会に信任されれば、認証報告書をCDM理事会に提出し一定の手続きを経た後、CDM登録簿にCERが発行される予定です。但し、取引ログが機能しなければCDM登録簿からCERを日本の国内口座に移転することができません。取引ログが機能を開始(2006年の見込み)してから、イネオスケミカルと購入企業の移転準備が完了し、双方が合意する日をクレジット受け渡し日とする予定です。
参考
1 GHGソリューションズとは
電源開発とみずほ情報総研が運営する、地球温暖化問題に関する情報とソリューションを提供する会員制サービスです。地球温暖化問題に関心をお持ちの日本企業の皆さんと、価値の高い情報を共有し、共に考え、ソリューションを見出して行く場として活用いただいております。 サービスに加入いただいた会員のみなさまには、専用のサイトにアクセスしていただき、毎月更新されるレポート類をダウンロードして自由に閲覧していただけます。また、毎月行われる「勉強会」にも無料で参加することができ、「温暖化問題にどう対処すべきか」について、講演とディスカッションを通じて共に考え、理解を深めていくことができます。 GHGソリューションズは、国内外の政策動向、排出権取引、JI/CDMに関わる動向などについて、氾濫しがちな情報を専門家が適切にコンパイルし、簡潔な形で付加価値の高い情報をお届けし、みなさまのソリューション発見のお手伝いをしています。現在50社を超える日本企業に会員として加入頂いています。
2 CERとは
CERは京都議定書が採択した京都メカニズム(JI、CDMおよび排出量取引)のうち、クリーン開発メカニズム(CDM)に基づいて発行されるクレジットであり、CDMを管理する国際組織であるCDM理事会による温室効果ガス排出削減プロジェクトの登録と排出削減量の検証を経て発行されるものです。CERは、日本が国として京都議定書の義務を達成するために利用できるだけでなく、日本企業が自主目標を達成するために活用することができます。
- 電源開発株式会社(社長:中垣 喜彦、本社:東京都中央区)
- みずほ情報総研株式会社(社長:小原 之夫、本社:東京都千代田区)
- イネオスケミカル株式会社(社長:生熊 博司、本社:東京都品川区)
ニュースリリースに関するお問い合わせ
電源開発株式会社
広報室 山田秀司、吉永創
電話:03-3546-2211
みずほ情報総研株式会社
広報室 上原 靖、小山 文彦
電話:03-5281-7548
E-mail:info@mizuho-ir.co.jp
イネオスケミカル株式会社
クリー事業部 花原達朗
電話:03-5462-8665
サービスに関するお問い合わせ
GHGソリューションズ事務局
電話:03-5281-5282
E-mail:ghg@gene.mizuho-ir.co.jp
みずほ情報総研株式会社
環境戦略ソリューション室 殿村雅文
電話:03-5281-5282
E-mail:kankyo@gene.mizuho-ir.co.jp
お問い合わせ
担当:広報室
電話:03-5281-7548