2008年10月16日

みずほ情報総研株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：小原 之夫）は、2008年11月より、東京大学情報基盤センターのT2Kオープンスパコンを活用した大規模流体解析サービス「MIZUHO FLOW STATION」の提供を開始いたします。

本サービスは、みずほ情報総研が、T2Kオープンスパコン（東大版）と次世代流体解析ソフトウェアを連携し、大規模流体解析サービスとして提供するものです。当社は、2007年10月より、東京大学情報基盤センターが提供する『先端的大規模計算シミュレーションプログラム利用サービス』（文部科学省「先端研究施設共用イノベーション創出事業」）を活用し、産学官の融合となる本サービスの事業化推進の検討を進めてまいりました。

「MIZUHO FLOW STATION」が提供する大規模流体解析サービスには高い信頼性、多機能性、そして利便性の3つの利点があります。第1の利点は、高い信頼性です。流れのモデル化への依存性を極力排除して大規模な流体解析を実行することにより、現象予測の精度（解析の信頼性）が向上します。設計段階での性能評価の予測精度向上は試作コストの削減、開発期間の短縮に直結するため、設計の高度化・効率化が期待できます。第2の利点は、多機能性です。「MIZUHO FLOW STATION」では、オープンソース流体解析ソフトウェアであるFrontFlow／blue*1およびOpenFOAM*2を活用することにより、ものづくり現場のさまざまな解析ニーズに対応します。最後の利点としては、利便性が挙げられます。大規模流体解析の実行には、ハードウェア・ソフトウェアの導入およびこれらを有効に活用するノウハウの蓄積が必要ですが、本サービスの利用により、初期投資の負担がなく、解析コンサルティングから解析の実行、結果分析にいたるまで、スムーズに大規模流体解析を実現することが可能となります。なお、将来的には、ASPサービスとして大規模流体解析サービスの提供を予定しております。

みずほ情報総研では、複雑流体の解析や構造解析など、産業基盤技術となりうる先端的な計算科学ソフトウェアの開発や、解析コンサルティングサービスを提供してまいりました。今回新たに提供を開始する「MIZUHO FLOW STATION」により、ものづくり現場への大規模流体解析技術の導入をサポートし、設計の効率化・高度化を実現し、産業界における競争力の向上に貢献してまいります。

「MIZUHO FLOW STATION」の概要

• 計算リソース：T2Kオープンスパコン（東大版）の企業有償利用枠（HA8000クラスタシステム、総理論ピーク性能 140TFLOPS*3）
• ソフトウェア：FrontFlow／blue、OpenFOAM

上記を活用した大規模流体解析サービスを提供

サービスの特長

• 大規模解析のスムーズな導入が可能
• 様々な解析対象をサポート（ターボ機械、騒音、空力、気液2相流、混相流）
• 充実した解析コンサルティングサービスを提供（計算モデル作成、メッシュ作成、結果分析）

解析例

1. *1FrontFlow／blue （FFB）：文部科学省次世代IT基盤構築のための研究開発「革新的シミュレーションソフトウエアの研究開発」プロジェクトにおいて開発された流体解析ソフト。乱流現象の高精度予測が最大の特長であり、空力騒音予測やターボ機械内部流れ解析に多数解析実績がある。みずほ情報総研は、2005年のプロジェクト発足時よりFFBの開発に参画し、商用ライセンスを取得。「MIZUHO FrontFlow／blueコンサルティングサービス」として、FFBの導入カスタマイズから解析、ユーザーニーズに応じた新規機能の開発までのサービスを提供している。
2. *2OpenFOAM （Open Field Operation and Manipulation）：オブジェクト指向言語 C＋＋ で開発された汎用のアプリケーション群。豊富な解析機能をサポートし、アプリケーションのカスタマイズが可能なため、ユーザの多様な解析ニーズに対応することができる。
3. *3TFLOPS（Tera FLOPS）：コンピュータの処理速度をあらわす単位の一つで、1秒間に1兆回の浮動小数点演算（実数計算）ができることを示す。

• MIZUHO FLOW STATIONの詳細については、こちらをご覧ください
  https://www.mizuho-ir.co.jp/solution/research/digital/manufacture/mfs/index.html