2009年12月22日

みずほ情報総研株式会社

みずほ情報総研株式会社（本社：東京都千代田区、社長：小原 之夫）は、2009年12月より太陽電池製造業界向けの製造実行システム（MES：Manufacturing Execution System）を内包したソリューションである「Solar Suite」の本格提供を開始いたします。

昨今、環境問題に対応してグローバル規模で次世代エネルギーとして太陽電池への取り組みが活性化する中で、太陽電池の製造およびR&Dが活発化しています。特にここ数年で、技術開発の進展に伴う電力への変換効率の向上、また省資源化、低コスト化が進んだことにより、一般市場向け製品も多数開発され、欧州や中国、台湾企業が台頭するなど市場が急拡大しています。こうした背景の中、このほど、国際的にも大規模な太陽電池メーカーが、米Camstar Systems社（以下 Camstar社）の「Solar Suite^TM」を導入、徹底した品質管理と規制や顧客ニーズに柔軟に対応する生産効率の向上によって、市場競争力強化の姿勢を打ち出しています。

「Solar Suite」は、Camstar社が開発した製造実行システム「Camstar Manufacturing」と太陽電池製造業界向けに特化したテンプレートを組み合わせたソリューションです。 本ソリューションは、企業のERPやPLM^*など基幹業務システムと連携し、管理者と製造現場の間で正確な情報の共有を実現します。仕様書および手順書など製造に関する計画・指示情報を製造現場へ的確に伝達することで作業ミスなどのヒューマンエラーを削減するとともに、材料の受け入れから最終組み立てまで、製造工程の情報をリアルタイムで記録・集約することにより、管理情報を可視化し、現場で発生した課題の分析を可能にします。さらに、品質工程が高精度化されることで、電力への変換効率の高い太陽電池の製造にも寄与します。また、管理業務の高度化により、製造現場において一定の品質を保ちつつ、納期の短縮や生産効率の改善を実現します。

「Solar Suite」は、汎用的なMESパッケージ「Camstar Manufacturing」を、太陽電池の製造工程の管理項目や作業フローなどに適応させることで、ユーザの利便性を向上し、システム導入に際しては、広範なカスタマイズなどを除けば60日～90日と比較的短期での納品が可能です。

みずほ情報総研では、1985年から、精緻な品質管理や製造プロセスの適正化が求められる半導体・電気メーカー向けにMESソリューションを提供し、国内外50サイト（工場、研究施設）以上の実績を有しています。MESと現場の製造装置をオンラインでつなぎ、製造工程を自動化する開発支援ツール「FainsCom EASy」や、製造装置における設定を自動で最適化し、品質を均一化するソリューションなど、今後、この半導体・電子機器製造分野で培ったノウハウを太陽電池製造分野へも応用し、「SolarSuite」と連携させることで、様々な顧客ニーズに対応したカスタマイズサービスまでを行います。

みずほ情報総研では、国内30社超の太陽電池メーカー、研究機関に対し、3年間で10サイトの導入を目標としているほか、米Camstar社のシステムをベースに、従来からの半導体製造分野、電子機器製造分野、医療機器製造分野においても、企業のニーズに合った効率的な製造実行・管理システムの構築支援を行ってまいります。

• *PLM（Products Lifecycle Management）：製品ライフサイクル管理