2011年10月5日
みずほ情報総研株式会社

みずほ情報総研株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：井上 直美）は、従来計算することが困難であった生体高分子やナノ材料などの大規模分子の電子状態を計算することが可能なバイオ分子相互作用シミュレータ「MIZUHO/BioStation」の導入支援および解析コンサルティングサービスの本格展開を、2011年10月より開始いたします。

「BioStation」は、国立大学法人東京大学生産技術研究所 革新的シミュレーション研究センターが中核となり推進している文部科学省次世代IT基盤構築のための研究開発「イノベーション基盤シミュレーションソフトウェアの研究開発」プロジェクトにおいて開発したソフトウェアで、みずほ情報総研は、プロジェクト発足時の2008年より研究開発に参画し、「MIZUHO/BioStation」として商用ライセンスを取得しています。本サービスでは、MIZUHO/BioStationの導入支援、技術サポート、解析実行に伴うコンサルティングサービスのほか、受託解析や顧客のニーズに応じた機能追加などのカスタマイズを行います。

「MIZUHO/ BioStation」は、フラグメント分子軌道（FMO）法^(*1)計算プログラム「MIZUHO/ABINIT-MP」と、解析条件の設定や結果の可視化をサポートする「MIZUHO/BioStation Viewer」で構成されています。MIZUHO/ABINIT-MPは、FMO法を適用することにより、従来は計算が困難であった大規模分子であるタンパク質やナノ材料分子の電子状態、相互作用を高速かつ高精度に解析することを可能にしました。これまで主に、インフルエンザウイルスの膜表面タンパク質にかかわる抗原抗体反応や抗ウイルス薬タミフルの酵素‐阻害剤結合、生活習慣病や乳がんにかかわる核内受容体のリガンド結合や転写の分子メカニズム、肺がんの分子標的薬とのドッキング、DNA転写等、さまざまな分子認識における相互作用の解明に貢献した実績を有しています。MIZUHO/ABINIT-MPは、300残基程度のタンパク質‐化学物質の複合系であれば、小規模のPCクラスタを用いて容易に計算することが可能であり、新薬候補物質の高精度スクリーニングなど、創薬設計や新材料開発の効率化の向上が期待できます。

みずほ情報総研では、「MIZUHO/BioStation」の導入支援からカスタマイズ、受託解析などのコンサルティングサービスを通じ、製薬・化学分野およびナノテクノロジー・材料分野における研究開発の効率化、高度化を実現し、産業界における競争力の向上に貢献してまいります。

• *1タンパク質やDNAなどの大規模分子をフラグメント（断片）に分割し、フラグメント間の相互作用を取り込みながら系全体の電子状態を計算する方法。

■本ソリューションの詳細はこちらをご覧下さい。
MIZUHO/BioStationの導入支援および解析コンサルティング