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多くの節電行動で今夏6割超の実施率、エアコンの節電は広範に普及・定着

節電に対する生活者の行動・意識に関する追跡調査を実施

2011年11月17日
みずほ情報総研株式会社

みずほ情報総研株式会社(本社:東京都千代田区、社長:井上 直美)は、生活者の今夏の節電行動の実態を把握するため、「節電に対する生活者の行動・意識調査(追跡調査)」を行い、このたび調査報告書としてまとめましたのでご案内いたします。

今夏、東京電力管内ではさまざまな節電の取り組みが実施されました。家庭においても数多くの節電行動が実施され、同管内の家庭における最大ピーク時電力需要は昨年比11%減(気温が同水準の日同士の比較)、また8月の販売電力量は昨年比17%減となっており(*1)、大幅な節電に成功しています。みずほ情報総研では、本年6月に実施した第1回調査の追跡調査として、節電に対する生活者の行動・意識に関するアンケート調査を9月に実施し、今夏の取り組み実態や節電行動の普及、定着度合いについて分析を行いました。

今回の調査から、今夏の節電の実施率は、各節電行動のほとんどで6割を超えており、特に、照明に関する節電は9割、エアコンの節電についても8割を超える実施率であったことがわかりました。また、前回調査(2011年6月)と今回調査の結果から、照明、テレビ、温水便座、家電製品の待機電力に関する節電では、震災を機に実施率が大幅に上昇し、今夏の実施率も高い状態が維持されていたことがわかりました。一方、冷蔵庫に関する節電については、震災を機に実施率が1割程度上昇したものの、今夏の実施率は震災前の水準に戻っていました。節電が食品に与える影響について、生活者が懸念を抱いたことが実施率低下の一因と考えられます。今後、節電の普及・定着を図っていくには、節電が生活全般に影響を及ぼすことを考慮して、冷蔵庫の設定温度に関する情報など、影響の克服方法や軽減方法についての情報提供を行うことが重要と考えられます。

また、夏の節電の鍵であるエアコンに関する節電について、前回調査の分類(*2)ごとに今夏の取り組み状況と来夏の取り組み意向を分析したところ、取り組み経験がないチャレンジ層の今夏の実施率は8割であり、来夏についても、約6割の人が電力不足に関係なく取り組む意向を示しました。震災後の電力需給の逼迫を契機にエアコンの節電が普及し、これまで取り組まなかった生活者にも定着しつつあるものと考えられます。

  1. *1経済産業省「今夏の電力需給対策のフォローアップについて」
  2. *2ベテラン層:今夏、節電行動に取り組むつもりであり昨夏にも取り組んだ人、チャレンジ層:今夏取り組むつもりだが昨夏に取り組み経験がない人、非協力層:取り組むつもりがない人

アンケート調査の概要

左右スクロールで表全体を閲覧できます

「節電に対する生活者の行動・意識調査(2)」
対象: 第1回調査の回答者(2011年6月1日時点で、東京電力管内に1年以上居住していた成人男女)。ただし、転居した人は対象から除外。(インターネットリサーチ)
調査期間: 2011年9月15日~27日
有効回答者数: 725名

主な回答

今夏の節電の取り組み状況

  • 今夏の節電行動の実施率は、ほとんどの行動で概ね6割を超えていた。特に、照明に関する節電は実施率が9割を超えており、エアコンの節電についても8割を超える実施率であった。

今夏の取り組み状況

図表1

震災以前、夏前の実施率と今夏の実施率の比較

  • 震災以前と今夏の比較では、すべての行動で今夏の実施率のほうが高かった。エアコン、照明、テレビ、温水便座、家電製品の待機電力に関する節電(主電源をオフにする、コンセントを抜く)では、いずれも震災前に比べて15%~27%と大幅に実施率が上昇していた。一方、冷蔵庫、炊飯器に関する節電では、今夏の実施率は震災前とほぼ同じ水準であった。

震災以前、夏前の実施率と今夏の実施率の比較

図表2

エアコンに関する節電行動

  • エアコンに関する節電行動について、前回調査で採用した分類(ベテラン層:今夏、取り組むつもりであり、昨夏にも取り組んだ人, チャレンジ層:今夏、取り組むつもりだが、昨夏に取り組み経験がない人, 非協力層:今夏、取り組むつもりがない人)ごとに、今夏の取り組み状況、来夏の取り組み意向を分析した。
  • ベテラン層では、今夏の実施率は9割、来夏についても、約8割の人が電力不足に関係なく取り組む意向を示した。エアコンの節電は、ベテラン層にとってはごく自然に取り組める行動として定着しているものと考えられる。
  • チャレンジ層では、今夏の実施率は8割、来夏についても、約6割の人が電力不足に関係なく取り組む意向を示した。エアコンの節電は、チャレンジ層にも徐々に定着しつつあるものと考えられる。
  • 非協力層でも約半数が今夏の節電に取り組んでおり、来夏についても、約3割の人が電力不足に関係なく取り組む意向を示した。

エアコンに関する節電の調査結果

図表3-4

  1. *この他いずれにも属さない人(前回調査の時点でエアコンを持っていなかった等)が38名いた。

本調査の詳細については、こちらをご覧ください。
節電に対する生活者の行動・意識調査(2)
―家庭における節電はどの程度定着したのか?―
https://www.mizuho-ir.co.jp/publication/report/2011/setsuden1117.html

「節電に対する生活者の行動・意識調査」(前回調査)については、こちらをご覧ください。
節電に対する生活者の行動・意識調査
―家庭における節電の一層の推進には誰に何を伝えるべきか?―
https://www.mizuho-ir.co.jp/publication/report/2011/setsuden0630.html

本件に関するお問い合わせ

報道関係者からのお問い合わせ

みずほ情報総研株式会社
広報室 佐藤 綾子、石原 卓
電話:03-5281-7548
E-mail:info@mizuho-ir.co.jp

アンケート調査の内容に関するお問い合わせ

みずほ情報総研株式会社
環境・資源エネルギー部 藤原 和也、日比野 剛
電話:03-5281-5287

サステナビリティコンサルティング第1部、第2部03-5281-5282

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