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経営者の積極的関与、お互いを認め合う良好な職場風土の醸成がディーセントワークの実現に有効

「すべての社員にとって働きやすい職場づくり」に向けたアンケート調査を実施

2012年7月19日
みずほ情報総研株式会社

みずほ情報総研株式会社(本社:東京都千代田区、社長:井上 直美)は、非上場企業を対象に、「すべての社員にとって働きやすい職場づくりに向けたアンケート調査」を行い、このたび調査報告書としてまとめましたのでご案内いたします。

労働力人口の減少、また、労働者の働くことに対する価値観が多様化する現在、各企業では人材の確保ならびに定着を図るためにも、ワークライフバランスの実現をはじめとするディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に係る取り組みをこれまで以上に展開する必要性が生じています。「新成長戦略」(2010年6月閣議決定)の雇用・人材戦略においても、ディーセントワークの実現に向けて、均等・均衡待遇の推進や最低賃金の引き上げ、ワークライフバランスの実現(年次有給休暇の取得推進、労働時間短縮、育児休業等の取得推進)などに取り組むことが明記されており、2020年までの数値目標が掲げられています。このような背景のもと、みずほ情報総研では、各企業においてディーセントワークに係る取り組みがどの程度進んでいるか、どのような属性の企業で取り組みが進展しているかなどを把握するため、全国の非上場企業を対象に、ディーセントワークを7つの軸(*1)から捉えたアンケート調査を実施しました。

今回の調査から、「経営者が社員の働きやすさ向上の取り組みに理解を示している」「働きやすい職場に関する制度・取り組みの内容を各種研修内で時間をとって説明している」「部下が上司に仕事のこと・プライベートなことを問わず相談できる職場風土・雰囲気がある」等の企業において、ディーセントワークに係る取り組みが進んでいる傾向がみられました。社員にとって働きやすく、働きがいがある職場の実現、すなわちディーセントワークの実現には、経営者のさらなる理解や積極的関与を促すこと、全社員に各種制度や取り組みを着実に周知・浸透させること、上司に相談でき、お互いを認め合える良好な職場風土や雰囲気づくりに向けた社員への働きかけを行うことが有効であると考えられます。

一方で、ディーセントワークに係る取り組みの進展度と、「平均勤続年数」「女性正社員比率」「所定外労働時間」「年次有給休暇取得率」「女性管理職比率」や「売上高」「経常利益」には、有意な相関関係がみられないことがわかりました。上場企業を対象とした調査(*2)では、ディーセントワークがよりよく実現している企業ほど正社員の平均勤続年数が長くなる傾向がみられており、今後は非上場企業でも同様の傾向がみられるかを把握すべく、引き続き非上場企業で働く社員のデータを収集・分析するなどの必要があると考えられます。

  1. *1ディーセントワークの7つの軸
  1. (1)WLB軸:「ワーク」と「ライフ」をバランスさせながら、いくつになっても働き続けることができる職場かどうかを示す軸
  2. (2)公正・平等軸:性別や雇用形態を問わず、すべての労働者が「公正」「平等」に活躍できる職場かどうかを示す軸
  3. (3)能力開発軸:能力開発機会が確保され、自己の鍛錬ができる職場かどうかを示す軸
  4. (4)収入軸:持続可能な生計に足る収入を得ることができる職場かどうかを示す軸
  5. (5)労働者の権利軸:労働三権などの働く上での権利が確保され、発言が行いやすく、それが認められる職場かどうかを示す軸
  6. (6)安全衛生軸:安全な環境が確保されている職場かどうかを示す軸
  7. (7)セーフティネット軸:最低限(以上)の公的な雇用保険、医療・年金制度などに確実に加入している職場かどうかを示す軸
  1. *2みずほ情報総研では、厚生労働省委託「ディーセントワークと企業経営に関する調査研究事業」において、上場企業を対象に、職場の働きやすさに関する企業・従業員アンケート調査を実施しました。

アンケート調査の概要

左右スクロールで表全体を閲覧できます

「すべての社員にとって働きやすい職場づくり」に向けたアンケート調査
対象: 商用データベースから無作為抽出した全国10,000社の非上場企業
調査期間: 2012年1月下旬~2月下旬
有効回答者数: 979件(有効回収率9.8%)

主な分析結果

経営者の理解、研修の実施有無、職場風土の状況別にみたディーセントワークの取り組み進展度

  • 経営者が「社員の働きやすさ向上」に資する取り組みに理解を示している企業のほうがディーセントワークに係る取り組みが進んでいる。

ディーセントワークに係る取り組み01


  1. 左図では、「経営者が『社員の働きやすさ向上』に資する取り組みに理解を示している」という設問について、「大いに当てはまる」「やや当てはまる」と回答した企業、「あまり当てはまらない」「まったく当てはまらない」と回答した企業の別に、「ディーセントワークに係る取り組み進展度(=7軸合計アウトプットポイント)」を算出している。同ポイントは、ディーセントワークの実現に向けた制度・取り組みの整備・運用状況(=アンケート調査の各設問)についてそれぞれポイント化(取り組み進展度が低い=1pt~高い=5pt)し、ディーセントワークの7つの軸((1)~(7))ごとに各軸の平均ポイントを算出(右図)して足し上げたもの。以下、同様。
  1. (注)各軸の平均ポイントならびに7軸合計アウトプットポイントは分析を単純化するために設定したものであり、「他の企業より取り組みが進んでいるか」という相対的な位置づけを示す。

  • 管理職に対して、「働きやすい職場」に関する制度や取り組みの内容について、各種研修内で時間をとって説明している企業のほうがディーセントワークに係る取り組みが進んでいる。

ディーセントワークに係る取り組み02



  • 部下が上司に仕事のこと・プライベートなことを問わず相談できる職場風土・雰囲気がある企業のほうがディーセントワークに係る取り組みが進んでいる。

ディーセントワークに係る取り組み03


本調査の詳細については、こちらをご覧ください。
ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現に向けて
―「すべての社員にとって働きやすい職場づくり」に向けたアンケート調査―
https://www.mizuho-ir.co.jp/publication/report/2012/decentwork0719.html

本件に関するお問い合わせ

報道関係者からのお問い合わせ

みずほ情報総研株式会社
広報室 佐藤 綾子、石原 卓
電話:03-5281-7548
E-mail:info@mizuho-ir.co.jp

アンケート調査の内容に関するお問い合わせ

みずほ情報総研株式会社
社会政策コンサルティング部 小曽根 由実、山岡 由加子
電話:03-5281-5276

社会政策コンサルティング部03-5281-5276

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