2013年12月18日
みずほ情報総研株式会社

みずほ情報総研株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：西澤 順一）は、本日より、バイオ分子相互作用シミュレータ「MIZUHO/BioStation」^*1Ver.3.0の販売を開始します。

「MIZUHO/ BioStation」は、フラグメント分子軌道（FMO）法^*2 計算プログラム「MIZUHO/ABINIT-MP」と、解析条件の設定や結果の可視化をサポートする「MIZUHO/BioStation Viewer」で構成される量子化学計算ソフトウェアです。FMO 法を適用することにより、従来は計算が困難であった大規模分子であるタンパク質やナノ材料分子の電子状態、相互作用を高速かつ高精度に解析することを実現しています。

今般リリースするMIZUHO/BioStation Ver.3.0は、国立大学法人東京大学生産技術研究所 革新的シミュレーション研究センターで開発および公開されている最新版のBioStation^*3に基づいており、連続溶媒モデルや部分構造最適化の大幅な改良、計算の収束性の向上や高速化を実現しています。さらに今回、MIZUHO/BioStation独自の新機能として、創薬現場で活用実績のあるエネルギー成分分割法「PIEDA」を実装しました。PIEDAを用いることにより、これまで多くのFMO計算解析で用いられてきたフラグメント間の相互作用エネルギー（IFIE）を、静電エネルギー、交換反発エネルギー、電荷移動エネルギー、分散エネルギーの4成分に分けて解析することが可能になりました。また、GUIを用いて、それぞれのエネルギー成分を分子構造にマッピングした可視化解析を行うことができます。これにより、医薬品候補化合物をデザインする際に、タンパク質との相互作用成分に基づいた論理的な創薬が可能となります。

みずほ情報総研では、MIZUHO/BioStationの導入支援からカスタマイズ、受託解析などのコンサルティングサービスを通じ、製薬・化学分野およびナノテクノロジー・材料分野における研究開発の効率化、高度化を実現し、産業界における競争力の向上に貢献してまいります。

• *1「BioStation」は、国立大学法人東京大学生産技術研究所 革新的シミュレーション研究センターが中核となり推進した文部科学省次世代IT基盤構築のための研究開発「イノベーション基盤シミュレーションソフトウェアの研究開発」プロジェクト（2008-2013年）において開発したソフトウェア。みずほ情報総研は、プロジェクト発足時より同研究開発に参画し、「MIZUHO/BioStation」として商用ライセンスを取得、2011年より販売している
• *2タンパク質やDNAなどの大規模分子をフラグメント（断片）に分割し、フラグメント間の相互作用を取り込みながら系全体の電子状態を計算する方法
• *3ABINIT-MP Ver.6.0およびBioStation Viewer Ver.15.0（2013年3月公開）