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東電管内の節電行動は後退傾向で、非節電型ライフスタイルに回帰

節電に対する生活者の行動・意識に関する追跡調査を実施

2013年3月12日
みずほ情報総研株式会社

みずほ情報総研株式会社(本社:東京都千代田区、社長: 井上 直美)は、生活者の夏の節電行動の実態を把握するため、「節電に対する生活者の行動・意識調査(追跡調査)」を行い、このたびレポートとしてまとめましたのでご案内いたします。

当社では東日本大震災以降、東京電力管内に居住する生活者を対象に、節電に対する意識や行動を継続的に調査してきました(2011年6月、2011年9月に調査を実施)。3回目の調査となる今回は、これまでの調査の回答者を対象とした再度の追跡調査に加え、関西電力管内に居住する生活者を対象としたアンケートを新たに実施し、両管内における節電行動の現状について分析を行いました。

今回の調査から、東京電力管内における2012年夏の節電への取り組みは、震災前と比較すると各節電行動のほとんどで1~2割高い実施率でしたが、震災直後の水準と比較すると時間経過とともに実施率が低下していることがわかりました。エアコンや冷蔵庫に関する節電行動は、照明やテレビの節電に比べ大きく低下しており、「エアコンの使用を控え、別の方法で涼む」については、2011年夏は80%であった実施率が、2012年夏では68%に低下していました。取り組みが後退した要因として、電力不足に対する認識の変化や節電の負担感が考えられます。調査結果では、電力不足を深刻だと回答する人の割合が時間経過とともに低下しており、電力不足に対する考えが変化していない人でも、節電を負担だと感じている場合には、時間の経過とともに実施数が減少していく傾向が見られました。一方、生活者をいくつかのグループに分類して見ていくと、周囲の人と節電について話をする頻度が高いグループや原発を必要でないと考えているグループにおいて、節電の実施数が低下しにくい傾向が見られました。

また、関西電力管内では、いずれの節電行動においても2012年夏の実施率が2011年夏の実施率を上回っていました。しかし、同管内と東京電力管内の実施率を比較すると、2012年夏の時点においても、ほとんどの取り組みで東京電力管内の実施率のほうが高くなっていました。震災直後に計画停電の実施など、極端な電力不足を経験した東京電力管内の生活者のほうが、節電に対する受容性が高くなっている可能性が考えられます。

みずほ情報総研では、これまでの調査結果および今回の調査結果について、年代別・性別の回答や、今後の節電の実施意向など未公開の内容も含めたレポート(電子版、有料)として、2013年4月下旬より提供を開始する予定です。

アンケート調査の概要

左右スクロールで表全体を閲覧できます

「節電に対する生活者の行動・意識調査(3)」
対象:
  1. 【1】第1回調査の回答者(2011年6月1日時点で、東京電力管内に1年以上居住していた成人男女)。ただし、転居した人は対象から除外。
  2. 【2】関西電力管内に1年以上居住する成人男女
調査期間: 【1】 2012年9月21日~10月4日、【2】 2012年9月24日~26日
有効回答者数: 【1】 512名、【2】 896名

主な回答

節電行動の実施率の推移(東京電力管内の状況)

  • 2012年夏の節電行動の実施率は、震災前の水準と比較すれば1~2割高いが、震災直後の水準からは時間経過とともに低下する傾向が見られる。
  • 実施率の変化を見ると、エアコンや冷蔵庫の節電が、照明やテレビの節電に比べて大きく低下している。「エアコンの使用を控え別の方法で涼む」では、2011年夏から2012年夏にかけて12%の低下、冷蔵庫に関する節電は2011年夏の段階で13~14%低下、それ以外の取り組みでは概ね数%程度の低下であった。

震災直後から2012年夏まで実施率の推移
図表1

実施率低下の要因(東京電力管内の状況)

  • 電力不足を非常に深刻だと回答する人の割合は55%(2011年6月)から24%(2012年夏)と半減している。また、電力不足を深刻だと感じていない人の節電行動の平均実施数は、深刻だと感じている人に比べ少ない傾向が見られた。電力不足が緩和されたと感じた生活者が節電に取り組まなくなったと考えられる。
  • また、節電を負担だと感じている場合ほど節電行動の平均実施数が減少する傾向が見られた。

電力不足に対する認識と節電実施数の関係(左)、負担感と節電実施数の関係(右)
図表2

節電の取り組みが定着しているグループの特徴(東京電力管内の状況)

  • 周囲の人と節電に関して話をする頻度が高いグループでは、頻度が低いグループに比べて節電行動の平均実施数が多く、かつ取り組みが低下しにくい傾向が見られた。
  • また、40~50年後において原発を必要でないと考えているグループでは、原発を必要と考えているグループに比べて節電行動の平均実施数が多く、取り組みが低下しにくい傾向が見られた。

節電に関して話をする頻度と節電実施数の関係(左)、
原発の必要性の捉え方と節電実施数の関係(右)

図表3


  • 本調査の詳細については、こちらをご覧ください。

節電ムーブメントのその後
― 社会動向レポート「節電に関する行動・意識調査」の結果から ―
https://www.mizuho-ir.co.jp/publication/report/2013/mhir05_setsuden.html

  • 「節電に対する生活者の行動・意識調査(2)」(前回調査)については、こちらをご覧ください。

節電に対する生活者の行動・意識調査(2)
―家庭における節電はどの程度定着したのか?―
https://www.mizuho-ir.co.jp/publication/report/2011/setsuden1117.html

本件に関するお問い合わせ

報道関係者からのお問い合わせ

みずほ情報総研株式会社
広報室 佐藤 綾子、石原 卓
電話:03-5281-7548
E-mail:info@mizuho-ir.co.jp

アンケート調査の内容に関するお問い合わせ

みずほ情報総研株式会社
環境エネルギー第1部 藤原 和也
電話:03-5281-5287

サステナビリティコンサルティング第1部、第2部03-5281-5282

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