「複数自治体連携型大規模健幸ポイントプロジェクト実証」の実施について
2014年10月2日
スマートウエルネスシティ地域活性化総合特別区域協議会
国立大学法人筑波大学
株式会社みずほ銀行
みずほ情報総研株式会社
株式会社つくばウエルネスリサーチ
筑波大学、みずほ銀行、みずほ情報総研、つくばウエルネスリサーチは、このたび総務省からの委託事業である「ICT健康モデル(予防)の確立に向けた地方型地域活性化モデル等に関する実証」に採択され、健幸長寿社会を創造するスマートウエルネスシティ総合特区(*1)(以下、SWC総合特区)に参加する6市(千葉県浦安市、栃木県大田原市、岡山県岡山市、大阪府高石市、福島県伊達市、新潟県見附市)とともに、健康づくり無関心層も含めた多数の市民を健康づくりに誘引できるインセンティブ制度の大規模実証を開始します。
本実証事業は、みずほ情報総研が申請代表企業として全体を統括し、参加自治体、企業、筑波大学の産官学連携体制により実施します。
実施期間は、2014年12月から2015年3月までを想定し、11月中旬から順次、各自治体において参加者の募集を開始する予定です。
プロジェクトの特徴
- 大中小都市の6市広域連携のもと、40歳以上の市民を対象とした健幸(*2)ポイント付与大規模社会実証を行います。(日本再興戦略・国民の健康寿命の延伸に位置づく施策)
- 健康無関心層を喚起するため、SWC総合特区で実証してきたエビデンスに基づくポイント付与の仕組みを提供します。日々の健康努力と実践したことによる成果(健康状態の改善)に基づき、最大24,000pt/年(24,000円に相当)のポイントを付与します。
- 住民が参加しやすいよう、自治体主体事業だけでなく、民間健康サービスも含めて、6市合計約200以上の健康プログラムや地域貢献事業が用意されます。
- 住民は高機能歩数計を日々装着して、毎日の努力が中央システムに送信され、それに基づいた努力や成果がポイントとして蓄積されます。
- 蓄積されたポイントは、共通ポイント(Pontaポイント)や商品券、寄付に活用することができる仕掛けをつくり、市民の健康生活が地域経済にも波及する仕組みとします。
背景
SWC総合特区では、自律的に「歩く」を基本とする「健幸なまち」を構築することにより、自然と体を動かす人が増え、高齢化・人口減少が進んでも持続可能な先進予防型社会を作り、地域活性化に貢献することを目的として取り組んでいます。2011年12月にSWC総合特区の指定を受け、【1】ICTを活用したビッグデータの分析に基づく健康施策の推進、【2】歩いて暮らせるまちづくり、【3】それらを推進する条例の制定、の3つの柱で住民全体をカバーできる施策を進めてきました。
そして、2013年度において1年間にわたって、健康無関心層の行動変容を促す施策について厚労省FS(*3)研究を通じて検討し、その結果、無関心層の行動変容にも結び付くようなインセンティブの制度化が必要であるとの結論に達し、2014年度より4本目の柱として、この取り組みを追加実施していくこととしました。なお、本取り組みの必要性は、この6月に発表された日本再興戦略改訂版にも位置づけられています。
- *1健幸長寿社会を創造するスマートウエルネスシティ総合特区
岐阜県岐阜市、新潟県三条市、大阪府高石市、福島県伊達市、兵庫県豊岡市、新潟県新潟市、新潟県見附市、筑波大学、㈱つくばウエルネスリサーチの産官学連携で構成。2014年10月には千葉県浦安市、栃木県大田原市、岡山県岡山市も追加認定予定。 - *2健幸
健康で幸せの状態(身体面の健康だけでなく、人々が生きがいを感じ、安心安全で豊かな生活を送れること) - *3FS
feasibility study(フィジビリティ・スタディ)の略で、プロジェクトの実現可能性を事前に調査・検討すること
事業概要
健幸ポイント制度は、健康づくり無関心層を含めた多数の住民の行動変容を促す施策として期待され、これまでに全国多数の自治体・企業健保において取り組みがなされてきましたが、現状は成果に至っていません。SWC総合特区における原因検討では、以下の(1)~(3)が主要因であることが示されました。
- (1)これまでのインセンティブプログラムは健康づくり無関心層にフォーカスされていない
- (2)現状のインセンティブ策は原資が小さく、魅力あるインセンティブプログラムになりえていない
- (3)日々の健康努力や成果に基づいて適切なポイントを付与できるアルゴリズムが開発されていない
本プロジェクトは、2013年度にSWC総合特区で行った厚生労働省FS研究の成果を踏まえたインセンティブ制度のもと、健康に関心のある人だけでなく、無関心な人にも健康づくりに参加してもらうため、「健幸ポイント」をインセンティブとして付与し、健康に関する行動変容を促す実証事業を行います。
目的
少子高齢・人口減少社会を迎え、日々の生活の中で健康づくりを意識したり、気にし始めたりする住民の存在感は着実に増しています。「健幸ポイントプロジェクト」では、健康に関心のある人だけでなく、無関心な人に対しても運動を行うきっかけ、あるいは運動を続ける動機づけになることを目的に、優良な健康づくりサービス等を利用しながら、健康づくりの努力と成果に応じてお得なポイントを獲得できる健幸ポイントプロジェクトを実施します。
参加対象者
千葉県浦安市、栃木県大田原市、岡山県岡山市、大阪府高石市、福島県伊達市、新潟県見附市に在住する満40歳以上の住民1万人以上の参加を目指し実施します。
「健幸ポイント」の仕組み
市で提供される健康づくりなどの有料プログラムやサービスに参加・継続することや、日々の健康努力と実践したことによる成果(健康状態の改善)に基づき、最大24,000pt/年のポイントが付与されます。プログラムは自治体が主体で行う健康教室のほかにも、民間企業が行う健康サービスも対象とし、健康無関心層も参加しやすいよう6市合計200程度の対象プログラムを用意します。また、貯まったポイントは、Pontaポイント、商品券、社会貢献(寄付)に交換することができる仕組みを準備します。
ポイント付与の仕組み
これまでの調査研究の成果を踏まえ、インセンティブに工夫しています。たとえば、運動の開始時の「入会したよポイント」、運動を持続することによる「がんばってますポイント」、指定のプログラムに参加する「行きましたポイント」、3カ月のBMIや筋肉率の改善による「変わりましたポイント」など、開始~持続~継続~成果の各段階を評価して、健康行動を変えることを支えられる設計にしています。
また、健幸ポイントは、共通ポイント(Pontaポイント)や商品券、社会貢献(寄付)など参加者が利用方法を選ぶことができるようにしています。
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ポイント 名称 |
ポイントの説明 | 貯まるポイント | |
---|---|---|---|
期間最大 | 年間最大 | ||
入会したよ ポイント |
健幸ポイント制度参加と同時に有料のプログラムに入会した場合にポイント付与。 | - | 1,000 or 3,000pt (入会時のみ) |
がんばってます ポイント |
基準歩数に比べて一定量の歩数が増加した場合、および推奨される歩数を達成した場合にポイントを付与。 | 800pt/月 | 9,600pt/年 |
行きました ポイント |
指定のプログラムに参加した日数に応じてポイント付与。ただし、月最大10日分の参加までがポイント対象とする。 | 200pt/月 (20pt/回) |
2,400pt/年 |
変わりました ポイント |
3カ月毎のBMIまたは筋肉率が改善した場合、およびそれらの数値が基準範囲内である場合にポイント付与。 | 1,000pt/3カ月 | 4,000pt/年 |
続けたよ ポイント |
6カ月連続で健幸ポイントの獲得が確認できた場合にポイント付与。 | 500pt/6カ月 | 1,000pt/年 |
健診受けたよ ポイント |
健康診断のデータにより健診受診が確認できた場合にポイント付与。ただし、対象となる健康診断は毎年度1回のみとする。 | 1,000pt/年 | 1,000pt/年 |
健康になったよ ポイント |
1年毎の健診データが改善した場合、およびそれらの数値が基準範囲内である場合にポイント付与。 | 3,000pt/年 | 3,000pt/年 |
合計 | 24,000 pt/年 |
期待される成果
健幸ポイントプロジェクトをきっかけに、多くの住民が健康なライフスタイル習慣が身につくようになれば、地域全体の医療費・介護費等の抑制にもつながるだけでなく、“体の調子が良くなり、外出機会も少しずつ増え、街での買物や住民どうしのふれあいの機会も自然と増す”ような「健康づくりと地域の活性化の循環モデル」が期待されます。
各社の役割分担
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名称 | 役割分担 |
---|---|
国立大学法人筑波大学 | 健康行動分析 |
株式会社みずほ銀行 | ビジネスモデル検討 |
みずほ情報総研株式会社 | 全体とりまとめ、健幸ポイント企画運営、進捗管理(申請代表企業) |
株式会社つくばウエルネスリサーチ | 健幸ポイント企画運営、健康サービス事業、施策評価・分析 |
日本アイ・ビー・エム株式会社 | システム構築・開発に関するアドバイザリ |
凸版印刷株式会社 | 実証事業の運用、システム構築 |
株式会社ロイヤリティマーケティング | 既存ポイント運営事業、ポイント付与・利用検討 |
オムロンヘルスケア株式会社 | 健康サービス事業 |
株式会社コナミスポーツ&ライフ | 健康サービス事業 |
セントラルスポーツ株式会社 | 健康サービス事業 |
健幸ポイントプロジェクト専用サイト
※2014年11月7日よりサイトオープン予定(URL:http://www.wellnesspoint.jp/)
本件に関するお問い合わせ
SWC総合特区協議会事務局
株式会社つくばウエルネスリサーチ内(担当:越智、小口)
TEL: 04-7197-2360
株式会社みずほ銀行
コーポレート・コミュニケーション部 広報室(担当:坂内)
電話:03-5252-6574
みずほ情報総研株式会社
広報室 (担当:佐藤、石原)
電話:03-5281-7548
E-mail:info@mizuho-ir.co.jp