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2019年9月26日

先進的テクノロジーを活用したチャート分析システムの共同開発について

株式会社みずほ銀行
みずほ情報総研株式会社
東京大学 大学院情報理工学系研究科

株式会社みずほ銀行(頭取:藤原 弘治、以下「みずほ銀行」)、みずほ情報総研株式会社(代表取締役社長:向井 康眞、以下「みずほ情報総研」)と東京大学 大学院情報理工学系研究科(研究科長:石川 正俊)は、同研究科が実施する「東京大学データサイエンティスト養成講座(領域知識創成教育研究プログラム)」(以下、「東京大学データサイエンティスト養成講座」)のデータ解析演習プログラム(データサイエンス実践演習I・II)の中で、株・為替・金利等のチャートの形状から、過去に類似したチャートの形状を持つ時期を発見するアルゴリズムを開発し、今月よりみずほ銀行の市場業務において利用を開始しました。

1背景

金融市場における為替、株価や債券等の相場分析は重要なテーマです。みずほ銀行では、相場分析の手法の一つとして、過去の価格変動が類似した時点を用いた「類似チャート分析」を実施していました。しかしながら、従来より使用されていたアルゴリズムでは、人間がチャートの形状を観察して直観的に下す判断とは異なる場合があり、人間が「形状が似ている」と判断していてもアルゴリズムは「形状が似ていない」と判断するケースや、逆に人間が「形状が似ていない」と判断していてもアルゴリズムは「形状が似ている」と判断するケースがありました。

みずほ銀行は、2018年10月より東京大学データサイエンティスト養成講座のデータサイエンス実践演習I・IIに参加しています。同演習講義では、実データを活用したデータサイエンス教育に長らく取り組んでおり、これに参画した成果として、みずほ情報総研および東京大学データサイエンティスト養成講座と共同で先端的技術を用いたチャート分析システムを開発しました。

2概要・特長

東京大学大学院の学生の自由な発想と高い専門性が発揮され、先進的なアルゴリズムを活用したチャート分析システムが完成しました。具体的には、近年AIに活用されている深層学習を用いた画像の次元圧縮(*1)のアルゴリズム、および人間の直観に適合した距離尺度(*2)を用いるアルゴリズムを利用することで、より人間の判断に近いチャート分析を、人間より高速に実施することが可能になりました。

  1. *1)データセットから元データに含まれる特徴をなるべく損なわないようにデータの次元を減らす手法。本システムにおいては、チャートの画像データを低次元のデータに変換している。
  2. *2)データとデータの近さを計量する基準。本システムにおいては、広く使用される距離関数と異なり、時系列のズレ等を吸収することのできる距離尺度を使用している。

3今後の展開について

〈みずほ〉と東京大学 大学院情報理工学系研究科は、今後も一層、産学連携に取り組むとともに、持続的な競争優位の確立を目指していきます。

お問い合わせ

みずほ情報総研株式会社
広報室 石原 卓

03–5281–7548

E-mail:info@mizuho-ir.co.jp