グローバルイノベーション&エネルギー部 木村 元
アフリカにおける当社のこれまでの取り組みや、アフリカに適応したスマート農業(農業ICT)のコンセプトについて紹介するため、アフリカ最大級のICTイベント「Transform Africa Summit 2019」に参加・出展した。イベントの概要や、当社の出展内容と反響、今後の展開についてレポートする。
イベントの概要
Transform Africa Summitは、アフリカ最大級のICTイベントであり、第5回となる今回は「アフリカにおけるデジタル経済の促進」をテーマとして開催された。アフリカ各国の大統領・大臣を含め、国際組織、民間企業、市民組織など多岐にわたる5,660人が107ヶ国より参加した。
会議名 |
Transform Africa Summit 2019 (TAS2019) |
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主催 |
Smart Africa(*) |
開催地 |
ルワンダ共和国・キガリ |
期間 |
2019年 5月14日~5月17日 |
- *ICTの活用を通して、アフリカ大陸の持続可能な社会経済開発を加速化しようとする、アフリカ諸国の政府首脳による公約(及びそれに基づく組織)
現地会場で話題を呼んだのは、ヒューマノイドロボット・Sophiaの登壇である。サウジアラビアの市民権をもつ彼女は、H.E Paul Kagameルワンダ大統領らも出席する開会セッションで「アフリカには、ICTにより、医療、農業、教育等の分野における社会課題を克服する機会がある」等と述べ、聴衆に強い印象を残した。
当社の出展内容
アフリカ開発会議(TICAD)を主催するなどアフリカ開発支援を行う日本では、アフリカの社会課題解決に向けた技術のPRのため、総務省、独立行政法人国際協力機構(JICA)、神戸市が共同でジャパン・パビリオンを開設し、当社を含む約20者が出展した。
当社は、ジャパン・パビリオンにおいて、以下の内容を紹介した。
- アフリカに適応したスマート農業(農業ICT)のコンセプト
- 東アフリカ・ルワンダ共和国におけるリンドウの生産・輸出事業
- 南アフリカ・ボツワナ共和国における節水&高付加価値農業の実証事業
農業はアフリカの人口の大部分が従事する産業であることもあり、当社の出展内容への関心は高く、国際組織の関係者から、現地起業家、ルワンダ出身のオランダ農業関連企業家、インド出身の中東企業など、多くの関係者が当社ブースを訪れた。来訪者の多くが口をそろえて「私の母国で一緒に事業をやらないか」と嬉しいコメントをくれる等、今後の事業展開に向けた有意義な意見交換・ネットワーキングを行った。

ジャパン・パビリオン前での集合写真

当社ブース(ジャパン・パビリオン内)
今後の展開
当該イベント(TAS2019)のすぐ後にも、ルワンダ共和国の首都キガリから車で数時間の距離に位置する、大手食品加工会社の農場を訪問し、現地農業の課題や日本の農業技術への期待について意見交換を行うなど、スマート農業(農業ICT)に関する新規事業企画を推進している。このような取り組みを通じて、開発途上国における社会課題の解決、SDGs達成に貢献していきたい。

大手食品加工会社の農場にて(ルワンダ共和国)