シニア米国経済エコノミスト 松浦 大将
主任エコノミスト 白井 斗京
主任エコノミスト 菅井 郁
エコノミスト 中信 達彦
主任エコノミスト 亀卦川 緋菜
上席主任エコノミスト 井上 淳
上席主任エコノミスト 坂中 弥生
主任エコノミスト 東深澤 武史
要旨
- ポイント①:100日間で達成したものは?
- 第二次トランプ政権は、肥大化した「覇権国家のコスト」の是正を図る
- 歴代政権を凌ぐスピードで大統領令を発出し、選挙戦で公約に掲げた移民・麻薬の流入阻止や、反・脱炭素を推進。一方、議会の協力が必要な財政・税制政策や、4月以降に本格化した通商政策の成果は、現時点では乏しく、今後の取り組みが注目される
- ポイント②:強硬な関税政策の行く末は?
- 現時点までの関税引き上げにより、米国の平均関税率は約100年ぶりの高水準まで上昇
- 過激な関税政策は、景気の下押しや、物価上昇を招く恐れがあるが、共和党支持者は製造業の復活のため、一時的な痛みを許容。トランプ政権は、関税を維持したまま、減税政策によって来年の景気を活性化することで、中間選挙の勝利を企図していると推察
- ポイント③:世界・日本は米国第一主義とどう向き合うべきか?
- 関税引き上げは輸送機械を中心に日本の幅広い産業に悪影響を与える見込み
- 米政府が問題視する自動車や農産物分野を軸に日米の交渉が進むと見られるが、貿易赤字の削減という相互関税の目的に立ち返ると、米政府が大幅な関税引き下げには応じないリスク
- 日本企業は、「米国の孤立主義」を前提としたビジネス戦略の見直しが急務に