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2025年7月25日

みずほリポート

高関税でも米国経済はなぜ悪化しないのか?

背後で起きた国内外の企業行動の変化

シニア米国経済エコノミスト 松浦 大将
主任エコノミスト 白井 斗京
主任エコノミスト 中信 達彦
主任エコノミスト 越山 祐資

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要旨

  • 着実に増加する関税収入の一方で、インフレ加速、景気減速の動きは限定的。背景には、ビジネスに悪影響が出ないよう、海外・国内企業が関税負担を飲み込む動きが存在
  • 良好な為替水準や政府の支援策に支えられ、海外・国内企業の価格戦略には一定の持続性。急速なインフレや景気悪化は起こらず、関税影響は緩やかなものとなる可能性が高まる
  • トランプ政策を経て、「安全保障」・「制度」・「価格・コスト」の構造は変容。米国ビジネスにおいては、高コストを前提としたうえで、柔軟な制度対応力やインテリジェンス強化といった多面的な対応力が問われることに。日本は多国間連携を始め『変わらない価値』を重視する欧州やアジアとの関係強化も重要に