調査部 主任エコノミスト 月岡直樹
概要
- 中国で「内巻式競争」と呼ばれる企業間の過当競争が激化している。その影響は企業の利益率の低下、売掛金回収期間の長期化、在庫の積み上がりといった形で現れている
- 中国政府は過当競争を抑制する「反内巻」のスタンスを強めている。ただ、過度な介入が企業活動を萎縮させかねないことから、実際の対応は企業の自主的な行動を促す形にとどめている
- 需給の不均衡と政府・企業のジレンマが、「内巻式競争」からの脱却を難しくしている。必要なのは構造改革であり、特に供給サイドで市場メカニズムによる新陳代謝を促すことである