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2023・2024年度 内外経済見通し
─ 高インフレ・高金利下で、世界経済は緩慢な成長に ─

見通しのポイント

  • 世界経済は、高金利・高インフレの下で2023年後半に向けて停滞感が強まり、通年では+2.6%に減速する見通し。金融引き締めの影響で欧米は景気後退へ。中国も投資意欲低迷や不動産市場の調整長期化が景気の重石に。2024年の世界経済は、欧米の景気回復の遅れや中国経済の減速継続により、+2.7%成長に留まる見通し
  • 米国は、これまでの急速な政策金利引き上げの影響が経済全般に広がり、2023年後半から景気後退に陥る見通し。他方、労働需給の引き締まりからインフレも粘り強く、政策金利引き下げは、インフレ圧力が緩和する2024年入り後となる見込み。高金利政策継続の影響により2024年の景気持ち直しは緩慢なペースに
  • 欧州では、既に軽微な景気後退となっている中、インフレ圧力の根強さからECBは引き締め政策を維持へ。賃金インフレへの懸念から高金利政策が継続、利下げが来春以降と見込まれることから、2023・2024年は共にゼロ%台前半の低成長にとどまる見通し
  • 中国では、経済再開に伴う需要急回復局面が既に息切れ。民間企業の投資・採用意欲の弱さや不動産市場の調整長期化から、2024年にかけて景気の減速感が続く見込み。NIEs・ASEANは米欧の低調さや半導体サイクルの調整長期化により、輸出中心に景気は総じて減速傾向
  • 2023年度の日本経済は、サービス中心の消費復調が続くも、米国の景気後退や半導体サイクルの調整長期化に下押しされ、緩やかな回復となる見通し。2024年度も景気回復局面は続くものの、賃上げ効果がインフレにより減殺されるため、緩やかな持ち直しテンポにとどまると予想
  • 金融市場では、米国の景気後退・利下げと日銀の政策修正により内外金利差が縮小方向となり、ドル円相場は2024年にかけて1ドル=130円前後へと緩やかな円高基調に転じる見通し。日銀は、多角的レビューを踏まえ2024年7~9月期にYCC撤廃・マイナス金利解除を実施。持続的な金融緩和政策に移行すると予想
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