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2024・2025年度 内外経済見通し
─ 世界経済はソフトランディングも その後の回復ペースは緩慢でリスクは残存 ─

見通しのポイント

  • 2024年の世界経済は、中国の景気減速と欧米の高金利の影響により年央にかけて減速感を強める。2025年は、中国の不動産部門の調整長期化が景気の重石となるものの、欧米景気は継続的な利下げを背景に次第に持ち直すほか、ASEAN等が先進国向け外需に支えられて回復するため、世界経済は緩やかに回復する見通し
  • 米国では、労働市場のヒト不足とサプライチェーンのモノ不足(供給制約)が緩和し、経済活動の正常化とインフレの鈍化が同時進行。過度な金融引き締めとそれに伴う景気下押しの必要性は低下。これまでの金融引き締めの影響から、2024年は年央にかけて景気減速するもソフトランディング。2025年は緩やかに回復基調へ
  • 欧州では、金融引き締め効果が顕在化し、2024年半ばにかけて景気は低迷。ECBは2024年6月から利下げを開始、その後の利下げペースは賃金インフレへの懸念から緩やかなものにとどまる見通し。2024年はゼロ%台半ばの低成長。2025年はインフレ低下と継続的な利下げに伴い回復する見通し
  • 中国では、不動産部門の調整長期化や人口減・米中対立といった構造的下押し要因が続く下で2024・2025年と成長率鈍化が続く展開。ディスインフレ圧力も継続。半導体サイクルの持ち直しによりNIEsは2024年に、ASEANは政策金利引き下げと外需回復により2025年に回復へ。インドは投資主導で堅調さが持続
  • 日本では、2024年度は、高水準の企業収益が賃金・設備投資に回ることで経済活動は回復基調を維持するも、実質雇用者報酬の伸び悩みやサービス消費・インバウンド需要回復の一服等で回復ペースは緩やかに。2025年度は、個人消費が力強さを欠くもとで、成長率は潜在成長率に向けて鈍化する見通し
  • 金融市場では、米国の利下げと日銀の政策修正により内外金利差が縮小方向となり、ドル円相場は2024年末にかけて1ドル=130円台半ばへと緩やかな円高基調に転じる見通し。日銀は2024年4~6月期にマイナス金利解除・YCC撤廃を実施。その後、賃金・物価の上昇モメンタムが次第に鈍化するもとで、ゼロ金利を継続する見通し
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