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2024・2025年度 内外経済見通し
─ 二極化と格差を抱えた強弱入り混じる成長パス ─

見通しのポイント

  • 2024年の世界経済は、中国の景気減速と欧米の高金利の影響により、年後半やや減速。2025年は、中国の不動産部門の調整長期化が引き続き景気の重石となるものの、欧米景気は継続的な利下げを背景に次第に持ち直すほか、ASEAN等が米欧向け中心の輸出に支えられて回復するため、世界経済は緩やかに回復する見通し
  • 米国では、巨大テックの企業中心に大幅増益。株高を通じて高所得層の消費も堅調。先行き、下位企業・低所得層中心に利上げの影響が広がるが、上位層の投資・消費を支えに景気急減速は回避。FRBは2024年9月に利下げ開始。既往の金融引き締めの影響が残り、2024年は年末にかけて減速するも、2025年は緩やかに回復
  • 欧州では、サービス業中心に持ち直し、製造業も足元底入れ。インフレは総じて減速傾向が維持されるものの、構造的人手不足等を背景に賃金とサービス物価は高止まり。ECBは慎重に利下げを実施、四半期に一度のペースにとどめる見通し。2025年にかけては、インフレ低下と継続的な利下げに伴い次第に回復する見通し
  • 中国では、不動産部門の調整長期化や人口減少・経済分断といった構造的下押し要因が続く一方で、輸出単価引き下げを伴う輸出数量拡大も次第に減退し、 2024・2025年と成長率鈍化が続く。NIEsは先端半導体需要の恩恵を受けて2024年に回復、ASEANは電子機器の需要回復に伴い2025年にかけて回復も国ごとにばらつき
  • 日本では、2024年度は高水準の企業収益が企業支出行動(賃上げ・設備投資)を下支えし内需主導で回復。実質賃金の改善から個人消費も緩やかに回復。2025年度は、賃上げ率が鈍化するも実質賃金は小幅プラスが継続し個人消費は回復が続く。設備投資は企業収益が鈍化するも国内生産拠点強化等を受けて増加傾向が継続
  • 金融市場では、日銀は2024年度中に0.5%まで利上げを行い、その後様子見。長期金利は1%台半ばまで上昇。米長期金利は2024年9月以降の利下げを受け、4%近傍まで緩やかに低下。ドル円相場は、日米金利差縮小が円高圧力も、キャリー取引の投資妙味は残存し、2024年度末時点で1ドル=140円台半ば程度の緩慢な円高に
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