みずほインサイト
ユーロ圏は今冬にかけ景気後退へ
─ インフレに加え政治リスクにも要警戒 ─
2022年8月5日
調査部 経済調査チーム
概要
- ロシアのウクライナ侵攻に伴う天然ガス供給停止懸念の高まりを背景に、エネルギーを中心にユーロ圏の物価は高騰。一方で、賃金の上昇は鈍く、消費者の実質購買力は大幅に低下
- 暖房需要が増加する今冬にかけてエネルギー価格は一段と上昇し、インフレはピークを迎える公算。実質購買力の低下による消費の落ち込みを主因に、ユーロ圏は景気後退入りの見通し
- ECBは11年ぶりの利上げを決定したが、先行きの政策運営は、景気後退下でのインフレ抑制や域内経済格差、各国政治リスクへの目配りも必要な極めて難しいものになるだろう