みずほインサイト
「5%賃上げ」後の賃上げ余力
─ 労働分配率の先行きについて考える ─
2024年4月10日
調査部 経済調査チーム 主席エコノミスト 河田 皓史
hiroshi.kawata@mizuho-rt.co.jp
概要
- 2024年の賃上げ率は予想以上の強い結果となった。今後は物価やインフレ予想の動向に焦点が移ると見込まれるが、その先には「2025年の賃上げ率」がどうなるかという論点も控えている
- 企業の「賃上げ余力」を占う上では労働分配率をみるのが有益。価格転嫁や生産性向上が順調に進むことを仮定しても「5%賃上げ」は継続困難で、2025年の賃上げ率は減速する可能性が高い
- 賃上げ余力としての労働分配率の先行きを占う上では、①4月以降の物価と②2024年度の企業収益を併せ見ることが重要となる