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みずほリポート

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大幅利上げでも米国経済はなぜ堅調か?

─ 景気を支える3つの要因 ─

2023年9月29日

調査部 経済調査チーム

要旨

  • FRBが大幅利上げを行う中でも米経済が底堅いのはなぜか?
    ─①家計が借入を低金利固定化していることで、利上げ局面でも金利負担が増えづらい構造になっていること(金利上昇の影響を弱める要因)、②パンデミック以降、政府が拡張的な財政政策を講じてきたこと(正の需要ショック)、③人手不足が賃金・インフレに押し上げ圧力を生んでいること(負の供給ショック)が経済を支える3つの要因として作用
    ─一方、家計への貸し手となる金融機関は貸出金利が固定化される中、調達コストが増加。収益源の利ザヤは伸び悩み、貸出態度は厳格化、今後の景気を抑制する要因に
  • 米経済は景気後退を回避できるか?
    ─家計の借入金利固定化など金利上昇の影響を弱める要因が残存する一方、企業部門を中心に金融引き締めの影響が鮮明化するほか、拡張的な財政政策の効果がはく落することで、米経済は2024年前半に緩やかな景気後退に陥る見込み
  • 金融政策の見通しは?
    ─2024年前半の景気後退が浅くとどまることでインフレ鈍化は緩慢。FRBは、24年Q2以降利下げに転じるが、そのペースは緩やかと予想
    ─ただし、想定以上に需要縮小・供給制約の緩和ペースが鈍ければ、追加利上げの可能性も。金融機関への負荷が高まることで信用収縮スパイラルに繋がるリスクには留意
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