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みずほリポート

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中国経済は「日本化」するか

─ 「バブル崩壊」よりも、長期的に成長率低下の可能性 ─

2023年10月31日

調査部 アジア調査チーム 主席エコノミスト 小林 公司
主任エコノミスト 月岡 直樹
主任エコノミスト 鎌田 晃輔

要旨

  • 中国経済の成長ペース鈍化やインフレ率低迷が続くなか、過去に日本が直面した不動産バブル崩壊と長期にわたる低成長(「日本化」)に陥るとの懸念が存在
  • 中国当局は、日本の経験から過剰債務調整にあたっては金融システムへの負荷を考慮、時間をかけた先送り型を選択。銀行部門の収益力の高さや自己資本の厚みもあり、日本のような深刻なバランスシート調整に陥る可能性は低い
  • 中国は、少子高齢化など90年代の日本と同様の課題に直面。EVや情報通信など一部新興技術で国家主導の科学技術振興が奏功するも、「世界の工場、投資主導、技術導入」といった従来型の発展モデルに代わる新たな成長モデル転換に遅れ。国内統治強化や米中対立激化も潜在的な成長率を下押し(30年代は3%割れ)
  • 中国に対し過度な悲観論は禁物。低下するとはいえ3%成長を続ける中国経済の存在感は大きく、日米欧企業の脱中国は今のところ限定的。地場企業との競争が激化するなか、成長が見込める分野でも優位性の有無の見極めが重要に
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