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みずほリポート

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インドの成長の姿と日本企業のビジネス戦略

2024年5月24日

要旨

  • インド総選挙の展望
    ―インドでは2024年4~6月から下院選挙を実施、6月4日に開票予定。世論調査はモディ3期目を強く示唆する内容
    ―モディ政権は、経済の安定やヒンドゥー至上主義の推進、対外プレゼンスの向上で盤石な支持を獲得
  • 総選挙後のインドの成長の姿:高まる期待と変わらぬ課題
    ―モディ3期目確実のもと、次の任期5か年では、これまでのモディ政権下で変革を示した成長トレンドが定着し、それを受けて6%台の高成長が持続する公算。他方、これまでに変化が見られなかった分野は、今後もインドの成長における課題として残ると予想
    ―これまでのモディ政権下で変革を示して成長期待が生じているのは、モディノミクスによる成長重視政策、製造業振興策の進展、消費市場の拡大、インフラ整備の進展。モディノミクスで高付加価値分野の製造業振興を進めており、高付加価値産業に従事する高賃金雇用者層の創出と、同層による高額耐久財消費の拡大に期待。ハード面を中心としたインフラ整備の進展も、投資需要として成長をけん引し、完成後は製造業振興の下支えに
    ―これまでのモディ政権下で変化が見られず、引き続き残りそうな課題は、成長の偏りと、ソフト面でのインフラ不足。高付加価値分野の製造業振興では、対象が一部に限られるため、製造業と雇用の厚みを拡大させることは困難。東・東南アジアの経験を振り返ると、まず労働集約型産業が発展し、中間層の雇用がボリュームゾーンとなって、消費も拡大した成長パターン。しかし、インドでは成長が一部の高付加価値分野と、それに従事する高所得層に偏り、格差が残る恐れ。法の未整備や税制の複雑さなどソフト面の整備も進まず、今後もビジネス上の障壁に
  • インドの成長の姿を見据えた日本企業のインドビジネス戦略:注目分野とキーワード
    ―今後のインドビジネスでは、変わらぬ課題を認識しつつ、成長期待が高まる分野で強みを発揮していくことが重要
    ―注目分野は、現地で高額耐久財やインフラ関連の需要拡大が見込まれることに、日本企業のグローバルな立ち位置を掛け合わせると、一例として自動車や鉄鋼などが挙げられる
    いずれの産業においても、インド市場の特質や現地での競争力向上のため、「現地化」がキーワード
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