ページの先頭です

みずほリポート

全⽂ダウンロードはこちら(PDF/967KB)

日本銀行の金融政策運営に関する3つのシナリオ

─ 要約版 ─

2024年5月30日

調査部 経済調査チーム 主席エコノミスト 河田 皓史

要旨

  • Q1. 日本銀行の金融政策運営についてどのようなシナリオが考えられるか?
    ―下記3シナリオが考えられる
    • ① 0.5%まで政策金利を引き上げたところで利上げ停止【実現確率55%】
    • ②-(A) 1%程度まで政策金利を引き上げて利上げ停止【同30%】
    • ②-(B) 名目中立金利まで政策金利を引き上げ【同10%】
  •  ―0.5%にも届かない可能性はかなり小さい【同5%】
  • Q2. 物価・賃金上昇の持続性をどうみるか?
    ―「5%賃上げ」もあって2024年度中のインフレ率(コアCPI)は2%超えがコンセンサス。ただし、賃上げが減速する2025年度にコアCPIは2%を割る可能性が高く、「2%完全達成とは言い難い」状況に落ち着く可能性が高い
    ―一方、インフレ予想が既に1%台半ばまで上昇しており、「達成が見通せる状況」がすぐに崩れる可能性も相当低下しているため、中立金利よりはある程度低い水準(1%前後)まで政策金利が引き上げられるシナリオ(Q1における②-(A))にも現実味はあるとみておくべき
  • Q3.利上げの終着点を決める「中立金利」をどうみるか?
    ―足元では少なくとも1%程度。利上げが継続するシナリオ(Q1における②-(A)(B))においては、2026~27年度にかけて1%台半ば~2%程度に上昇し、その分だけ利上げ余地が生じると予想されるが、不確実性は非常に大きい
ページの先頭へ