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固体高分子形燃料電池シミュレーター P-Stack® 解析フロー

自動化を追求したP-Stackの解析フロー

P-Stackを用いた解析では、実機セルの3D CADデータと小型セルのMEA特性の実験データを入力とし、下図に示す流れで解析を進めます。

図1

P-Stack 4.0では3D CADからのメッシュ生成およびCFDによる流体パラメーターの決定を自動化し、わずかなGUI操作で処理を実行できるようになりました。これによりシミュレーションのセットアップにかかる時間と労力を大幅に削減しました。さらにP-Stackでは工学モデルの採用により計算時間が汎用的なCAEソフトに比べ大幅に短縮されるため、解析工程のさらなる短縮を実現します。

使い易くなったP-Stack専用GUI

P-Stackでは一連の解析フローを専用のGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を用いて進めます。GUIの開発コンセプトは「マニュアルをあまり見ずに直感的に使えるGUI」。リボンタブ上のボタンを順番に実行していくことで解析フローを進めることができ、メッセージペインには次に行うべき処理の指示や設定の漏れや誤りを随時表示します。

図2

また、 Linux®サーバ上でのCFDや発電解析の並列計算もボタン一つで実行でき、面倒なコマンド操作は必要ありません。また、数値データの入力はMicrosoft® Excel®からのコピー&ペーストをサポートしており、実験で得られる時系列データの入力なども簡便に行うことができます。

3D CADからの自動メッシュ生成*1

最新のバージョンであるP-Stack 4.0では3D CAD(STEPフォーマット)を読み込み、P-Stack用のメッシュを自動で生成することができます。その際、3D CADの形状に対するヒーリング(微小な隙間な除去など)が行われます。

図3

  1. *13D CADからの自動メッシュ生成は、株式会社エリジオン(http://www.elysium.co.jp/)が開発したアルゴリズムを基に搭載した機能です。

CFDによる流体パラメーターの自動決定

P-Stackでは、通常のCFDと比較して圧倒的に少ないメッシュを用いつつも、CFDで得られる流動分布を再現する配管流動モデルを採用することでガス・冷却水流路の高速な流量分布や圧力損失の解析を実現しています。新しくなったP-Stackでは流れの圧力損失に関する工学パラメーターをCFD計算により自動決定することができます。入力された3D CADに対し、「CFD計算用メッシュの生成」、「CFD計算の実行」、「工学パラメーターの決定」の一連の処理を自動で実行します。

各種の解析を高速で実現する専用ソルバ

P-Stackのソルバは、燃料電池スタックの複雑な挙動を高速かつ十分な精度で解析することを目的に設計・実装されています。特に、要求される精度を保持しつつ解析に必要な計算量を低減するため、比較的粗いメッシュを用いて燃料電池スタックの構造を取扱いつつ、複数の工学モデルを組み合わせて精度を保証するアプローチを採用しています。

計算結果の可視化

IV特性や流配分布などの各種統計データはP-Stackの専用GUIにてグラフ表示できます。また、メッシュデータの可視化には専用GUIに加え、P-Stack用に改良したオープンソースの可視化ソフトウェアParaViewを用いることもできます。

図4


  • *「P-Stack」は、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社の登録商標です。
  • *Linux は、Linus Torvalds 氏の日本およびその他の国における登録商標または商標です。
  • *Microsoft, および Excel は、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における登録商標または商標です。
  • *ParaViewはKitware Inc.の商標です。
  • *その他記載の製品、サービス名は各社の登録商標です。

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