保育所における医療的ケア児の受け入れに関するガイドラインを策定
医療的ケアが必要な子どもへの支援体制に関する研究結果
2019年6月17日
みずほ情報総研株式会社
みずほ情報総研株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:向井 康眞)は、保育所等における医療的ケア児の受け入れを推進することを目的として、平成30年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「医療的ケアが必要な子どもへの支援体制に関する調査研究」を実施しました。
痰の吸引や口から食事をとれず栄養を直接体内に送るなどの医療的ケアが必要な子ども達(医療的ケア児)は、全国で1.7万人と推計されています(*1)。このような医療的ケア児の増加に伴い保育ニーズが高まる一方で、体制が不充分なために保育所等で受け入れを断る事例もあるといわれています。
本調査研究では、保育所における医療的ケア児の受け入れに先進的に取り組んでいる市町村を調査するとともに、市町村が医療的ケア児の受け入れに取り組む際の基本的な考え方や留意事項等を整理し、「保育所での医療的ケア児受け入れに関するガイドライン―医療的ケア児の受け入れに関する基本的な考え方と保育利用までの流れ―」として取りまとめましたので、ご案内致します。
市町村ヒアリングから見えた課題と対策
医療的ケア児の保育ニーズが増加する一方、保育所等での医療的ケア児の受け入れが0人の都道府県や政令指定都市が存在。
- 背景には「人材・予算確保が困難」「市町村としての方針の周知やニーズ把握が不十分」「対応経験が少なく、ノウハウの蓄積が困難」
保育所等での医療的ケア児の受け入れを広げるためには、次の対策がポイント。
- 市町村主体による取組の推進
医療的ケア児も他の子どもと同様に保育を受ける権利があるという理念のもと、地域の実情に応じた形で段階的に受け入れ体制を整えることが必要 - 医療的ケア児受け入れに向けた基盤づくり
医療的ケア児の受け入れに備えて、あらかじめ医療や保健、福祉等の関係者との連携体制を構築し、市町村としての受け入れ方針の共有等、基盤整備が重要 - 都道府県等による市町村、保育所への情報提供や支援の充実
市町村や保育所単独での実施は難しい「先進的に取り組んでいる市町村の取組等の共有」「人材の確保」「研修機会の確保」等について、都道府県等による情報提供や支援が期待される
市町村向けガイドラインのポイント
上記を踏まえ、ガイドラインでは、医療的ケア児の受け入れに関して責任主体である市町村を対象に、医療的ケア児の受け入れに関する基本的な考え方や留意事項を整理。
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目的: | 市町村における医療的ケア児の円滑な受け入れの推進 |
対象: | すべての市町村(保育現場職員や医療、福祉等関係者、都道府県等においても活用可能) |
ポイント: |
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本ガイドラインは、医療的ケア児受け入れの責任主体である市町村を対象としたものですが、保育現場の職員や、医療、福祉をはじめとした関係機関、都道府県等、医療的ケア児の受け入れに関わる各関係者にとっても参考となる資料として、まとめています。
より詳しい調査結果、ガイドラインの内容は、以下の報告書をご確認ください。
- 平成30年度子ども・子育て支援推進調査研究事業の事業報告書
医療的ケアが必要な子どもへの支援体制に関する調査研究
- *1平成28年度厚生労働科学研究費補助金障害者政策総合研究事業
「医療的ケア児に対する実態調査と医療・福祉・保健・教育等の連携に関する研究」
本件に関するお問い合わせ
報道関係者からのお問い合わせ
みずほ情報総研株式会社
広報室 井川 公規
電話:03-5281-7548
E-mail:info@mizuho-ir.co.jp
調査・ガイドラインに関するお問い合わせ
みずほ情報総研株式会社
社会政策コンサルティング部
志岐 直美
電話:03-5281-5404