u-FLOW/WNを用いた解析事例として、東京都における水道幹線網をモデル化して解析した例を紹介します。 計算はu-FLOW/WNを用いておこないました。幹線網のモデル図を図1に示します。
対象とする配管の管径は2m前後で、一人あたりの1日の最大需要量を0.3m³ 、給水人口1000万人としました。 この仮定から、1秒間の最大給水量は34.7m³/sとなり、12ヶ所ある給水地点の計画給水量をそれぞれ3.0m³/sとして計算をおこないました。
また、東村山、朝霞、三郷、金町の4浄水場で水頭を与え、13要素にポンプ水頭を与えました。計算条件を表1に示します。
図1:水道幹線網モデル
項目 | データ |
---|---|
計算節点数 | 31 |
計算要素(配管)数 | 34 |
ヘッド固定点数 | 4 |
流量固定点 | 12 |
収束判定値 | 1×10-5 |
収束計算回数 | 8 |
表1:計算条件
解析結果を図2に示します。図中の丸印が計算用の節点であり、ばつ印が給水点、二重丸が流量固定点を表しています。 各節点の右肩に「H=~」の形で表されているのがヘッドです。節点を結ぶ線分が計算用の要素、すなわち配管であり、「D=~」の形で表されているのが管径、「Q=~」の形で表されているのが、流量です。 なお、各節点の右肩に「E=~」で表されているのは水頭を求めるための基準水位であり、計算には関係なく、ここでは一律に零としています。
図2の計算に要した時間は、NEC製パーソナルコンピューターPC9801NS/T(数値演算プロセッサあり)で約2秒でした。
図2:解析結果
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