環境・経済ともに持続可能な未来をめざして。行政、企業双方へアプローチするコンサルタント

2024年6月25日

庭野 諒
福山 健

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みずほリサーチ&テクノロジーズには、持続可能な未来を見据えて業務に取り組む若手社員が数多くいます。今回フォーカスしたのは、ともに環境リスクチームで活躍する庭野 諒と福山 健。仕事を教わる立場から周囲を率いる存在に成長した彼らが、どんな想いで仕事に向き合っているのかを語ります。

行政と企業の双方にアプローチ。社会的課題の解決に立ち向かう

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▲サステナビリティコンサルティング第2部 コンサルタント 庭野 諒

みずほリサーチ&テクノロジーズは、官公庁や研究機関、環境先進企業と連携し、長年にわたって環境・資源エネルギー分野に関する委託研究・コンサルティングに取り組んできました。その経験によって蓄積されたノウハウを活用し、サステナビリティに関する顧客の課題解決や企業戦略を支援する事業に注力しています。

庭野と福山が所属するのは、サステナビリティコンサルティング第2部。国の政策立案や制度設計に関わる調査研究、企業の実証事業や各種調査に関するコンサルティングを展開しています。中でも、2人がともに籍を置く環境リスクチームでは、サステナビリティ分野のうち化学物質に起因する社会課題の解決をめざしています。

庭野:化学物質は多くの労働現場で有効活用されていますが、使い方を一歩間違えると健康被害や環境汚染、また火災・爆発といった甚大な被害をもたらしてしまう可能性があります。そうした事態を未然に防ぐため、行政のルールメイキングの支援、企業の適正な管理の支援といった形で、双方にコンサルティングを行うのが環境リスクチームのミッションです。

私がメインで携わっているのは、労働現場における化学物質の安全・健康や水素やアンモニアの利活用における産業保安。たとえば、近年、持続可能なエネルギーとして水素・アンモニアに注目が集まっていますが、そこには当然ながら爆発や火災のリスクがつきまとっています。私はそうしたリスクに対し、安全対策に関する技術の開発動向や国内外の法規制に関する調査を実施して、中央省庁などの政策立案に還元しています。

また、労働現場における化学物質のリスク評価の方法を検討するなど、企業で直接活用される内容を検討する機会もあります。

福山:私が主に担当しているのは、現場での化学物質管理支援であり、具体的には労働現場での化学物質の安全衛生や製品に含まれている化学物質についての管理支援を行っています。

労働現場で取り扱う化学品に有害な化学物質が含有されていると、リスクアセスメントや保護具の着用が必要になります。しかし、リスクアセスメントや保護具の選択には専門的な知識が必要となるため、科学的知見や国際動向、法令等の調査を実施し、中央省庁が実施する事業者支援に還元しております。

2人はみずほリサーチ&テクノロジーズに入社するまで、化学物質のリスク管理に関する専門的な知識を持っていたわけではありませんでした。プロジェクトを通じた文献調査や顧客へのヒアリングを通して、徐々に知識を蓄積していったと話します。上司や先輩とのコミュニケーションがとりやすい環境も、知識を身につける上で大きな助けになりました。そして、学んだ知識が政策や経営方針に反映されるスケールの大きな仕事に日々やりがいを感じています。

庭野:学問的な知見が土台にあり、さまざまな調査を通じて行政や企業への提案に結びつけていく。社会とのつながりを肌で感じられる点が、私たちの仕事の特徴であり、おもしろいところだと思っています。

福山:単に科学的な視点から調査をするということであれば、学生時代にも同じような経験がありました。しかし、それを具体的に政策やマニュアルに落とし込むためには、社会の実情に即した調整が必要になります。その試行錯誤が一番難しいところであると同時に、仕事のやりがいになっています。自分が関わったマニュアルが企業の取り組みに影響を与えるという点でも、社会的な意義の大きさを感じています。

環境への関心からみずほリサーチ&テクノロジーズへ。実務を通じて勉強する日々

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▲サステナビリティコンサルティング第2部 コンサルタント 福山 健

庭野は大学院で環境学を専攻しており、再生可能エネルギーに関する環境及び社会経済への影響評価に関する研究をしていました。

庭野:私が所属していた研究室の目標は、研究成果を政策立案や企業の意思決定につなげることでした。その過程で、シンクタンクで働くことに興味を持ち始めたのです。みずほリサーチ&テクノロジーズの社名は、研究時に参考にしたレポートで何度も目にしていました。それが当社に興味を持ったきっかけです。

一方の福山が大学院で研究していたのは、環境教育。「子どものうちから自然に慣れ親しむことで、環境に配慮する意識を醸成できるのではないか」という考えのもと、研究に取り組んでいました。

福山:当時の研究が現在の仕事に直結しているかというと、そうではないかもしれません。学生時代の自分は環境教育について学ぶうちに、漠然と環境に関わる仕事がしたいと考えるようになりました。こうした自分の想いを持ちながら就職活動をする中で、シンクタンクであれば自分の関心や経験を活かしながら、環境に関わることができる気がしたのです。

入社後は、先輩社員と共同で案件に携わることで業務のイロハを叩き込まれた2人。とくに印象に残っている経験があります。

庭野:1〜2年目に先輩と取り組んだ、2つのプロジェクトが強く印象に残っています。1つめは、企業の産業保安に関する情報開示ガイダンス作成に向けた業務です。

近年、社会的なサステナビリティへの関心の高まりとともに、投資家や金融機関などによる適切な企業価値評価を可能にするため、サステナビリティに関わる積極的な情報開示が企業に求められています。このプロジェクトでは、企業が産業保安に関わる情報を開示する際の手引きとなるガイダンスを取りまとめるための調査を行いました。

もうひとつは、この産業保安の取り組みを、具体的にどのようにESG投融資と関連づけるのか、モデルケースの検討・試行を行う業務です。従来は規制を中心に管理されていたところに、企業の自主的な取り組みが評価されるというポジティブなアプローチを取り入れられた点が非常に新鮮でした。

福山:私は初めてプロジェクトリーダーを任された2年目の経験が印象に残っています。当時は、地方自治体における化学物質管理の制度の立案や運用の支援に携わっていました。1年目で関連する知識を学んだつもりでしたが、実務としてクライアントと関わり始めると専門性の薄さを実感することになり……。お客さまからの質問に対応するために勉強を重ねる毎日でした。現在にも通じる“習うより慣れろ”の精神は、こうした経験があったからこそ身についたものだと感じています。

関心のある分野に自ら挑戦。プロジェクトリーダーとして奮闘

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2人は着実に経験を積み、官公庁や企業に対してコンサルティングを実施してきました。庭野は3年目で初めてのプロジェクトリーダーを経験。自らコンペで勝ち取った案件ですが、反省も多くあったと振り返ります。

庭野:水素の産業保安戦略検討に関わる官公庁向け調査事業を担当しました。水素の安全性という、チームとして新たに扱う領域に挑戦してみたいと考え、自ら手を挙げて担当しました。

新しい分野なので自分自身勉強をしながら、かつ初めてのプロジェクトリーダーを同時進行。そのため、タスクを把握・細分化してメンバーに割り振ることが難しく、自分で抱え込んでしまうことも。事前準備やスケジュール管理の重要性、お客さまとのコミュニケーションの大切さなどを身に染みて実感した仕事でした。

当時は反省点ばかり目についた庭野でしたが、水素の安全分野に挑戦したことがきっかけで、企業や業界団体から同テーマでの新たな案件受注につながるなど、今となっては一定の成果に結びついています。

庭野の話を聞いていた福山は、当時の庭野と同じ壁に直面したと切り出します。

福山:昨年度、労働安全衛生の保護具選定に係る官公庁向けの調査事業を担当したのですが、タスク管理やスケジュール管理は、庭野さん同様苦戦したところでした。化学物質のリスク管理について、労働者や企業に対して教育的な観点から支援を実施するという案件で、教育について関心を持っていたため挑戦したいと手を挙げました。

苦労は絶えませんでしたが、今後も化学物質と教育の両方に関心を持つ自分にしかできない役目があると信じて、専門性を磨いていきたいと思っています。

専門性を磨くために、議事録の作成が役に立っていると語ります。

福山:議事録の作成は単純作業だと思われるかもしれませんが、専門家の方の発言も踏まえながら内容を補足していく必要があるため、個人的には「勉強になるな」と思いながら楽しんで業務にあたっています。議事録作成の効率化と知識の吸収を同時に行うため、文字起こしツールを取り入れるなどAIを活用しながら取り組んでいます。

2人が仕事をする中で、共通して感じているのはコミュニケーションの重要性。コンサルタントとして顧客と関わる上で大切にしていることを次のように話します。

庭野:私たちの仕事は、単に厳しい規制を推奨し、リスクを抑えればよいというものではありません。規制が厳しすぎると企業が対応しきれず、実効性のないルールになりえます。産業活動を維持しつつ、適切な管理を実現するためには、行政や企業との綿密なコミュニケーションが不可欠です。実際に化学物質の管理・対策を行う企業や現場担当者の課題認識・ニーズについて、言葉の端々からニュアンスを汲み取るように意識しています。

福山:各ステークホルダーの要望を汲み取ったとしても、それらに応えるばかりでは前に進まないこともあります。各ステークホルダーの意向を汲み取りながら、お互いにとって譲歩できる着地点を探っていく。それこそが、私たちに求められている能力だと思っています。

「社会への貢献」を胸に働ける職場。未来に目を向けて環境分野に取り組む

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庭野は入社5年目、福山は入社4年目と、これからますますの活躍が期待される2人。現在どのような目標を見据えているのでしょうか?

庭野:私が興味を持っているのは、社会課題に対して企業が自主的に取り組むための仕組みをつくることです。

一方で、SDGsを形だけ推進してもまったく意味がありません。科学的な根拠にもとづいて企業の取り組みを正確に評価していく。それによって、課題解決と企業の成長が相乗できる仕組みづくりに貢献することが目標です。

福山:私は引き続き、教育的な支援を行える事業に携わりたいと考えています。大学や大学院で研究する中で感じていたのは、専門家と一般の方の環境問題に関する理解度の差。とくに法規制の内容は難しいことが多いので、企業の方の理解をサポートするために、教育的な側面からアプローチを行っていきたいです。

目標を持つ社員にとって、新しいことに挑戦できるみずほリサーチ&テクノロジーズは理想的な環境だと2人は口を揃えます。

庭野:当社の一番の魅力は、知的好奇心を刺激してくれる社員に囲まれていることです。短期的な利益だけでなく、「社会に貢献できそう」「おもしろそう」といった感覚を大事にして、案件を獲得しようという気概に満ち溢れているんです。自分の知識を社会的課題の解決に役立てたいと考えている方にとっては、ぴったりの企業なのではないかと思います。

福山:社会貢献したいという社員の意識の高さには、私も刺激をもらっています。とくに環境分野は自分以外への配慮意識が求められるためか、周囲に気を配りながら業務に取り組んでいる社員が多いと感じています。チームで協力して社会的意義のある仕事に取り組みたいという方は、ぜひ一緒に働きましょう!

※ 記載内容は2024年6月時点のものです

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