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継続的な改善でリスク管理の実効性を高める、横浜銀行

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コンコルディア・フィナンシャルグループの一員として、リスク管理部門のグループ一体運営態勢構築含め、管理体制の継続的な改善に取り組む横浜銀行。同行のリスク管理は、景気変動や市場変化の影響を最小限にとどめ、地域における金融システムの担い手として安定・継続して金融サービスを提供することを基本としている。今回は同行事務サービス部で事務リスクを所管しているグループ長の清水友宏氏と、リスク管理部でオペレーショナルリスク全体の統括管理を行っている調査役の永岡弘行氏にRCSA(リスク統制自己評価、*1)ソリューションを導入した背景、効果についてお話をうかがった。

背景

写真1

横浜銀行 事務サービス部
グループ長 清水 友宏氏

「当行では管理対象の一つであるオペレーショナルリスクを『事務リスク』、『システムリスク』、『リーガルリスク』、『有形資産リスク』、『人的リスク』に区分しています。そして、これらのリスクが、顕在化した際の損失額の大きさと発生頻度の2つの要素から特性を把握するとともに、識別、評価、モニタリング、コントロール・削減の枠組みに沿った管理態勢のもとで、重大な問題の発生防止に努めています。」(永岡氏)

「ソリューションの導入前は各業務の担当がリスクの洗い出し、シナリオ作成、リスク評価を実施していましたが、シナリオ数が多く、担当部署のリスクシナリオ見直し時の負担は大きくなっていました。また、各担当による洗い出しや評価の精度には、ばらつきが生じていました。シナリオ削除も判断が難しく、年々数が増え、このためにシナリオの見直しが適切にできず、形骸化してしまう側面もあり、みずほ情報総研に相談をしました。」(清水氏)

導入にあたって

写真2

横浜銀行 リスク管理部
調査役 永岡 弘行氏

「採用のポイントは2点あります。まず、先進的計測手法(AMA)採用行であるみずほ銀行の信頼性の高いシナリオを活用できるため、自行では発生していないリスクの把握・認識ができることです。また、リスク評価の精度のばらつきや、シナリオの見直しの形骸化に対応するうえで、みずほ銀行からの定期的に新商品・サービス、外部環境変化を取り込んだシナリオを受領できることもポイントでした。」(清水氏)

「今回の導入では、事務リスクを対象としたRCSAシステムの枠組みに、新たにシステムリスクを対象として組み込むため、運用を加味した要件の調整に苦労しました。リスク評価の方法もこれまでと異なるため、評価部署に対して新しい評価方法の説明会を開催しました。説明会では、みずほ情報総研のサポートも得ながら画面を用いた説明や、簡易手順書を展開することで、評価部署の理解の一助になったと思います。」(永岡氏)

導入の効果

写真3

写真右:横浜銀行 リスク管理部 永岡氏
(みずほ情報総研スタッフとの打ち合わせの様子)

「まず、膨大な数のシナリオを大幅に削減できました。これまで、約20,000本ものシナリオを抱え、その見直しに1,300時間もの負担がかかっていましたが、約6,000本まで削減できました。1本あたりの見直し時間も長いものでも約5~7分程度となり、工数も約半分まで削減できました。」(清水氏)

「各部でも見直しの時間を他業務へと充当するなど、生産性の向上に寄与しているようです。省力化だけでなく、みずほ銀行のシナリオを参考に、部署内では洗い出しできていなかったシナリオを取り入れ、リスク管理の強化へ繋がったとの反響もありました。」(永岡氏)

今後に向けて

「金融機関のリスク管理にも変化が求められる中、当行以外の導入行とも密な連携を行い、リスク管理をより高度化していきたいと思います。みずほ情報総研には、これからも知見の共有や意見交換等のサポートを期待しています。」(永岡氏)

「今後、新型コロナウイルス対応やオリンピック・パラリンピック等のイベントも考慮が必要となります。みずほ情報総研から受領するみずほ銀行のシナリオを活用し、評価を踏まえたアクションプランの策定や進捗管理等、RCSAを日常業務にも活用していきたいと考えています。また、担当者レベルのリスク評価の精度の向上を目的として、マニュアルの改定や説明会を拡充し、啓発活動を継続しているところです。シナリオについても、残存リスク評価の低いシナリオを削除しながら当行独自のシナリオを作成し、全体のシナリオ本数を維持しつつ、他行とも新規シナリオの交換を行うことで更なる実行性確保に努めていきたいと考えています。」(清水氏)

  • *1 RCSA(リスク・コントロール・セルフ・アセスメント)
    リスク統制自己評価とも呼び、自律的なリスク管理を目的として業務運営部署自らが、業務環境を認識の上、所管する業務に内在するリスクを特定し、評価・把握・管理し、必要に応じてリスク削減策を講じるリスク管理手法。横浜銀行では2018年12月に当社ソリューションを導入。
  • *この記事は、2020年11月の取材をもとに作成したものです

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