2010年4月19日
みずほ情報総研株式会社

みずほ情報総研株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：井上 直美）では、4月19日より電磁場・化学反応･流体・構造などの複数の物理現象の相互作用を取り入れて計算を行う、連成解析（マルチフィジックス解析）に関する総合サービスの提供を本格的に開始いたします。

連成解析とは、解析対象に同時に働く複数の物理現象について、それらの相互作用を考慮して解析する手法であり、先端的な技術開発の分野で近年ニーズが高まっております。例えば、モーターの起動時や停止時の挙動を高い精度で解析する場合には、電流の分布、磁石から生まれる磁場、ローターに掛かる回転力、ローターの回転運動を全て考慮することが必須になりますが、ソフトウェアの柔軟性の不足や機能の不足のために、この様な連成解析は一部の専門家のみにしか普及していませんでした。

このような背景のもと、みずほ情報総研では、COMSOL社（米国）によって開発された汎用工学シミュレーションソフトウェアCOMSOL Multiphysicsを活用し、連成解析に関るコンサルティングやお客さまのご要望に合わせたカスタマイズ、販売、保守サービスなどを提供することといたしました。

本ソフトウェアの最大の特徴は「連成解析に対する汎用性およびソフトウェアの柔軟性」です。電磁場、化学反応、流体、構造、電子回路、音響などの物理現象をそれぞれ単独で解析可能なのはもちろん、あらゆる物理現象の組み合わせに対応した連成解析を、容易に、かつ迅速に行うことができます。また、相互作用の強い現象も強連成と呼ばれる手法により、従来のソフトウェアに比べ短時間で高精度に計算できます。さらに、通常ブラックボックスとなっているソフトウェア内部の設定の編集が可能となっており、ユーザが手軽に機能拡張を行い、独自の解析機能を組み込むこともできます。

本サービスにより、モーター、リチウムイオン電池や燃料電池、半導体・MEMS・光デバイスの設計、化学反応プロセス、地質環境内の物質移動など、複雑な物理現象に対する高精度な解析を、多くの技術者に活用していただくことが可能となります。

また、今後の連成解析の本格的な普及を見据え、みずほ情報総研は、今年4月、COMSOL Multiphysicsの日本総代理店である計測エンジニアリングシステム株式会社と本ソフトウェアを活用した総合的なサービスの提供を行う、マーケティング・パートナー契約を締結いたしました。ここでは、セミナーの開催、学会での発表、書籍の出版など、本ソフトウェアの日本国内の普及、促進活動を協力して行います。

みずほ情報総研は、長年にわたって科学技術分野の調査研究、ソフトウェア開発・販売、受託解析などのコンサルティングを幅広い業界に提供してまいりました。複雑な現象のモデリングからシミュレーション、評価までを総合的にサポートする本サービスにより、初年度2億円の売上を見込んでいます。