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サステナブルな医療システム「新日本式医療」の海外展開を提言

「ICTを活用した医療産業の海外展開推進」に関する政策提言を発表

2015年7月6日
みずほ情報総研株式会社
株式会社みずほ銀行

みずほ情報総研株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:西澤 順一)および株式会社みずほ銀行(本店:東京都千代田区、頭取:林 信秀)は、このほど、「ICTを活用した医療産業の海外展開推進」に関する政策提言をとりまとめました。本提言は、2014年12月に発足した「医療産業の海外展開促進に関する検討会」(以下、検討会と表記。参加メンバー後記)において、医療機器メーカーや関係団体などとともに、計4回にわたり協議した結果をまとめたもので、内容の一部は検討会有識者を通じ、内閣官房健康・医療戦略推進本部のもとに新設された「次世代医療ICT基盤(*1)協議会」の第1回会合にて発表されました。

【提言内容】

<前提>

  • 医療人材の不足、医療費の増大といった課題を解決し、持続可能な医療を提供するためには、医療現場における診療・治療の効率化を行うことは不可避であり、医療現場における「次世代診療支援システム(*2)」およびデータプラットフォームの導入と、それにともなう医療機器のIoT化が必要である。
  • 上記の持続的な医療を提供する仕組みは、我が国が諸外国に対して「新日本式医療」として輸出する際のキラーコンテンツになりうる。

<提言>
■次世代医療機器や病院システムの研究開発ならびに実用化の促進

  • 次世代診療支援システムを有効に稼動させるためには、パッケージとして、データプラットフォームに情報を直接送信することができるIoT化された医療機器が不可欠である。
  • 具体的には、検査データ等が直ちにデータプラットフォームに送られ、データ共有・分析をもとに必要な治療を即時に洗い出す仕組みである。
  • また、分析結果を治療機器にフィードフォワードできるようになれば、術中ナビゲーターを含むスマート手術室等を実現することにもつながる。

■業界をあげた輸出促進への協力の必要性

  • 次世代診療支援システム(データプラットフォームを含む)、それを支えるIoT化された医療機器、それらを使いこなす人材育成をセットとした持続可能な医療システムを新日本式医療と定義し、今後海外に展開できるのではないか。
  • 上記の実現にあたっては、医療機器メーカー、ICT事業者、医療現場などを含む業界横断的な協力が必要である。

検討会発足の社会的背景

内閣の健康・医療戦略推進本部のもとに設置された「次世代医療ICT基盤協議会」では、次世代医療機器や病院システムの研究開発・実用化を含む、健康・医療分野におけるICT化について、基盤整備を推進することがテーマの一つとして掲げられています。また、同本部の「医療国際展開タスクフォース」では、相手国の実情に即した医療機器・医薬品・インフラ輸出を行い、「2030年までに5兆円の市場獲得を目指す」という政府目標の実現に向け、関係府省庁が連携して種々の取り組みを検討・推進しています。このような政策的な背景をふまえ、今般の検討会を発足し、ICTを活用した次世代医療インフラのあり方、およびそのシステムを新興国に輸出する方策を政策提言することといたしました。

なお、検討会のメンバーは政策提言に先駆け、2015年3月1日~4日にかけてベトナム・ホーチミンを訪問し、日系企業への対越投資活動支援を行ってきたMinh Tran Co., Ltd.のユン社長と意見交換をしました。その結果、医療現場における非効率性を放置して医療機関数を増やすというハード先行の旧来型医療整備ではなく、次世代診療支援システムを導入し、医療現場の効率性を高めたうえで人材育成を行うというソフト重視の医療整備を行う新日本式医療は高い評価を受け、Minh Tran Co., Ltd.、特定非営利活動法人海外医療機器技術協力会(OMETA)、特定非営利活動法人医療福祉クラウド協会(MeWCA)、みずほ情報総研株式会社の四者で、今後のベトナム医療整備に向けた協働に関する覚書を締結するに至っています。

今後、この覚書に基づく協力関係を基盤として、ベトナムにおける新日本式医療の展開を推進していくために、2015年度は、ベトナムにおける次世代診療支援システムの医療現場における受容性検証、それにともなう医療人材のトレーニング、ヘルスデータの利活用可能性等に関する検討を行う予定です。

みずほ情報総研株式会社および株式会社みずほ銀行は、今般の政策提言の実現に向けた取り組みを進め、ICTを活用した医療産業の海外展開に寄与してまいります。また、医療機器メーカーの皆さまとともに、医療機器のIoT化についても取り組んでいく予定です。


  1. *1次世代医療ICT基盤とは、医療介護サービスの質の向上や産業の活性化、医療イノベーション促進、医療・介護・健康分野にまたがる情報の連携等を図ることを目的とした情報インフラを指す。
  2. *2次世代診療支援システムとは、医師の「暗黙知」をデジタル化し、経験値に依存しない診療を可能とするシステムであり、医師の判断スピードを向上させ、効果的かつ効率的な診療・治療を提供することを可能とする。

ご参考

「医療産業の海外展開促進に関する検討会」参加メンバー

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事務局 みずほ情報総研株式会社
株式会社みずほ銀行
座長 公益財団法人医療機器センター 理事長 菊地 眞氏
有識者 特定非営利活動法人 海外医療機器技術協力会
 会長   松本 謙一氏
 事務局長 矢野 守氏
独立行政法人国立成育医療研究センター
 臨床研究開発センター データ管理部 データ科学室
 室長代理  矢作 尚久氏
特定非営利活動法人 医療福祉クラウド協会
 理事 入沢 厚氏
産業能率大学 客員教授 西野 嘉之氏
医療機器メーカー オリンパスメディカルシステムズ株式会社
サクラファインテックジャパン株式会社
日本光電工業株式会社
ミズホ株式会社
株式会社スズケン
上記の他 2社が参加
その他 Intelligence Value Corporation

報道関係者からのお問い合わせ

みずほ情報総研株式会社
広報室 井川 公規
電話:03-5281-7548
E-mail:info@mizuho-ir.co.jp

株式会社みずほ銀行
コーポレート・コミュニケーション部
広報室 赤平 雄一郎
電話:03-5252-6574

本検討会に関するお問い合わせ

みずほ情報総研株式会社
社会政策コンサルティング部
日諸 恵利
TEL 03-5281-5275

社会政策コンサルティング部03-5281-5281

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