調査部付 みずほ銀行 産業調査部アジア室 出向 主任エコノミスト 田村 優衣
要旨
- 2024年の米国大統領・議会選挙では、トランプ政権と共和党主導の議会が誕生
- トランプ氏は米国の経済的利益を追求し、高関税による他国製品の排除も辞さない姿勢
- トランプ氏の掲げる産業・通商政策は、アジアにどのような影響を与えるか?
- 主要な論点は大きく3つ、(1)中国製品の締め出し、(2)米国への生産回帰、(3)アジアへの調達シフト
- 中国製品は米国市場からの締め出しが進む公算。アジアに流入するリスクが高まる
- 米国への生産回帰は、人件費などの理由で米国内での生産が高コストとなることから、半導体などの重要品目など一部にとどまる公算
- アジアにとっては中国製品の締め出しが対米輸出拡大の機会となる一方、普遍関税が導入されれば、米国の需要減を通じて輸出拡大の恩恵を削ぐ可能性。対米貿易黒字の拡大でディール外交を迫られる可能性も