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テレワーク特集レポート vol.2

コロナ禍における接触リスクの極小化に向けた動画活用の実践(2/2)

ビジネス企画部 柳井 裕太郎

ラーニングピラミッド(学習効果と手法による記憶率の違い)

「動画」による学習効果については、様々な研究成果がありますが、一般的に文字と言葉だけの伝達では、72時間後、そのうちの10%しか記憶に残っていないが、これに写真や画像を加えた場合、65%が記憶に残ると言われています。


図表4

(出所)educationcorner.com ― The Learning Pyramidより、筆者作成


上記資料は、アメリカ国立訓練研究所が提唱する「ラーニングピラミッド」において、学習方法と記憶定着率の関係を表しておりますが、読書などの文字を読むスタイルの学習の記憶定着率が10%なのに対して、視聴覚(動画と音声による学習)の記憶定着率は20%となっています。

つまり、文字や静止画だけの情報よりも、動画と音声による情報は10%も記憶に残りやすいということです。 また、一人一人が座学的に学習をするe-Learningのようなスタイルと比較し、参加型・双方向型で実践した場合には、更に記憶定着率が上昇する傾向があります。

動画プラットフォーム(ClipLine)を活用した社員教育(4/1入社の新入社員向け教育)の事例

最後に、某小売業A社で実施した、動画プラットフォーム(ClipLine)を活用して新人社員教育をリモート化した事例をご紹介します。

こちらの事例では、昨年まで通常10日間程度で実施していた対面・集合型の新入社員研修を取りやめ、配属先の各店舗からiPadなどを使って各自のペースで実施できるようにリモート教育環境を整備することで、3日間(講座数:25、動画数:約200本)の非対面研修に集約することができました。


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概要 従来、集合研修だった新入社員の育成カリキュラムにClipLineを用い、各店舗のOJTと組み合わせた個別受講に切り替えを行った
教育内容 店舗で実施可能な3日間の研修プログラム
(講座数:約25講座、クリップ数:約200本)
講座例:社訓・経営理念、基本マナー、コンプライアンス、電話対応、店内業務、レジ対応、等
対象者 4月入社の新入社員

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実施までの流れ 具体的な作業等
  1. 1.カリキュラム設計
    従来の10日間の集合研修の中から講座を選定し、店舗ごとに実施してもらう3日間の研修に導入するカリキュラムを組む
「店舗業務の前に知っておいてもらいたい事項」「店長では指導が難しい事項」など、優先度が高い講座を選定
  1. 2.コンテンツ制作
    研修で使用するコンテンツを制作する
「講師のメッセージ」「Powerpointの資料を用いた講義」「店舗業務のお手本」「投稿課題用のお手本」などを制作
  1. 3.コンテンツレビュー
    現場で利用するコンテンツを使用し、管理者やトレーナーに説明
    (新入社員が実施する内容の事前レビュー)
本部の担当者(教育企画担当者)が現場の管理者に研修の実施内容を説明
  1. 4.店舗での実施
    3日間のプログラムを実施
[新入社員]
各講座を受講
[管理者、トレーナー]
各現場での受講の支援(ロールプレイングや報告)を行い、新入社員の実施状況把握、レビューを実施

コンテンツの構成例

図表5-1図表5-2図表5-3


教育という視点では、新入社員教育にとどまらず、階層型研修やコンプライアンス等の人事研修、そして各拠点で実施しているOJTなども動画化・デジタル化が可能となってきています。 また、動画活用においては、経営メッセージの配信や施策伝達、従業員同士のコミュニケーション(ノウハウ共有、イベント共有、コンテストなど)、遠隔拠点への指導など多岐にわたる活用が可能となっております。

アフターコロナの世界において、"動画"は様々なシーンで活用の幅が広がっていくことになるでしょう。


  • *本文中に記載の商品名は各社の登録商標です
  • *情報提供ClipLine
  • 本レポートは当部の取引先配布資料として作成しております。本稿におけるありうる誤りはすべて筆者個人に属します。
  • レポートに掲載されているあらゆる内容の無断転載・複製を禁じます。全ての内容は日本の著作権法及び国際条約により保護されています。

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