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パブリック・ファンド・マネジメントレポート Vol.1

企業の成長を後押しする!補助金制度活用のすゝめ(2/2)

2023年9月
みずほリサーチ&テクノロジーズ 社会政策コンサルティング部 佐藤 佑希

4. 自社事業に活用できる「補助金」を見つけるには

前ページの「3.(0)申請準備」にも関係するが、具体的に、補助金制度はどのように探せばよいのであろうか。あくまで一例だが、活用したい補助金制度を見つける際には、以下のようなアプローチが存在する。

(1)所轄官庁・自治体の公募情報を閲覧する

補助金制度の公募公開時、最も早く公募情報が閲覧可能となるのが、所轄官庁・自治体などの公募情報である。たとえば、経済産業省の場合、「公募情報」(ホーム>申請・お問合せ>調達・予算執行>公募情報)ページにおいて、補助金以外の制度も含めた公募情報が公開されている。


経済産業省「公募情報」
図表5

  1. 出所:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/information/publicoffer/kobo.html

ただし、本手法では目的別に制度の種類を検索することはできない。すでに公開されている制度を効率よく調べたい場合、次に掲げる方法を実施いただきたい。

(2)公募情報を集約しているWebサイトで検索する

補助金制度の公募情報を集約しているサイトを検索することで、効率よく制度を調べることも可能である。

たとえば、中小企業庁が運営する中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」では、「制度を探す(制度ナビ)」といった機能があり、検索ワードや困りごとから制度を検索したり、人気の制度を確認したりすることができる。

そのほか、デジタル庁が運営する補助金電子申請システム「jGrants」や、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する中小企業ビジネス支援サイト「J-Net21」*4、また、当社およびみずほ銀行が運営する「MIZUHO Membership One」などの会員制サービスなどでも、補助金に関する情報検索や簡易診断などのサービスが提供されており、これらを活用することも効果的である。


ミラサポplus「制度を探す(制度ナビ)」
図表5

  1. 出所:中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」( https://seido-navi.mirasapo-plus.go.jp/?_ga=2.142011762.1162932456.1684459516-1904939750.1683868539

(3)経済産業局や自治体、商工会・商工会議所などに相談する

各地方経済産業局や自治体、商工会・商工会議所などに対し、利用可能な補助金制度について、相談・確認を行う方法もある。自組織の抱える悩みを相談することで、課題に合致した補助金制度を紹介してもらえる可能性がある。

5. 「補助金」を活用する際の注意点

補助金制度活用時の注意点に関しても言及していきたい。

「3.(3)確定検査」でも述べたとおり、多くの補助金制度において支払は確定検査後となることから、直ちに補助金が着金するわけではないという点は留意すべきである。補助事業運営のための資金を借入で賄っており、補助金による返済を企図している場合、検査資料の整備状況などによっては検査期間が延びてしまい、完済まで相応の時間を要してしまう可能性があることは認識しておく必要がある。

また、補助金制度は一般的な商慣習と異なる手続きを要することから、制度・手続きへの理解が十分でなかった場合、補助事業者自身に悪意がない場合でも規程違反となってしまう場合がある。事業目的や交付要件を達成できなかったり、所定の手続きを経ずに事業を進めたりしてしまった場合、一部財産が補助対象外となってしまったり、補助金そのものの返還を求められたりするケースも存在する。そのほか、補助金制度の各手続きでは、提出書類の準備や申請書の準備など、相応の事務負担が生じることも勘案する必要がある。

上記は一般的な注意点だが、補助金制度を活用する際には、是非とも念頭に置いていただきたい。

6. おわりに

補助金制度は金銭的な利益をもたらすのみならず、多くの制度において採択された補助事業者が公開される性質から、外部の信用獲得や自社イメージの向上など、補助事業者のさまざまな魅力促進にもつながるものである。たとえば、ある補助事業者の話では、家業を継ぐ意思のなかった代表の子息が、補助金の交付先に採択されたことで自社の持つ技術を再認識し、家業を継ぐ決意をしてくれた、という事例もある。

他方、上述の通り、補助金制度の活用にあたっては多くの事務手続きや適切な制度理解が求められるため、不十分な制度理解の下に補助事業を推進してしまった場合、事務処理体制のひっ迫や補助金返還など、さまざまなリスクが生じてしまう可能性がある。

しかしながら補助金制度は、適切な制度理解の下に補助事業を実施するのであれば、制度によっては数百億円規模という巨額の金額が補助事業者に交付されるものであり、制度の活用有無により、その企業の行く末を大きく左右しうる。本稿を契機とし、「補助金」への正しい理解が広まり、多くの方々に制度の活用を検討していただければ幸いである。

  1. *1 内閣府男女共同参画局(2012)基本問題・影響調査専門調査会女性の活躍促進WG 参考資料1「補助金制度について」(PDF/212KB)
  2. *2 文部科学省(2011)「委託費と補助金の違い」(PDF/21.2KB)
  3. *3デジタル庁が運営する、国や自治体の補助金の電子申請システム。1つのID・パスワードでさまざまな法人向け行政サービスにログインできるサービスである「GビズID」を用いてログインすることにより、申請履歴の確認や電子データでの補助金申請などが可能。
  4. *4独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する、中小企業とその支援者、創業予定者とその支援者のためのポータルサイト。
    https://j-net21.smrj.go.jp/index.html
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社会政策コンサルティング部03-5281-5276

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