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西日本シティ銀行、「業務革新」の取り組みにおいて 金融機関向けBPRコンサルティングサービス活用

西日本シティ銀行ロゴ

西日本シティ銀行は2004年10月に株式会社西日本銀行と株式会社福岡シティ銀行が合併して誕生。2016年10月の株式会社西日本フィナンシャルホールディングス設立に伴い、同完全子会社となった。

同行では、先進的かつ利便性の高い金融サービスの提供と、効率的かつ生産性の高い業務運営体制の構築を目的に2018年から「業務革新」へ取り組み始めた。同行史上極めて大きな効果を実現した本プロジェクトの立ち上がり2年間を、みずほリサーチ&テクノロジーズの“金融機関向けBPRコンサルティングサービス”が伴走支援している。

業務革新 取り組みの背景

写真

西日本シティ銀行
総合企画部 業務革新室長
加来 孝宏氏

2018年当時の課題認識、業務革新室の発足経緯について、加来氏に伺った。

「まず、過去の不祥事件の再発防止のために実施していた過剰なチェック運用等、旧態依然とした業務フローをゼロベースで見直す必要性がありました。特に、紙ベースの業務フローがデジタル化を進める障害となっていたこともあり、紙での運用を徹底的になくしたいと感じていました。また、業務革新への取り組み前も、本部では業務の効率化を進めていたのですが、ICTの進展に伴いご来店客数は減少傾向にある一方で、営業店の人員数の見直しができておらず、業務量と人員のアンマッチが発生していました。本部側でIT導入を進めても、営業店での活用まで視野に入れた施策のPDCAが回せておらず、本支店間の意思疎通が不足していたと感じています。

こうした課題を解決するべく、頭取指示の下、2018年1月、総合企画部内に業務革新室を設置しました。2018年3月には、基本思想と方向性を定め、業務革新の取り組みがスタートしました。その際、みずほリサーチ&テクノロジーズの金融機関BPRコンサルティングサービスを活用しました。」と加来氏は語る。

営業店業務に精通した提言への信頼

みずほリサーチ&テクノロジーズのコンサルティングサービス活用を決めた理由について、「クイックに施策を展開するためには、1つ1つの企画にあまり時間をかけられないと考え、コンサルティングの力を借りる事にしました。コンサルティング会社は7社比較しましたが、その中でも、営業店業務に精通している、みずほリサーチ&テクノロジーズへ、業務革新企画立上げの支援をお願いする事にしました」と、加来氏は語ってくれた。みずほリサーチ&テクノロジーズと先ず取り組んだのが「営業店の実態調査、業務の棚卸作業」だ。実態把握を通じて、施策を検討、推進していく事で、だんだんと行内の改革意識が高まっていったという。

みずほリサーチ&テクノロジーズからの提案で推進・実現してきた具体的な取り組みと効果について次のように語る。

事例1:営業店における検印・固定業務の削減

「営業店における検印・固定業務の削減施策を実施しました。役席、窓口、後方、融資業務から共通的な業務まで聖域を設けず削減を検討し、6割の検印・固定業務を削減しました。事務ミスが増えないかと心配する声もありましたが、実際は、事務ミスの発生件数は低下、発生率も目立った上昇はございません。」

事例2:営業店体制の見直し(窓口受付体制の標準化)

「窓口の受付について、まずは、総合受付でお客さまの用件に応じ、クイックカウンターとスローカウンターへ振り分けを実施。クイックカウンターについては短時間でおわる業務を取り扱い、来店客数に応じた人員配置数を整理しました。スローカウンターでは時間のかかる業務を取り扱い、担当者はカウンターに常駐せず、お客さま来店時に後方から出てきて接客する運用にし、事務量に応じた人員数を後方に配置する事にしました。窓口受付体制の標準化前の1テラー1日あたりの平均接客数は37件でしたが、標準化後の平均接客数は78件と倍以上になりました。」

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©2022 The Nishi-Nippon City Bank Ltd.
※上記の画像は西日本シティ銀行の承諾のもと掲載しております。

事例3:EB(エレクトロニックバンキング)化の徹底推進

「業務革新前、EB振込処理率は85%でした。全行をあげて96.2%迄引き上げていきました。1営業日あたりの紙の総給振依頼書の受付件数は約9割減少、窓口での振込受付件数も約6割減少し、営業店の店頭業務の効率化に大きく寄与しました。」

今後の業務革新の展望

「2018年以降、4年間累計の経費減少額は50億円、そのうち20億円が業務革新による効果と試算しています。マイナス金利政策開始に伴い悪化したOHR(Over Head Ratio、経費率)も、2022年時点で、マイナス金利政策前の水準迄回復する事ができました。現在では、西日本フィナンシャルホールディングス・グループ子会社にも業務革新の取り組みを展開しています。

また、業務革新の取り組みを通じ、Challengeを恐れない、失敗しても次のChallengeに繋げていこう、という企業文化の改革にも繋がってきたと感じています。これまでは、トップダウンで改革を進めてきましたが、持続可能な体系にはボトムアップでの取り組みも必要と考え、現在は、各部自ら施策のPDCAを回してもらい、全体の活動を業務革新室がコントロールする事で、上下双方向で取り組みを進めています。

業務革新室は、一過性のプロジェクトチームではない独立組織となっているからこそ、中長期的な仕組みづくり・粘り強い取り組みが可能な組織であると考えております。5年、10年を見据え、今後も、業務革新に邁進していきます。

みずほリサーチ&テクノロジーズには、豊富な金融機関向けBPR支援実績や事例をベースとした情報交換・ご提案を今後も期待したい」

と加来氏は語る。持続的な成長に向け、西日本シティ銀行の業務革新の取り組みは続く。

  • *この記事は、2022年8月の取材をもとに作成したものです。

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