2010年3月16日
株式会社電通国際情報サービス
みずほ情報総研株式会社

株式会社電通国際情報サービス（本社：東京都港区、代表取締役社長：水野 紘一、以下ISID）とみずほ情報総研株式会社（本社:東京都千代田区、代表取締役社長: 井上 直美、以下みずほ情報総研）は、地域金融機関向けの融資支援システムBANK・R（バンクアール）に、中小企業金融円滑化法（*1）に対応した追加機能を開発し、2010年3月29日より提供を開始いたします。

2009年12月4日に中小企業金融円滑化法が施行されました。本法律は、資金繰りが苦しくなった中小・零細企業を救済するため、借り手から申請を受けた金融機関は、できる限り返済条件の見直しに応じるよう努めなければならないという努力義務を定めています。

中小企業金融円滑化法の趣旨は、地域金融機関が借り手である中小・零細企業と一体となって経営改善に取り組み、地域経済の回復・活性化を図ることにあります。これまで、返済猶予などの貸し付け条件変更を求める企業には、条件変更に先立ち経営改善計画の策定が義務づけられていました。しかし、同法では経営改善計画の策定は最長で1年間猶予されます。この間、金融機関は企業と足並みをそろえて経営改善計画を作ることになり、体制整備・計画の進捗管理・報告書類作成など、その対応負荷は非常に大きいものになると考えられます。このような背景から、地域金融機関においては、融資先企業の情報を有効に活用し、戦略的に経営支援・事業支援を行うためのシステム基盤が求められています。

そこで、ISIDとみずほ情報総研は、融資支援システム BANK・Rの「電子稟議システム」への追加機能として、中小企業金融円滑化法に対応する機能を開発いたしました。

1. (1)融資申込案件受付管理機能
   中小企業金融円滑化法で求められる報告資料作成に必要な申込内容の類型化機能、融資申込における謝絶・取下げの理由および承認決裁の証跡記録機能
2. (2)交渉履歴管理機能
   融資先企業の実現性の高い抜本的な経営再建計画の策定における進捗管理機能、交渉履歴の記録機能

必要なデータをシステム上に蓄積することで、各営業店から月次でデータを収集するといった報告書の作成体力や経営再建計画の進捗状況等の管理負荷の削減を実現します。また、融資申込における証跡記録機能は、コンプライアンスの観点からも有益な機能です。さらに、蓄積されたデータの活用によって、融資先企業の経営や事業を多面的に評価・支援することが可能となります。

今回の追加機能は、要件定義・基本設計をISIDとみずほ情報総研が共同で行い、システム開発はISIDが担当しました。ISIDとみずほ情報総研は、今後もBANK・Rのさらなる機能強化を計画しており、戦略的なリレーションシップバンキング（*2）の実現を支援する多彩な機能を提供してまいります。

1. *1中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律
2. *2金融機関が、融資先企業と長期的な信頼関係を築いて豊富な顧客情報を蓄積し、質の良い金融サービスを提供すること。地域密着型の金融機関のビジネスモデルとして、金融庁が地域金融機関などに奨励している。

• *BANK・Rは株式会社電通国際情報サービスの登録商標です。