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固体高分子形燃料電池シミュレーター 概要

燃料電池の動作メカニズムを解析することを目的として固体高分子形燃料電池シミュレーターを開発し、シミュレーター販売、受託解析等のソリューションを提供しています。

開発の背景と燃料電池シミュレーターの構成

燃料電池の発電特性を支配するメカニズムを解明することは、開発競争下において最も重要なこととなっています。一方、燃料電池の内部状態を実測・観察することは必ずしも容易ではありません。 みずほリサーチ&テクノロジーズでは数値シミュレーション技術を用いた燃料電池の動作メカニズムの解析により運転条件・構造・部材特性に関して複雑なトレード・オフを持つ設計最適化の支援を目指し、固体高分子形燃料電池のシミュレーターを開発してきました。

シミュレーターの構成

固体高分子形燃料電池の構造と運転条件は発電特性に強く影響しますが、その相関は単純ではなく、それを解析するために、動作中の電池の内部状態を把握することが重要な課題となっています。しかし動作中にさまざまな内部状態を実測することは必ずしも容易では無く、燃料電池の動作メカニズムを理論的にモデル化し、数値シミュレーションを用いて発電特性を解析しようとする種々の試みが行われています[1]。燃料電池シミュレーターはこれらの数値シミュレーション技術を統合し、燃料電池の動作を支配する熱・物質の輸送状態と発電状態の連成効果をモデル化することによって、燃料電池のさまざまな構造や運転条件における電流密度分布、ガス濃度分布、湿度分布等の内部状態と分極特性(I-V特性)等の電池特性を算出するものです。

燃料電池シミュレーターの構成イメージ図

燃料電池シミュレーターの構成イメージ図

対象とする現象とモデル

燃料電池シミュレーターの開発にあたって考慮すべき燃料電池の動作メカニズムは広範です。下図に燃料電池シミュレーターが対象とする主な現象とモデルの概念図を示します。燃料電池の特性に影響を与える構造は、高分子膜、触媒に関するミクロレベルの構造から、拡散層の多孔質構造などに関するメゾレベルの構造、さらに流路パターン、セルスタック全体のガス供給や冷却パターン等のマクロレベルな構造まで、幅広いスケールの現象を含んでいます。また同時に、触媒層における電気化学反応、膜内のプロトン・水分の輸送、多孔質内およびガス流路内のガスと水滴の2相流動を含む物質輸送と熱輸送など、燃料電池内では複数の現象が連成しています。このため、シミュレーションのテーマも多岐にわたっており[1]、燃料電池の研究開発に寄与するためには、個別に研究されたシミュレーション技術を、一連のシミュレーターとして有機的に連携させることが必要となっています。

燃料電池シミュレーターが対象とする主な現象とモデル図

燃料電池シミュレーターが対象とする主な現象とモデル図

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お問い合わせ

担当:サイエンスソリューション部
電話:03-5281-5311

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