解析事例(3)実機セル・スタックの耐久性能予測
セル短ピッチ化がカーボン劣化に与える影響の評価
起動時における水素置換、アノード水素欠乏による触媒層カーボン腐食の抑制は燃料電池の耐久性向上に向けて重要な設計課題です。ここでは、短ピッチ化による起動時のカーボン腐食量の増大について解析しました。下図に(a)基準セルとセルピッチの低減によるコンパクト化に向けた(b)短ピッチセル(流路深さ▲20%)の起動時の水素挙動を比較します。短ピッチ化により、アノード流量分布が不均一となり、水素置換が遅い領域が発生。それに伴い、全体でカソード触媒層のカーボン腐食量が増大する要因となることがわかりました。セル短ピッチ化を目指す際、起動時カーボン劣化抑制の観点からも、流量分配の均一性を満たす流路設計が必要となります。

起動後の水素置換の変化(アノード流路)
- *「P-Stack」は、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社の登録商標です。
- 1.解析事例(1):実機セル・スタックの発電性能予測
- 2.解析事例(2):実機セルの負荷変動解析
- 3.解析事例(3):実機セル・スタックの耐久性能予測
- 4.解析事例(4):25cm2セルの実測I-V比較と面内分布の可視化
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