金型加熱の制御シミュレーション
ヒーター制御による熱硬化性樹脂表面温度の均一化
厚さ20[mm]の上下二つの金型に厚さ2[mm]の熱硬化性樹脂が挟まれた状況において、金型上下8カ所ずつ(合計16カ所)に配置された熱源であるヒーター(12[mm]×2[mm]×2[mm])の発熱量を制御した解析を実施しました。

金型、熱硬化性樹脂およびヒーターの配置
Simulink®の制御回路(ブロック線図)によって制御シミュレーションモデルを構築しますが、この制御回路においてCOMSOL Multiphysics®の物理ベースモデルを呼び出す関数を導入することによって制御シミュレーションと物理シミュレーションの連成解析を実施することができます(下図参照)。COMSOL Multiphysicsで計算された結果は制御回路へと出力されて制御回路の処理を実施し、制御回路の出力は再びCOMSOL Multiphysicsの入力となります。この繰り返しによって物理シミュレーションを考慮した制御シミュレーションが行われます。

Simulinkのブロック線図例
この事例では、単純なP制御を仮定し、熱硬化性樹脂表面の複数の観測ポイントの温度が目標温度になるようにヒーター出力を制御しました。ヒーターの出力を一定とした場合と、加熱制御を実施した場合の熱硬化性樹脂表面の温度分布と観測ポイントにおける温度履歴を下図に示します。ヒーターの制御によって温度の時刻暦が目標温度で一定となっていること、また熱硬化性樹脂表面の温度が均一に近づいていることが確認できます。

- 適用事例(1):自動車排ガス浄化シミュレーション
- 適用事例(2):リチウムイオン二次電池シミュレーション
- 適用事例(3):電気めっき解析による膜厚分布予測
- 適用事例(4):金型加熱の制御シミュレーション