最新動向レポート「ES(Executive Summary)」

経営層の方向けに作成しているレポートです。氾濫する温暖化関連情報からポイントを抽出した、短時間で通読できるレポートです。
国内外の政策動向等、時節に応じたトピックを取り上げています。

2024年3月号(2024.2.1~2024.2.29)<オンライン・ライブ解説は 3月27日(水)13時00分~>

国内
財務省:GX経済移行債 総額1.6兆円の初回発行。R&D・設備投資等を支援
国際
EU:「2040年▲90%」目標案提示。原発や炭素除去技術も推進

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目次

国内動向

  • 財務省:GX経済移行債 総額1.6兆円の初回発行。R&D・設備投資等を支援
  • 経済産業省:GX製品市場創出に向け“削減実績量”の考え方を整理
  • 政府:低炭素水素やCCSの早期利用促進に向けた事業環境を整備へ
  • 経済産業省:太陽光:買取価格・入札上限価格は引き続き低下傾向
  • 日本卸電力取引所:非化石証書オークション:FIT証書の需要は安定的に推移

環境経営編

  • SSBJ:日本版S1・S2検討 : 任意適用時期が1年前倒しに
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • EU:「2040年▲90%」目標案提示。原発や炭素除去技術も推進

環境経営編

  • SBTi:SBTにおけるクレジット調達等の在り方を決めるレポート公開
  • CDP:回答企業数は前年比24%増で過去最多、“トリプルA”に日本企業2社
  • デンマーク:再生プラを使った消費財の市場拡大に、含有物質管理のメス
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 財務省が初回のGX経済移行債を発行。総額1.6兆円。資金を充当する支援対象事業については GX経済移行債発行に関する関係府省連絡会議にて議論され、分野別投資戦略の16の重点支援分野より決定。革新的技術(水素還元製鉄等)の研究開発支援や、重要物資(蓄電池・パワー半導体部素材等)のサプライチェーン強靭化支援に充当。
  • 経済産業省は、産業競争力強化及び排出削減の実現に向けた需要創出に資するGX製品市場に関する研究会第3回を開催。GX価値の評価指標として、従来のライフサイクル排出量と自社の排出削減施策後のライフサイクル排出量の差分を指す「削減実績量(仮称)」の考え方を提示。また、GX製品市場創出に向けた具体的な施策パッケージ案を整理。
  • 政府は、水素社会推進法案とCCS事業法案を閣議決定。水素社会推進法案では低炭素水素等の供給・利用の早期実現に向け、基本方針の策定や価格差支援等のための計画認定制度を創設。CCS事業法案では、2030年までに民間事業者が国内でCCS事業を開始できる環境を整備すべく、貯留・試掘事業に関する許可制度等の導入を盛り込み。
  • 経済産業省は、「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」を公表。2025年度以降のFIP制度の適用範囲、FIT調達価格及びFIP基準価格が決定。太陽光の買取価格・入札上限価格は引き続き低下傾向。
  • 日本卸電力取引所は、2023年度第3回非化石価値取引市場の取引結果を公表。FIT非化石証書については過去2回のオークションと同程度の約定量となった。非FIT非化石証書は前回より買入札量=約定量が増加したものの、依然として売入札量の方が大幅に大きい結果。
  • SSBJは、サステナビリティ開示に係る日本基準の適用時期、経過措置等について審議。適用時期については、2025年3月決算から任意適用を可能とする方針を提示。また金融庁からは、日本基準の適用対象が最大でプライム企業との考えが示された。

国際動向サマリー

  • EUでは、欧州委員会が2040年の排出削減目標を1990年比▲90%とする目標案を提示。再エネを補完するエネルギー源として原子力発電を位置付け。また、自然ベースの炭素吸収だけでなく、DACCS、BECCS、CCUS等の炭素除去技術も推進する方針。2040年目標の法案は今年6月までに提出の見通し。目標の法制化は今年11月に発足する新体制の欧州委の下で行われる予定。
  • SBTiはBVCMレポートを2本公表。本件は、クレジットの活用に対するSBTiの見解として着目されていた。改めてBVCMはバリューチェーン外での緩和活動または投資という世界の脱炭素化への貢献であり、クレジットは依然としてSBTiの目標達成には活用できないという整理。
  • CDP2023について、気候変動・水・森林それぞれの結果公表。回答企業数が前年から24%増えた一方、A評価を得た企業は1割強の増加にとどまるものの、それは回答企業の裾野の拡がりの現れといえる。また、全分野の回答がA評価を得た“トリプルA”企業は10社、うち2社が日本企業。

2024年2月号(2024.1.1~2024.1.31)<オンライン・ライブ解説は 2月29日(木)13時00分~>

国内
経済産業省:合成メタンの2030年目標に向けた早期の制度設計等を検討
国際
EU:2030年▲55%に向け改正ETS運用開始。2040年目標案も公表へ

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目次

国内動向

  • 経済産業省:合成メタンの2030年目標に向けた早期の制度設計等を検討
  • 経済産業省:クレジット創出をにらみDAC算定方法論の議論を本格化

環境経営編

  • SSBJ:日本版S2検討、スコープ3重要性判断の閾値は公開草案で不採用
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • EU:2030年▲55%に向け改正ETS運用開始。2040年目標案も公表へ

環境経営編

  • CDP:[速報] CDP2023スコア公表、Aリスト入り日本企業一覧
  • EU:安全な飲料水:水と接触する材料・製品の衛生基準を域内で調和・強化
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は、今後の都市ガスのCN化に向けた制度の在り方を検討するため、ガス事業制度検討WGを開催。合成メタンの短期的・中長期的な目標を見据えて、時間軸を考慮した制度を検討する方針。新規制度案としては、供給事業者に対する供給義務やLNGとの価格差による負担を適切に受益者に転嫁する仕組み等を議論。
  • 経済産業省は、DAC市場創出に向けて必要な国内ルールを形成するために、ネガティブエミッション市場創出に向けた検討会 DACワーキンググループを開催。特にクレジット創出に必要となるMRV方法論の開発・確立について検討。
  • サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、第29回会合を開催。第28回までで日本版S1, S2の審議は一巡し、第29回ではこれまでの審議で委員の間で意見が割れていた論点について再審議を実施。 注目を集めたスコープ3におけるカテゴリー毎の重要性判断基準は、不採用と結論。SSBJは再審議の結果を踏まえ、今年度中に公開草案を公表予定。

国際動向サマリー

  • 1月は、主要国での重要な政策決定や国際イニシアチブでの大きな動きはなかったものの、年の変わり目ということで諸規則の適用が始まるタイミングとなった。中でもEUでは、2040年GHG削減目標公表を目前に控える中、昨年改正されたEU-ETS指令について、キャップ強化や国際海運部門の対象化などの規定の運用がスタート。
  • CDP2023の企業スコアが2月6日に公表され、本号では速報として、Aリストにランクインした日本企業の一覧をご紹介(結果詳報は3月号に掲載予定)。なお、全世界で約23,000社が回答。日本企業は約2,000社が回答し、うちAリスト入りは、気候変動109社・フォレスト7社・水セキュリティ36社。

2024年1月号(2023.12.1~2023.12.31)<オンライン・ライブ解説は 1月26日(金)13時00分~>

国内
経済産業省・国土交通省:洋上風力、一般海域第2回の入札結果が公表
国際
UNFCCC:化石燃料からの移行・再エネ容量3倍化に初合意、第6条は議論継続

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目次

国内動向

  • 内閣官房:GX投資促進策、生産段階における税制優遇案を公表
  • 経済産業省:自己託送、他者間での電力供給を認めない方向に見直し
  • 環境省・経済産業省:SHK制度改正、令和6年度報告より適用へ
  • 経済産業省・国土交通省:洋上風力、ゼロプレミアム水準の応札登場、2海域で選定
  • 経済産業省:水素等の価格差支援案公表、供給者と利用者の連携が鍵に

環境経営編

  • SSBJ:日本版S2検討、リスク・機会等の定量的開示について審議進展    【参考】ISSB・IASBの最新動向
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • UNFCCC:化石燃料からの移行や再エネ容量3倍化に初合意、第6条は議論継続

環境経営編

  • EU:企業のバリューチェーン全体に渡るDDを義務化へ
  • VCMI:Scope3削減目標に関するクレジット活用案を提示
  • EU:RoHS指令総点検の報告書公開。関連法令改正後の見直しを提言
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 内閣官房は、GX投資促進策・中小企業のGX・GX分野のスタートアップ支援・アジア展開を議論すべく、GX実行会議を開催。GX投資促進策における生産段階への措置として、新たに「戦略分野国内生産促進税制(案)」を発表。特定の分野において、生産・販売量に応じて税額控除措置を講ずる方針。
  • 経済産業省は、電力・ガス基本政策小委員会を開催。再エネ賦課金の負担の公平性の観点から、自己託送の要件を厳格化。実態として他者から電気を調達/他者に電気を供給していると解される事例について、今後は自己託送の対象としない旨を提示。
  • 環境省・経済産業省は令和4年度から続く検討内容を踏まえ、SHK制度改正に関する省令を公布。算定対象活動・排出係数・地球温暖化係数の見直し、電気・熱に係る証書の使用上限の設定、都市ガス・熱の事業者別係数の導入等が主な改正点。改正された内容に基づく報告は、令和6年度報告より適用。
  • 経済産業省及び国土交通省は、再エネ海域利用法に基いた洋上風力発電事業者の選定結果を公表。 4海域のうち3海域で事業者が選定され、うち2海域ではゼロプレミアム水準で応札を行ったコンソーシアムが選定される結果となった。
  • 経済産業省は合同会議を開催し、低炭素水素等の支援制度の方針を示した中間とりまとめ(案)を公表。2023年1月に発表された中間整理を前提として、価格差支援及び拠点整備支援に関する具体的な施策を提示。価格差支援では供給者・利用者一体での事業計画作成等が求められており、供給者と利用者の連携が鍵となる。
  • サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、第27回~第28回会合を開催し、産業横断的指標や排出量目標の開示基準に関して審議。SSBJ事務局は、産業横断的指標として、気候関連リスク・機会の影響を受けやすい資産又は事業活動の金額及びパーセンテージや、気候関連リスク・機会への投下資本額などを提案。
  • なお、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、IFRS S1, S2普及のためナレッジハブの開設・ISOとの協力等を発表。また、IFRS S2支持を表明した組織のリストも公表、多くの日本企業も名を連ねた。更に国際会計基準審議会(IASB)では、ネットゼロコミットが会計に与える影響を議論。一定の条件を満たすと、将来のクレジット購入費用を引当金として認識する必要があるとの結論。

国際動向サマリー

  • COP28がUAEのドバイで開催。パリ協定の進捗評価(グローバルストックテイク)の成果物について検討を行い、2035年排出削減水準、エネルギーシステムにおける化石燃料からの移行、世界の再エネ容量を2030年までに3倍増とすること、が初めて合意文書に盛り込まれた。パリ協定第6条については議論が難航し、JCMクレジットのNDC活用に向けた運用ルールの議論に進展なし。
  • EUでは人権・環境に関するデューデリジェンス(CSDDD)指令案に関し、欧州委員会・欧州議会・EU理事会が暫定合意。EU域内で一定規模以上の企業は人権・環境に対するデューデリジェンス(DD)の実施が義務化されるほか、指令対象外の企業でもEU企業のDD対象となる可能性がある。
  • VCMIは、従来のVCMI Claimの基準を一部更新するとともに、Scope3削減目標が未達の際、未達分に対してクレジットを活用する新基準案を提示。併せてMRAフレームワークも公表し、VCMI Claimを行う際の開示・保証取得事項や、申請フローを提示。

2023年12月号(2023.11.1~2023.11.30)<オンライン・ライブ解説は 12月25日(月)13時00分~>

国内
経済産業省:GX製品市場創出へ向けた具体的な施策の方向性の検討を開始
国際
EU:自然再生法に暫定合意。加盟国は2年以内の再生計画の策定が必須

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目次

国内動向

  • 経済産業省:GX製品市場創出へ向けた具体的な施策の方向性の検討を開始
  • 経済産業省:炭素除去技術の市場創出に向けたルール・支援策を検討
  • 経済産業省:CCS事業化促進に向け、制度的措置の論点を整理
  • 日本卸電力取引所:非化石証書オークション、非FIT非化石証書の約定量が減少
  • 内閣官房:クライメート・トランジション・ボンドの適格事業リスト公表

環境経営編

  • SSBJ:日本版S2検討、Scope3除外の目安提示。GHG排出の議論継続か
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • EU:自然再生法に暫定合意。加盟国は2年以内の再生計画の策定が必須
  • Carbon Policy Update

環境経営編

  • EU:包括的なPFAS制限案に執行の観点から問題点を指摘を
  • ESGヘッドライン【国際】
  • COP28参加報告 on “X”
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は、産業競争力強化及び排出削減の実現に向けた需要創出に資するGX製品市場に関する研究会を設置。脱炭素投資によって市場に供給された「GX製品」が適切に評価・選択されるような市場の創出を目指して、GX製品の需要拡大、GX製品購入者のインセンティブについて議論。
  • 経済産業省は、ネガティブエミッション市場創出に向けた検討会を開催。NDC達成には資さないものの将来的な除去・吸収の拡大へ貢献するカーボン・クレジットの創出・活用環境の整備を目的に、炭素除去量算定等の評価方法論(MRV方法論)を検討予定。また、最初の個別技術の議論の場としてDACワーキンググループの設置を提案。
  • 経済産業省は、日本のCCSの事業化促進に向けた制度的措置を検討するため、カーボンマネジメント小委・産業保安基本制度小委の合同会議を開催。他国のCCS法制を踏まえ、試掘権や貯留権の新設やCO2貯留のモニタリング等、CCSに係る制度的措置について検討すべき論点を整理。
  • 日本卸電力取引所は、2023年度第2回非化石価値取引市場の取引結果を公表。FIT非化石証書については、需要家が直接購入できるようになって以降、過去最大の約定量を更新。対照的に、非FIT非化石証書は約定量及び買入札量が激減する結果に。
  • 内閣官房は、GX実行会議第8回を開催。世界初の政府によるトランジション・ボンドの発行に向け、「クライメート・トランジション・ボンド・フレームワーク」を公表。同フレームワークでは、トランジション・ボンドに充当するのに適格な事業、「代表的な資金使途(適格事業)」を提示。
  • サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、第24~26回会合を開催。10月に続きISSB S2基準を巡る検討の中で、GHG排出量開示について審議。SSBJ事務局からは、スコープ3のうち、重要性が乏しいカテゴリを算定から除外する際の目安として、「前報告年度スコープ総量の100分の1以下」とする案が示された。

国際動向サマリー

  • EUでは、自然再生法について、EU理事会と欧州議会とで暫定合意。2030年までにEUの陸地と海域の少なくとも20%、2050年までに再生が必要なすべての生態系を再生することを目的とし、加盟国に法的拘束力のある対策を義務付け。
  • また、11月30日にUAEのドバイにて開幕した、気候変動枠組条約第28回締約国会合(COP28)について、弊社から2名のコンサルタントが参加。連日数多くの会合や関連イベントに出席し目の当たりにした現場の様子を「X」に投稿してきた。その一部を巻末にてご紹介。

2023年11月号(2023.10.1~2023.10.31)<オンライン・ライブ解説は 11月28日(火)13時00分~>

国内
内閣官房:GX実現に向けた投資促進策の具体化に関する検討開始
国際
英国:TPTが移行計画フレームワークを提示。英国開示基準の一部に

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目次

国内動向

  • 内閣官房:GX実現に向けた投資促進策の具体化に関する検討開始
  • 東京証券取引所:クレジット市場を開設。価格シグナル形成へ向けて第一歩

環境経営編

  • SSBJ:気候関連開示の日本基準開発で排出量関連の審議が本格化
  • 環境省:自然共生サイトへの支援証明書のTNFD活用方法を検討開始
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update

環境経営編

  • 英国:TPTが移行計画フレームワークを提示。英国開示基準の一部に
  • EU:マイクロプラスチック規制ついに始まる。幅広い製品が対象に
  • スウェーデン:新製品には適切な設計、既存製品は製造時規制に応じたプラ循環を
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 内閣官房は、GX実現に向けた専門家ワーキンググループを設置し、第1回・第2回を開催。産業分野のGX実現に向けて、主要産業の今後10年間の「分野別投資戦略」を検討。主要産業の「道行き」の中身・時間軸の具体化、支援総額の目安、先行投資計画等を主要産業分野ごとに議論。
  • 東京証券取引所は、10月11日にカーボン・クレジット市場を開設。クレジットを毎日取引できる市場として価格シグナルの形成が期待されるが、取引頻度や取引量の少なさが課題。
  • サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、第21回~第23回会合でISSBの日本版S2基準を巡る検討において、温室効果ガス排出量開示について審議。SSBJ事務局より、スコープ3の重要性が乏しいカテゴリーの算定除外の目安として「最も排出量の大きいカテゴリーの1%以下」が提案された。
  • 環境省は、30by30に係る経済的インセンティブ等検討会を開催。自然共生サイトの所有・管理者に認定証を、支援者に支援証明書を発行する方針を提示。後者のTNFD等への活用方法を今後検討。

国際動向サマリー

  • COP26で英国政府によって設立されたTPTは、気候変動対応の移行計画フレームワークの最終版を公表。原則及び移行計画の求める5つの開示要素・19のサブ要素で構成。英国の気候関連法定開示基準の一部となる。2024年早期に最終化予定。
  • EUでは欧州委員会が、マイクロプラスチックを意図的に添加した製品の上市規制を公布し、10月より適用開始。幅広い製品が規則対象になる一方、一部製品や用途に対する移行期間や適用除外が認められた。

2023年10月号(2023.9.1~2023.9.30)<オンライン・ライブ解説は 10月27日(金)13時00分~>

国内
経済産業省:FIT非化石証書の全量トラッキングを検討
国際
TNFD:自然分野の開示枠組が最終化、企業の対応も本格始動へ

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目次

国内動向

  • 経済産業省:非FIT非化石証書の全量トラッキングを検討
  • 経済産業省:循環経済の実現に向けた経済政策の具体検討がスタート

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • G20:排出削減目標、化石燃料フェーズダウンへのコミットは宣言されず
  • 米国(CA州):企業に対する全スコープ排出量や財務リスク開示の法定義務化

環境経営編

  • TNFD:自然分野の開示枠組が最終化、企業の対応も本格始動へ
  • UN/ICCM:グローバルな化学物質管理の新枠組、全ライフサイクルを管理対象
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は制度検討作業部会第84回を開催。既に全量トラッキングを実施しているFIT非化石証書に加え、非FIT非化石証書についても全量トラッキングを実施することを検討。RE100の15年要件はあるものの、全量トラッキングにより非FIT非化石証書(再エネ指定あり)もRE100の基本的な要件を満たすようになる。
  • 経済産業省は資源自律経済戦略に基づく産官学パートナーシップ及び小委員会を設置。戦略実現に向けて、サーキュラーエコノミーに関する産官学パートナーシップでは2030・50年を見据えたビジョンや中長期ロードマップの策定を目指し、資源循環経済小委員会では来年度以降の3R関連法制の制度整備に着手する予定。

国際動向サマリー

  • G20首脳会合が9月9~10日にインド・ニューデリーで開催。2030年までに世界の再エネ容量を3倍化する取組を追求・奨励することに合意。一方、排出削減目標、排出削減対策の講じられていない化石燃料フェーズアウト・フェーズダウンへのコミットは宣言されず。
  • カリフォルニア州が、米国初となる気候関連開示の法定開示を義務付ける法案が可決。法案の対象企業(日系含む)は、同州内に限らないスコープ1,2,3排出量(対象:年商10億ドル超。スコープ1,2は2026年度から開示、スコープ3は2027年度から開示)に加え、気候関連財務リスクや対策(対象:年商5億ドル超。2026年度1月1日が初回提出期限)の開示が必要となる。
  • TNFDが金融機関・企業における自然関連リスク・機会の情報開示枠組最終版v1.0を公表。今年3月に公表のβ版v0.4からは大きな修正はなく、軽微なアップデートのみ。開示に必要な開示推奨項目、開示指標、LEAPアプローチが出揃った。今後、セクター別ガイダンスが2024年に最終化予定。

2023年 9月号(2023.8.1~2023.8.31)<オンライン・ライブ解説は 9月29日(金)13時00分~>

国内
内閣官房:GX実現に向け複数年度で予算2兆円超の概算要求
国際
目立った動きなし

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目次

国内動向

  • 内閣官房:GX実現に向け、複数年度で予算2兆円超の概算要求
  • 経済産業省:関西含む関東以外の全エリアで出力抑制発生の見通しを公表
  • JEPX:非化石証書オークション:非FIT証書の価格が落ち着く

環境経営編

  • SSBJ:日本版S1, S2の検討本格化、まずはS1から着手
  • GPIF:初のTNFDに基づく開示。自然への依存や影響を試行的に分析
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • 米国:環境分野の次期重点施策:気候変動ではメタン・フロン対策重視

環境経営編

  • EU:新アプローチの製品環境規制第一弾。汚染ゼロの循環経済実現へ
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国内動向サマリー

  • 内閣官房はGX実行会議第7回を開催。GX実現に向けた関連予算は複数年コミットを基本として、総額2兆円超を要求。革新脱炭素製品等の国内サプライチェーン構築支援やGX推進機構関連予算などを計上。また産業部門だけでなく需要側の「くらし部門」に対する投資促進策の方向性も提示。
  • 経済産業省は系統ワーキンググループ第47回を開催。近年、再エネ導入量増加に伴い全国的に出力抑制が発生。本年4月~6月に出力制御量が増加したことを踏まえ、関西含む関東以外の今年度の出力制御量見通しを更新。出力制御低減に向けた対策パッケージを年度内にとりまとめる方針。
  • 日本卸電力取引所は2023年度第1回非化石価値取引市場の取引結果を公表。FIT非化石証書は、今回から引上げられた最低落札価格0.4円/kWhで約定するも、約定割合は約31%で、昨年度の5%前後から大きく増加。非FIT非化石証書は高度化法第二フェーズに切替わったことで価格は落ち着く形となった。
  • SSBJ(サステナビリティ基準委員会)はIFRSのサステナビリティ基準S1、S2の確定を受けて、日本版基準の本格的な審議を開始。まずは日本版S1から着手。細かい調整はあるものの概ねIFRS S1通りとする方向で議論。今後議論される日本版S2がIFRS S2にどこまで整合するのか要注目。
  • GPIFは2022年度ESG活動報告を刊行。ESGを考慮した投資とその効果を国民に毎年報告するもので、今年度は新たに、ボトムアップアプローチによるGHG削減貢献量分析、ESG債の対象プロジェクトのインパクト計測分析や、企業活動の自然への依存・影響を試行的に分析するTNFDトライアル分析の結果をまとめた。

国際動向サマリー

  • 8月には各国の政策動向では目立った動きなし。昨年8月は米国バイデン政権のインフレ抑制法が世界中に波紋を呼んでいたが、今年は夏休みモードの静かな1ヵ月となった。それとは裏腹に、大規模な山火事、旱魃、洪水、暴風雨といった災害が国内外で相次いで報じられた。
  • 米国では環境保護庁(EPA)が、2024-27年の環境分野での重点施策を公表。EPAが4年毎に発表するもので、今回は計6分野、うち、気候変動の緩和とPFAS曝露防止は初選定となった。気候変動の緩和ではメタン・フロン対策を中心に構成。
  • 欧州ではバッテリー規則が発効。欧州グリーンディールの流れの中、新循環経済行動計画の一環で進められた規制強化であり、汚染ゼロと循環経済の両立を目指すもの。カーボンフットプリントの数値基準やリサイクル原料の含有量基準の導入など注目点が多い中、本号では製品含有化学物質の側面に着目。特に、「バッテリーパスポート」として先行導入される情報開示手法「製品パスポート」は、運用によっては欧州グリーンディールの進捗にも影響する可能性も。

2023年 8月号(2023.7.1~2023.7.31)<オンライン・ライブ解説は 8月25日(金)13時00分~>

国内
経済産業省:ガス/熱の供給事業者別排出係数報告、令和6年度に開始予定
国際
IC-VCM:高品質クレジットを規定する原則の完成版を公表

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目次

国内動向

  • 経済産業省:ガス/熱の供給事業者別排出係数報告、令和6年度に開始予定
  • 経済産業省・環境省・農林水産省:再エネ発電J-クレ価格は3,000円/tを維持

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • G20:排出削減目標、化石燃料フェーズダウンは閣僚会合で合意できず

環境経営編

  • IC-VCM:高品質なクレジットを規定する原則の完成版を公表
  • EU:自動車関連2指令を統合へ。資源循環性を強化し含有物質規制は据置
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は、温対法に基づくガス事業者及び熱供給事業者別排出係数の算出方法等に係る検討会第1回を開催。排出係数算出方法や公表内容・時期等について議論。需要家は令和6年度からガス供給事業者別排出係数、令和7年度から熱供給事業者別排出係数を利用可能になる見通し。
  • 経済産業省・環境省・農林水産省は、第14回J-クレジット入札販売結果を公表。再エネ発電J-クレの価格は前回を若干下回るものの、依然としてkWhあたり約1.4円と非FIT非化石証書の0.3円を大きく上回る状況。今年10月開設予定のクレジット市場において取引価格がどう動くのか注目。

国際動向サマリー

  • 7月はG20のエネルギー、環境・気候分野の担当閣僚会合がインドで相次いで開催。今年5月のG7サミットで合意した野心的目標がどこまで新興国に受け入れられるかが焦点となった。排出削減目標、化石燃料フェーズアウト、G20の再エネ容量3倍化目標は合意に至らず、議論は9月のG20サミット、11月のCOP28へ持ち越しに。一方、水素の利用拡大、生物多様性に関する取組強化については合意。
  • IC-VCMはコアカーボン原則(CCP)の完成版を公表。高品質なクレジット制度・クレジットの要件を規定。今後はCCPに基づき適格なクレジットを承認していく。先月VCMIが公表したクレジット活用のガイドラインと合わせて、品質の確保と適切なクレジット活用を促し、クレジット市場の活性化を狙う。

2023年 7月号(2023.6.1~2023.6.30)<オンライン・ライブ解説は 7月28日(金)13時00分~>

国内
内閣官房:GX実現に向けた投資促進策の基本条件を提示
国際
IFRS財団:ISSB基準が確定。適用の場合、2025年度開示にて対応

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目次

国内動向

  • 内閣官房:GX実現に向けた投資促進策の基本条件提示
  • 内閣官房:水素基本戦略改定:2040年までに1,200万トン導入
  • 経済産業省:カーボンリサイクル:産業化を加速させる具体策を提示
  • 経済産業省:炭素除去技術の市場創出に向けた方向性を示す
  • 環境省・経済産業省:新基礎排出係数(案)を提示、証書等の効果を反映

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • EU:CBAM報告対象は直接・間接排出量両方、義務不履行者には罰金
  • EU:EUタクソノミー、気候分野の追加基準と環境4分野の基準を確定

環境経営編

  • IFRS財団:ISSB確定基準公表。適用の場合、2025年度開示にて対応
  • IMO:製品含有化学物質管理で船舶のリサイクルの適正化を国際的に推進
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 内閣官房はGX実行会議第6回を開催。GX関連法案成立後、初の開催であり脱炭素移行の実現に向けた金融支援策等を提示。GX経済移行債を財源とした国の投資における基本4条件及びその類型、GX推進機構による債務保証も活用した政府支援のイメージなど具体的な支援案が提示された。
  • 内閣官房は5年ぶりに水素基本戦略を改訂。2040年における水素導入目標、2030年の水電解装置導入目標を新規に策定。水素と既存燃料との差額支援スキーム検討や、低炭素水素・アンモニアの炭素集約度基準の設定なども注目点。
  • 経済産業省はカーボンリサイクルロードマップを策定。2019年策定、2021年改訂のカーボンリサイクル技術ロードマップに対し、技術に限らず意義、課題、アクション等を整理。2050年のCO2利用量の最大ポテンシャルの試算、各製品分野の2030年・2040年以降のターゲット製品・コスト目標を設定。
  • 経済産業省はネガティブエミッション市場創出に向けた検討会第6回を開催。ネガティブエミッション技術(NETs)市場創出に向けたとりまとめを発表。代表的なNETsについて現状分析と今後の方向性を提示。市場創出に向けた方針として、市場初期段階の支援策、除去クレジットの創出拡大等を整理。
  • 環境省・経済産業省は温室効果ガス算定・報告・公表制度における算定方法検討会第6回を開催。今年度の主な検討項目は①電気使用に伴う排出量の算定方法、②CCUSの扱い、③森林吸収等の扱い。①では、調整後排出係数からクレジットの環境価値を除いた、新基礎排出係数案を提示。

国際動向サマリー

  • 欧州委員会は10月1日開始のCBAM報告義務に関する規則案を発表。EUの輸入者等は、輸入品の種類、輸入量、原産国、直接・間接排出量、支払済の炭素価格等の情報を移行期間において四半期毎に報告。報告義務を遵守しない場合は未報告の排出量1トンにつき10~50ユーロの罰金を支払う。
  • 欧州委員会はサステナブル・ファイナンスの施策パッケージを公表。EUタクソノミー追加基準の確定案 (緩和・適応のリスト拡大、環境4分野(水・海洋資源、循環経済、汚染、生物多様性)の追加を含む)、ESG格付機関規制を含むもの。EUタクソノミー追加基準は2024年1月に発効予定。
  • IFRS財団のISSBはサステナビリティおよび気候関連リスク・機会の開示に係る確定基準を公表。2022年3月に公表した公開草案をベースに、適用初年度の救済措置や一部対応難易度が高い要求事項に対する配慮がなされた。2024年1月1日以降に開始する年次報告期間から適用開始。

2023年 6月号(2023.5.1~2023.5.31)<オンライン・ライブ解説は 6月30日(金)13時00分~>

国内
経済産業省:証書オークション:FITは供給過多、非FITは需給ひっ迫
国際
G7:化石燃料フェーズアウトや2035年に2019年比60%排出削減が必要

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目次

国内動向

  • 経済産業省:証書オークション:FITは供給過多、非FITは需給ひっ迫
  • 経済産業省:合成燃料とSAFの導入促進に向けた具体的施策案を公表

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • G7:化石燃料フェーズアウトや2035年に2019年比60%排出削減が必要
  • 米国:火力発電所の排出基準を強化、CCSや水素混焼の義務水準を提示

環境経営編

  • SBTN:SBTの自然版、初の淡水域・陸域の目標設定ガイダンスを公表
  • UN:含有物質を含む議論でプラスチック汚染防止条約原案作成へ
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は制度検討作業部会第79回を開催。高度化法中間目標第二フェーズにおいて、各年度最終オークション開催前の4月に、需給ひっ迫に対する配慮措置の実施有無を決定する案を提示。直近のオークション結果に鑑みると、配慮措置によるFIT非化石証書への影響は限定的と考えられるが、需要家は余裕をもって第3回オークションまでに必要量を調達しておくと安全であろう。
  • 経済産業省は合成燃料(e-fuel)官民協議会(第2回)、SAF官民協議会(第3回)の2つの協議会を開催。各燃料の導入促進に向けた中間とりまとめ案を発表。合成燃料ではこれまで「2040年代」としていた商用化目標を「2030年代前半までに商用化」に前倒し。SAFでは燃料供給側および航空会社に対して、SAF供給・利用の義務化を求めることを検討。

国際動向サマリー

  • G7広島サミット開催。ウクライナのゼレンスキー大統領の緊急来日を受け、最終日を待たずにG7首脳コミュニケを採択。2日目午後に行われた気候変動に関する討議の内容はコミュニケに反映されず、多くは4月の気候・エネルギー・環境大臣会合の成果を踏襲。一方で、天然ガスに関しては、「重要な役割を強調」と、大臣会合時と比較して、支持する方向に一方踏み込んだ形。
  • 米国環境保護庁が、火力発電所のCO2排出基準の強化案を公表。天然ガス火力発電所(ミドルやピーク電源除く)は、2035年までにCCSでCO2を90%以上回収するか、2032年までに30%および2038年までに96%の低炭素水素の混焼を行うこと、また、2040年以降も稼働する石炭火力発電所はCCSでCO2を90%以上回収すること等を規定。規則の最終決定には今後1年程度を要する見込み。
  • SBTNはScience Based Targets for Nature設定ガイダンスを公表。初の自然版の目標設定の技術ガイダンスは淡水域と陸域が対象。淡水域では取水量の削減・栄養塩濃度の低減、陸域では自然生態系の転換ゼロ、土地使用面積の削減、ランドスケープエンゲージメントによる目標設定を求める。

2023年 5月号(2023.4.1~2023.4.30)<オンライン・ライブ解説は 5月26日(金)13時00分~>

国内
環境省:GHG排出量確報、コロナ禍からの経済回復により排出量増加
国際
G7:気候エネ環境大臣会合、2035年目標は2019年比60%減、水素・アンモニア混焼に厳しい条件

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目次

国内動向

  • 経済産業省:エネルギー消費量、コロナ禍からの産業回復等により増加
  • 環境省:GHG排出量確報、コロナ禍からの経済回復により排出量増加
  • 経済産業省:高度化法中間目標:未達企業多発を想定し、配慮措置を検討

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • G7:2035年目標は19年比60%減、水素・アンモニア混焼に厳しい条件
  • EU:水、循環経済、汚染、生物多様性の基準案公表。2024年から報告義務

環境経営編

  • SBTi:SBTiが”認定基準及び推奨事項” を更新、Scope3除外率を明記
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は2021年度のエネルギー需給実績を、また、環境省は同年のGHG排出・吸収量の確報値を、それぞれ公表。新型コロナに起因する経済停滞からの回復等により、前年度比でエネルギー消費量及びGHG排出量は増加。GHG排出・吸収量は、2013年度比▲20.3%であり。2030年度に同▲46%とする目標に向けては年平均2013年比3%の削減が必要な状況。なお、電力の排出係数(使用端)は0.47kg-CO2/kWhとほぼ前年並み。
  • 経済産業省は電力・ガス基本政策小委員会制度検討作業部会第77回・第78回を開催。非FIT非化石証書の需給ひっ迫に伴い高度化法中間目標未達の小売電気事業者が多数発生するおそれがあることを踏まえ、配慮措置を検討。

国際動向サマリー

  • G7気候・エネルギー・環境大臣会合が札幌にて開催、共同声明を採択。排出量削減の水準は、2019年比で2030年までに約43%、2035年までに60%削減。化石燃料については、石炭火力発電のフェーズアウトの時期は明示しない一方、石油や天然ガスもフェーズアウトするという記載に。自動車の目標は2035年までに2000年比で排出量半減と、ハイブリッド車も認める形に。発電における水素・アンモニア混焼は、1.5℃目標及び2035年電力部門脱炭素化という目標と一致する場合に限定。
  • EUタクソノミーについて、欧州委員会が、気候変動以外の4分野(水・海洋資源、循環経済、汚染、生物多様性)と、気候変動分野(緩和、適応)の追加基準の案を公表。年内確定予定。今後も対象事業は拡大される見込みだが、一旦全6分野の基準が揃うことに。
  • SBTiは認定基準及び推奨事項 Ver5.1を公表。今次改訂による認定水準の変化はないものの、Scope3の除外率の設定、目標再計算に必要な基準年排出量変化率の設定などSBT認定を目指す企業が留意したい変更点がある。今後予定しているScope3やMRVガイダンスにも注目したい。

2023年 特別号

特別号
企業のサステナ対応をめぐる最新動向 -迫りくるパラダイムシフトと見えてきた近未来図-
GHGソリューションズの主軸コンサルタント3名によるサステナビリティ鼎談。
Scope3新時代、サステナ情報開示、GHGプロトコル新ガイダンスをテーマに2023年度における企業のサステナ対応とその先の見通しについて各分野をリードするコンサルタント3名による対談形式の特別レポート。

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2023年 4月号(2023.3.1~2023.3.31)<オンライン・ライブ解説は 4月28日(金)13時00分~>

国内
経済産業省:国内におけるクレジット市場の取組の方向性等を提示
国際
IPCC:AR6統合報告書公表。損失と損害を抑えるには今後10年の緩和・適応策の進展が必要

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国内動向

  • 経済産業省:国内におけるクレジット市場の取組の方向性等を提示
  • 経済産業省:水素基本戦略改定及び水素産業戦略策定に向けた検討を開始

環境経営編

  • 環境省:自然への貢献証書制度が具体化、PRできる情報の付与を検討
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • IPCC:損失と損害を抑えるには今後10年の緩和・適応策の進展が必要
  • EU:域内での重要原材料の供給確保を強化する方針
  • EU:消費者の「修理する権利」を法制化、対象製品も拡大見込み

環境経営編

  • WBCSD:ネットゼロに向けた補完策としての削減貢献の国際指針公表
  • TNFD:最終ドラフトで自然関連開示推奨項目・開示指標が出そろう
  • EU:ELV指令改正。自動車に含有される鉛の規制を強化
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省はカーボンニュートラルの実現に向けたカーボン・クレジットの適切な活用のための環境整備に関する検討会第5回を開催。カーボン・クレジット・レポートを踏まえたこれまでの取組を報告。併せて、今後の取組の方向性等について議論。カーボン・クレジットの需要面において、GX-ETSにおける適格クレジットをボランタリークレジットの一部にまで拡大する事を示唆した点は注目ポイント。
  • 経済産業省は約6年ぶりとなる水素基本戦略の改定に向けた検討を開始。併せて水素産業戦略の策定に向けた検討も開始。水素産業戦略は、日本企業の勝ち筋を見出し、海外市場への展開を見据えて策定されるもの。水素産業戦略を盛り込んだ水素基本戦略は、5月末を目途に取りまとめ予定。
  • 環境省は30by30に係る経済的インセンティブ等検討会第4回を開催。自然共生サイト認定を支援する企業等に対する貢献証書制度の案を提示。企業が投資家等に効果的にPRできるよう、地域貢献などの社会的効果や生態系サービスといった、任意の概要説明を証書に付与する方針が示された。

国際動向サマリー

  • IPCCが、第6次評価報告書(AR6)統合報告書の政策決定者向け要約を公表。2022年までに発表された、WG1(自然科学的根拠)、WG2(影響・適応・脆弱性)、WG3(緩和策)の各報告書をまとめたもの。1.5℃経路では2035年にGHG60%減(2019年比)が求められること、損失と損害を抑えるには今後10年間で緩和と適応の大幅拡大が必要であること等に言及。
  • EUでは、欧州委員会が、「ネットゼロ産業」への支援策と並ぶ、重要原材料の供給確保のための規則案を発表。デジタル化やネットゼロの実現のために必要な資源の需要の高まりなども背景に、各国で資源確保の動きが鮮明になっている。また、家電製品などを買い替えるのではなく修理することを促進するための、「修理する権利」に関する法案も公表。
  • WBCSDは削減貢献に係るガイダンスを公表。社会全体の脱炭素の加速支援を目的に信頼できる削減貢献の主張を行う考えを提示。正当性を確保するための3ステップや開示における原則を示す。グローバルに削減貢献を主張していくうえで本ガイダンスがスタンダード化する可能性もある。
  • TNFDは情報開示フレームワークの最終ドラフトを公表。ベータ版v0.4である今般のアップデートにて依存・影響およびリスク・機会の開示指標を公表。コアグローバル指標、コアセクター指標、追加開示指標の3層構造で整理。v0.4に対するフィードバックを踏まえ、2023年9月に最終提言公表予定。

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みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 サステナビリティコンサルティング第2部