最新動向レポート「ES(Executive Summary)」

経営層の方向けに作成しているレポートです。氾濫する温暖化関連情報からポイントを抽出した、短時間で通読できるレポートです。
国内外の政策動向等、時節に応じたトピックを取り上げています。

2025年3月号(2025.2.1~2025.2.28)<オンライン・ライブ解説は 3月28日(金)13時00分~>

国内
金融庁:サステナ保証の担い手には、監査法人並みの要件を求めるか
国際
EU:クリーン産業ディール、オムニバス法案を公表。 産業競争力強化と脱炭素の両立へ

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目次

国内動向

  • サステナ保証の担い手には、監査法人並みの要件を求めるか 《金融庁》
  • 太陽光:FIP制度のみ認められる範囲が50kW以上に拡大 《経済産業省》
  • 証書オークション:FITは約定量が過去最大、非FITは価格高騰 《JEPX》
  • CCSコストとCO2対策コストの差額支援に関する検討を開始 《経済産業省》

環境経営編

  • POPs含有製品の輸出入規制で、国際的な廃絶の取組を担保 《政府》
    • ESGヘッドライン【国内】

    主な審議会等の開催状況

    国際動向

    • Carbon Policy Update
    • EU:「脱炭素化=強力な推進力」産業競争力の強化目指す包括政策公表
    • EU:CSRD含む各種法令簡素化のオムニバス法案公表。企業負荷軽減へ

    環境経営編

    • IFVI・VBA:製品使用によるインパクト測定の概念に関する案が公開
      • ESGヘッドライン【国際】
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    国内動向サマリー

    • 金融庁は、サステナビリティ情報の保証に関する専門グループを設置。これまで、サステナ情報の開示・保証のあり方WGにて検討されてきた、保証に関する議論のうち、保証業務実施者に求められる規律の在り方を議論する場に。第1回では保証業務実施者の登録要件等が議論され、上場会社監査人と同等の要件・規律を求める案が示された。
    • 経済産業省の調達価格等算定委員会は、「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」を公表。2026年度以降のFIP制度の適用範囲、FIT調達価格及びFIP基準価格を提示した。太陽光ではFIP制度のみ認められる範囲が50kW以上に拡大。また、10kW未満及び屋根設置の10kW以上については2026年度より、調達価格を調達開始からの経過年数で変更する考え方が提示された。
    • 日本卸電力取引所は、非化石価値取引市場の2024年度第3回取引結果を公表。FIT非化石証書は約定量が減少していた前回から反発し、過去最大の約定量を更新。非FIT非化石証書は、再エネ指定あり/なしのいずれも買入札量が売入札量を大幅に超過し、入札上限である1.3円/kWhに価格が貼り付いた。
    • 経済産業省は、CCS事業の支援措置に関するワーキンググループを新たに設置。カーボンマネジメント小委(第8回)で提示された「CCS支援制度のたたき台」を踏まえ、CCS事業に対する支援制度の詳細設計を検討する会合。第1回会合では、CCS支援制度案として、CCSコストとCO2対策コストの差額を支援する考え方を提示。

    国際動向サマリー

    • EUでは、昨年12月に始動した欧州委フォンデアライエン体制2期目における戦略パッケージとして、クリーン産業ディールを公表。域内産業の競争力強化を最優先課題に据え、エネルギー集約産業とクリーンテックの2つのセクターを中心に政策を提案。欧州グリーンディール政策下で構築した脱炭素目標は堅持しつつ、エネルギーコスト低減やクリーン製品の市場環境整備、環境規制の簡素化等を進める中で、欧州の競争力再興を図る。
    • 欧州委はまた、EU域内の競争力強化の一環でオムニバス法案を公表。企業サステナビリティ報告指令(CSRD)、企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)、EUタクソノミー規則、炭素国境調整メカニズム(CBAM)の重複の削除や簡素化を進め、企業の事務負担の軽減を目指す。
    • インパクト会計における各種方法論の開発を進めるIFVIとVBAが、新たに全産業向けの製品使用時のインパクトの定義やその測定手法に関する基本的な考え方を公表。また、インパクト測定をしやすい最終製品提供企業だけでなく、中間製品を取り扱う企業でも測定できるように、インパクト配分の考え方も提示。

    2025年2月号(2025.1.1~2025.1.31)<オンライン・ライブ解説は 2月28日(金)13時00分~>

    国内
    カーボン・クレジット市場でJクレの取引価格が上昇
    国際
    米国:「トランプ2.0」就任初日から前政権の気候エネ政策に大ナタ

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    目次

    国内動向

    • グリーン鉄の環境価値見える化・需要創出へ向けて提言 《経済産業省》
    • 洋上風力:過酷な事業環境緩和のため公募ルール改定 《経済産業省・国土交通省》
    • カーボン・クレジット市場でJクレの取引価格が上昇

    環境経営編

    • ESGヘッドライン【国内】

    主な審議会等の開催状況

    国際動向

    • Carbon Policy Update
    • 米国:「トランプ2.0」 就任初日から前政権の気候エネ政策に大ナタ
    • 米系金融機関のネットゼロイニシアチブ離脱の動向

    環境経営編

    • ISSB:IFRS S2号:確定から1年半、早くも修正に向けた検討開始
    • EU:適用除外用途に期限を設定、電気電子機器中の鉛の含有制限拡大へ
      • ESGヘッドライン【国際】
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    国内動向サマリー

    • 経済産業省では、「GX推進のためのグリーン鉄研究会」が、2024年10月の設置以来計5回の会合を経て、とりまとめを提示。グリーン鉄の価格が一般的な鋼材価格より高くなるという課題を踏まえ、政府による優先的調達や購入支援、CFPの観点で評価されるためのルール整備等の必要性を提言。
    • 経済産業省・国土交通省は一般海域における占用公募制度の運用指針を改定。世界的なインフレや円安等の影響により洋上風力発電の事業環境が悪化していることを踏まえ、価格評価点の算定方法の変更、及び入札後のインフレ等に備えた価格調整スキームの設定等を実施。前者についてはゼロプレミアム水準でなくとも落札の可能性があるようなルール改定が示された。
    • カーボン・クレジット市場ではJ-クレジットの取引価格が2024年秋頃から高騰。確たる要因は不明だが、イニシアチブやGX-ETSでの需要増加を想定した先行的なクレジット調達が発生していると推察される。

    国際動向サマリー

    • 米国では第二次トランプ政権が発足。気候エネルギー分野の閣僚には気候変動懐疑派を配置したほか、就任初日よりパリ協定からの離脱や国家エネルギー非常事態宣言などの大統領令に署名。前政権の気候エネルギー政策から180度方針転換する姿勢を鮮明にしている。
    • 「トランプ2.0」に関連し、昨年11月の大統領選以降、米系金融機関がネットゼロイニシアチブから離脱する動きが相次いでいる。米主要6行全てが離脱したNZBA、一時活動休止に追い込まれたNZAM、資本動員に注力する組織への再編を表明したGFANZについて、直近の動きをまとめた。
    • ISSBが、2023年6月に公表したIFRS S2号の修正を検討。現行基準では要求事項が不明確な箇所、実務的な課題がある箇所を修正対象としており、2025年第2四半期に公開草案が公表される予定。今回の内容自体は開示企業への影響は軽微であるものの、一度確定した基準が、今後も必要に応じて修正される可能性あり。

    2025年1月号(2024.12.1~2024.12.31)<オンライン・ライブ解説は 1月31日(金)13時00分~>

    国内
    内閣官房:GX2040ビジョン(案)公表、脱炭素に向けた産業立地の誘導へ
    国内
    経済産業省:次期エネ基(案)公表。2040年に向け安定供給重視の方向性
    巻末特集
    2025年 各分野の注目ポイント

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    目次

    国内動向

    • GX2040ビジョン(案)公表、脱炭素に向けた産業立地の誘導へ《内閣官房》
    • 制度対象者や償却手続きについて具体化。移行計画の提出も《内閣官房》
    • 次期エネ基(案)公表。2040年に向け安定供給重視の方向性《経済産業省》
    • FIP移行電源は運開時期を問わず証書の直接取引を可能に《経済産業省》

    環境経営編

    • CT国債の資金充当レポート公表。排出削減のインパクトも試算 《政府》
    • ESGヘッドライン【国内】

    主な審議会等の開催状況

    国際動向

    • Carbon Policy Update

    環境経営編

    • UNEP:循環経済アプローチでプラスチックの含有有害物質を削減へ
      • ESGヘッドライン【国際】
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    国内動向サマリー

    • 内閣官房はGX実行会議第14回を開催し、GX2040ビジョン(案)を公表。素材から製品にいたるフルセットのサプライチェーンの脱炭素化・DXによる「GX産業構造」の実現に向け、特に重要な6つの取組を提示。また、エネルギー供給地に合わせた需要の集積の必要性を強調し、そのための「GX産業立地」の政策のあり方を示した。
    • 内閣官房はGX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキング第4回を開催し、2026年度に本格稼働する排出量取引制度の具体的な制度内容を提示。制度対象者や排出量の算定方法の考え方、対象クレジット等の案を示したほか、新たに同制度の対象企業に移行計画の策定を要請することを提案。
    • 経済産業省は総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会第68回を開催し、第7次エネルギー基本計画の素案を公表。素案ではエネルギー安定供給重視の方向性から、原子力を活用していくという大幅な方針転換を示した。また2040年エネルギーミックスを併せて公表し、再エネを主力電源としつつも、特定の電源種に依存しないあり方を提示した。
    • 経済産業省は電力・ガス基本政策小委員会 制度検討作業部会第98回を開催。11月末に開催された2024年度第2回非化石証書オークションの取引結果を公表した。また、需要家の再エネニーズへの対応、再エネ電源の維持、FITからFIPへの移行を促すため、FIP移行電源については運転開始時期を問わず証書の直接取引を可能にする案を提示した。
    • 政府は、令和5年度に発行開始したクライメート・トランジション利付国債(CT国債)について、初年度の資金充当状況等を報告するレポートを公表。当初予定していた額の発行と充当が行われ、GX投資は順調に進捗している模様。また、一部の充当対象事業について、排出削減のインパクトも試算。政府は今後、資金充当レポートおよびインパクトレポートを毎年発行する予定。

    2024年12月号(2024.11.1~2024.11.30)<オンライン・ライブ解説は 12月24日(火)13時00分~>

    国内
    内閣官房:直接排出量10万t-CO2以上の企業への排出量取引義務化を検討
    国際
    UNFCCC:COP29開催。途上国への資金支援の目標に合意、第6条は完全運用化へ

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    目次

    国内動向

    • 直接排出量10万t-CO2以上の企業への排出量取引義務化を検討《内閣官房》
    • 次期NDCは2035年60%・2040年73%削減を軸に検討《環境省・経済産業省》

    環境経営編

    • GPIFによるインパクト投資が可能に。利益の追求は不変《厚生労働省》
    • ESGヘッドライン【国内】

    主な審議会等の開催状況

    国際動向

    • UNFCCC:途上国への資金支援の目標に合意、第6条は完全運用化へ
    • Carbon Policy Update

    環境経営編

    • IFRS財団:ISSB基準の採用状況を調査。日本企業も複数が同基準に言及
    • UN:プラスチックを終わらせるのか、プラ汚染を終わらせるのか
    • ブラジル:ようやく国際水準の化学物質管理へ。RoHS案も精力的に審議
      • ESGヘッドライン【国際】
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    国内動向サマリー

    • 内閣官房はGX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキング第4回を開催。2026年度に本格稼働する排出量取引制度の在り方検討と制度設計に向け、同制度の基本的な考え方(案)を提示。制度対象者の範囲を直接排出量10万t-CO2以上とする点や、排出枠の割当には、業種特性を考慮した基準を設けるベンチマーク方式を基本とする考えなどが示された。
    • 環境省・経済産業省は、2050年ネットゼロ実現に向けた気候変動対策検討小委員会・中長期地球温暖化対策検討WG合同会合を開催。2030年度▲46%(2013年度比)以降の次期NDCについて、2035年▲60%、2040年▲73%の直線的な経路を軸に検討を進める旨を提示。
    • 厚生労働省はGPIFの管理運用を審議する専門部会である社会保険審議会資金運用部会第23回を開催。年金積立金運用の目的を「専ら被保険者の利益」とする従来の姿勢を踏襲しつつ、「社会的・環境的効果(インパクト)はESG要素と同様、重要な考慮要素となり得る」というインパクト投資の基本的考え方を提示。GPIFによるインパクト投資イメージでは、運用受託機関への投資一任を想定。

    国際動向サマリー

    • COP29が、アゼルバイジャン・バクーで開催。優先議題である途上国への資金支援の新たな目標は、「先進国が率先する形で、2035年までに年間3,000億ドル以上」で決定。パリ協定第6条(炭素クレジット)のルールの議論が完結し、完全運用化へ。一方、COP28で合意した化石燃料からの脱却など、 気候変動緩和目標等の実現に向けた検討は進まず。
    • IFRS財団が気候関連情報開示の進捗レポートを公表。従来TCFDが作成していたもので、同財団が引き継いで初の公表となった。企業のTCFD開示状況調査に加え、今回はISSB基準の採用状況についても調査。ISSB基準に言及する日本企業が出始めているが、大半は準備段階であることが判明。
    • プラスチック汚染に関する政府間交渉委員会の第5回会合(INC-5)が韓国・釜山で開催。2024年中にプラスチック汚染に関する国際的な法的効力のある文書(ILBI)を策定予定であったが、交渉が難航し合意には至らなかった。再開会合の開催が必要だが時期は未定。

    2024年11月号(2024.10.1~2024.10.31)<オンライン・ライブ解説は 11月29日(金)13時00分~>

    国内
    金融庁:二段階開示やセーブハーバー、保証制度の議論が進展
    国際
    UN:生物多様性条約COP16開催。資金動員合意に 至らず、遺伝資源の利益配分の基金は設立へ

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    目次

    国内動向

    • 二段階開示やセーブハーバー、保証制度の議論が進展《金融庁》
    • FIT/FIP制度:再エネ電源の特性を踏まえた見直しの論点提示《経済産業省》
    • CFPの更なる拡大へ、「算定」 に続き 「表示」 ガイド作成を検討《環境省》

    環境経営編

    • ESGヘッドライン【国内】

    主な審議会等の開催状況

    国際動向

    • Carbon Policy Update

    環境経営編

    • UN:資金動員合意に至らず、遺伝資源の利益配分の基金は設立へ
    • TNFD:自然移行計画のフレームワーク提示。気候移行計画をベースに
    • IDTF:インパクト開示の標準化に一歩前進
    • カナダ:環境保護に国民の権利保障の視点。政策実践の考え方を明文化
      • ESGヘッドライン【国際】
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    国内動向サマリー

    • 金融庁は、サステナビリティ開示と保証のあり方に関するワーキンググループ(第4回)を開催。サステナビリティ情報の法定開示について、二段階開示の方法・開示期限やセーフハーバー、保証範囲等の詳細を議論。保証範囲については、一定期間はScope1, 2のみとする案を提示。
    • 経済産業省は、調達価格等算定委員会(第95回)を開催。FIT/FIP制度に関する今年度の検討事項として、再エネ電源ごとの特性を踏まえた調達価格等の設定について論点を整理。主に発電事業者のリスクを軽減するものであり、再エネ導入拡大を促すことが目的。
    • 環境省は、カーボンフットプリント(CFP)の表示等の在り方検討会(第1回)を開催。CFPの表示ルールを整備することで、CFPの適切な表示を推進し、企業の取組拡大と消費者の行動変容の促進を 目的とするもの。企業がCFPの表示をする際に、消費者の誤解を防ぎ正しく理解をしてもらうために注意が必要な7項目を論点として挙げた。

    国際動向サマリー

    • 生物多様性条約(CBD)のCOP16がコロンビアのカリにて開催。昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)の進捗をモニタリングする枠組やレビューの仕組み、GBF実施に必要な資金動員等のいくつかの議題は合意に至らず、持ち越しに。一方、遺伝資源のデジタル配列情報(DSI)の利益配分のための「カリ基金」設立や、先住民・地域社会を対象とした常設補助機関の設置などについては合意。
    • TNFDは、CBD-COP16にて自然移行計画の枠組を示したディスカッションペーパーを公表。GFANZ・TPTと連携し、既存の気候移行計画の枠組を踏襲しつつ、地域性を考慮した移行計画や利害関係者とのエンゲージメント、地域別の依存・影響の指標など、自然固有の要素が追加。
    • インパクト開示を巡る動きとしては、企業が「持続可能な開発インパクト開示(SDID)」を行うための  ステップを示したガイダンスを、世界の主要金融機関や機関投資家で構成するImpact Disclosure Taskforceが公表。 企業が環境・社会へのインパクトを開示する際に前提となる考え方(Theory of Change)や、開示へ向けた具体的なステップが整理されており、インパクト創出に取り組む企業に  とって参考になる内容。

    2024年10月号(2024.9.1~2024.9.30)<オンライン・ライブ解説は 10月31日(木)13時00分~>

    国内
    内閣官房:排出量取引制度の本格稼働に向けて論点整理を開始
    国際
    SBTN:目標設定パイロットを淡水域・陸域で実施。初の目標認定も

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    目次

    国内動向

    • 排出量取引制度の本格稼働に向けて論点整理を開始《内閣官房》
    • 非化石価値取引制度のさらなる見直しの方向性を提示《経済産業省》
    • 電力の効率的な調達に向け「同時市場」の設立を検討《経済産業省》
    • 民間投資による都市緑地の質・量を評価する新制度を検討《国土交通省》

    環境経営編

    • ESGヘッドライン【国内】

    主な審議会等の開催状況

    国際動向

    • Carbon Policy Update

    環境経営編

    • SBTN:目標設定パイロットを淡水域・陸域で実施。初の目標認定も
    • IFVI-VBA:労働安全衛生や水消費量に関するインパクト算出方法公表
    • UNEP:POPs3物質を廃絶対象に。広い工業用途を考慮し適用除外も設定
      • ESGヘッドライン【国際】
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    国内動向サマリー

    • 政府はGX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキンググループを設置し、第1回WGを開催。GX実行会議で議論してきた「成長志向型カーボンプライシング構想」具体化の一環として、GX-ETSのあり方および制度設計へ向けた論点整理を行う。12月頃を目途に論点を取りまとめる予定。
    • 経済産業省は、電力・ガス基本政策小委員会制度検討作業部会の第96回会合を開催。GHGプロトコル改定や欧州電池規則策定を踏まえ、グローバルなルールに適合するよう証書の電源証明化等の見直しを検討する旨を改めて提示。また、需要家のニーズに対応する制度見直しを検討する方向性も併せて示した。
    • 経済産業省資源エネルギー庁は、同時市場の在り方等に関する検討会の第12回会合を開催。供給力(kWh)と調整力(ΔkW)を同時に約定させる「同時市場」について、これまで検討してきた同時市場の仕組みの具体化、および費用便益分析を整理した中間取りまとめ案を発表。
    • 国土交通省は、民間投資による良質な都市緑地の確保に向けた評価の基準に関する有識者会議の第5回会合を開催。都市緑地を官民で連携して確保すべく、民間の投資や活動を誘導しその取組を評価・認定するための「優良緑地確保計画認定制度(TSUNAG制度)」の新設に向け、評価対象や方法・項目を議論。

    国際動向サマリー

    • SBTNが1年間にわたる企業パイロットプログラムの結果を公表。同プログラムに参加した17社において、SBTNの目標設定に関する5ステップ中のステップ3(目標設定)まで完了したのは12社。そのうち、淡水域では10社、陸域では7社が、初のSBTNの認定を取得。
    • IFVIとVBAは、インパクト会計に関する方法論を共同開発し、今般3つの方法論のドラフトを公表。2024年2月公表の「GHG排出量(2024年9月最終化)」と「適正賃金」に関するトピック方法論のドラフトに続き、新たに「一般的方法論2」、「労働安全衛生」、「水消費」に関する方法論案を公表。

    2024年9月号(2024.8.1~2024.8.31)<オンライン・ライブ解説は 9月30日(月)13時00分~>

    国内
    内閣官房:リーダーズパネルを踏まえ、GX2040ビジョン策定に一歩前進
    国際
    特に目立った動きなし

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    目次

    国内動向

    • リーダーズパネルを踏まえGX2040ビジョン策定に一歩前進 《内閣官房》
    • GX推進機構が本格稼働へ。支援先選定時の「支援基準」公表 《経済産業省》
    • FIT非化石証書:約定量が大幅増加、売入札量の半分弱が約定 《JEPX》

    環境経営編

    • 投資家のESGエンゲージメントの効果を検証 《GPIF》
    • ESGヘッドライン【国内】

    主な審議会等の開催状況

    国際動向

    • Carbon Policy Update

    環境経営編

    • 中国:再生プラ大国が“先駆的”な含有制限規格で安全なプラ循環を目指す
      • ESGヘッドライン【国際】
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    国内動向サマリー

    • 内閣官房は第12回GX実行会議を開催。第11回会議やGX リーダースパネルの議論を踏まえ、GX2040に向けた論点を、①エネルギー・GX産業立地、②GX産業構造、③GX市場創造、④グローバル認識・ルール、の4点に再整理。
    • 経済産業省が、7月に始動したGX推進機構の支援先選定時の「金融支援業務に関する支援基準」を公表。 GX推進機構は、政府のGX基本方針に則り、民間が取り切れないリスクを債務保証等で補完することで、GXへの民間資金の喚起を目指す。
    • 日本卸電力取引所(JEPX)は、2024年度第1回非化石価値取引市場の取引結果を公表。FIT非化石証書は約定量が大幅に増加し、過去最大を更新。売入札量の半分弱が購入された。一方、非FIT非化石証書は、再エネ指定ありは約定量が増加したものの、再エネ指定なしは低調に終わった。
    • 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、2023年度のESG活動報告を刊行。今年度は、例年同様のESG投資パフォーマンスの分析に加え、機関投資家の投資先企業に対するエンゲージメント活動の効果や、企業のスコープ3開示状況等を分析。また、4年半ぶりに開催したグローバルアセットオーナーフォーラムの結果も報告。

    国際動向サマリー

    • 8月は夏季休暇期間ということもあり、国外の気候エネルギー政策動向はほぼ凪の様相。月末に近づいた頃にEUの航空部門ETS関連の規則改定や、世界初の再エネ直結グリーンアンモニア実証工場の稼働開始といったニュースが入ってきたものの、全般的には特段大きな動きは見られなかった。

    2024年8月号(2024.7.1~2024.7.31)<オンライン・ライブ解説は 8月30日(金)13時00分~>

    国内
    内閣官房:2040年に向けたGX産業構造・立地に関する議論が本格化
    国際
    SBTi:スコープ3削減へのオフセット・クレジット活用は容認ならず

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    目次

    国内動向

    • 2040年に向けたGX産業構造・立地に関する議論が本格化《内閣官房》
    • エネ基改定の議論本格化、次期エネ基は安定供給を重視か《経済産業省》
    • 省エネ法:間接規制に関する論点を中心に議論《経済産業省》
    • 合成メタンの短期的な制度設計を整理、証書の導入は見送り《経済産業省》

    環境経営編

    • 生物多様性の回復・創出活動も対象とする認定制度を創設へ《環境省》
    • ESGヘッドライン【国内】

    主な審議会等の開催状況

    国際動向

    • Carbon Policy Update
    • EU:現委員長が2029年まで続投。欧州グリーンディールは実施段階へ

    環境経営編

  • SBTi:スコープ3削減へのオフセット・クレジット活用は容認ならず
  • GHGプロトコル:GHGプロトコルの改定に関する論点
  • 中国:中国RoHS改正へ。企業への影響は制限物質追加か、執行強化か?
    • ESGヘッドライン【国際】
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    国内動向サマリー

    • 内閣官房はGX実現に向けた専門家ワーキンググループ第6回を開催。5月の第11回GX実行会議で検討された「GX2040ビジョン」のうち、GX産業構造・立地について、同WGにて分野横断的な視座から検討の論点を整理。GX産業構造では自国内に「GX型サプライチェーン」の構築の必要性を指摘。GX産業立地ではクリーン・エネルギーの地産地消を考慮した投資・産業集積の重要性を指摘。
    • 経済産業省は第59回総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会を開催。エネルギー基本計画の改定に向けて、ガス火力や石炭火力の位置づけ、LNGの長期契約確保、火力の脱炭素化について議論。前回改定時の議論と比較し、データセンター等による電力需要の増加やウクライナ情勢の影響を踏まえ、エネルギーの安定供給を重視する様子を見せた。
    • 経済産業省は、第45回省エネルギー小委員会を開催。2023年7月発表の「中間論点整理」にて提示された、家庭部門や中小企業への間接規制に関する論点を中心に議論。さらに、省エネ法に基づく非化石エネルギー転換措置として屋根置き太陽光の設置余地に着目した要素を追加する点や、社用車等を省エネ法の対象として追加する点なども併せて議論。
    • 経済産業省は、第36回ガス事業制度検討ワーキングを開催。都市ガスのCN化に向けた新たな市場創出・利用拡大につながる適切な規制・制度の在り方について、短期的な目標・中長期的なCN化に必要な制度を分けて議論。短期的な制度設計については、高度化法における目標設定と託送料金制度の活用を前提とし、証書の導入は見送る旨を提示。
    • 環境省は、第4回自然再興の実現に向けた民間等の活動促進に関する小委員会を開催。今後施行予定の「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律」について検討。生物多様性の保全が図られている区域を認定する自然共生サイトを土台としつつ、生物多様性の回復・創出活動も対象とした新たな認定制度を創設する方針を提示。

    国際動向サマリー

    • EUでは、10月末で任期満了を迎える欧州委員会のフォンデアライエン委員長について、欧州議会が同氏の2期目続投を承認。同氏は2期目の最優先課題に「繁栄と競争力」を掲げ、就任後100日以内の 「クリーン産業ディール」提案を公約。
    • SBTiはネットゼロ基準見直しの一環で、スコープ3の目標設定・削減に関する文書を公表。注目を集めていた炭素クレジット等の環境属性証明書(EAC)に係る見解を含む内容で、EACの活用可能性について5つのシナリオを提示。スコープ3目標達成にオフセットクレジット活用は認めないものの、コモディティ証明書や、バリューチェーン内緩和活動由来の排出削減型クレジットを活用できる可能性も。
    • GHGプロトコルは3つの中核文書とマーケット基準算定について、2022年後半より改定要否を問うサーベイを行い、概要・提言に関する報告書を順次公表してきたが、7月に最終報告書が出揃った。  今後、基準・ガイダンスの改訂次第では、従来の炭素会計からデータ収集・開示方法が大幅に変わることが予想される。

    2024年7月号(2024.6.1~2024.6.30)<オンライン・ライブ解説は 7月31日(水)13時00分~>

    国内
    金融庁:法定開示の対象企業や開示方法等、具体的な議論が進展
    国際
    G7:プーリアサミット開催。削減目標は2035年に2019年比▲60%、脱石炭火力は解釈の余地有

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    目次

    国内動向

    • 政府:経済政策のグランドデザイン、GPIF等によるインパクト投資を解禁
    • 金融庁:法定開示の対象企業や開示方法等、具体的な議論が進展
    • 経済産業省:今夏は事前の節電要請を実施せず
    • 経済産業省/環境省:最新版白書にみる環境・エネルギー政策の方向性

    環境経営編

    • 令和6年度環境白書における製品含有化学物質管理に関する記述
    • ESGヘッドライン【国内】

    主な審議会等の開催状況

    国際動向

    • Carbon Policy Update
    • G7:削減目標は2035年に2019年比▲60%、脱石炭火力は解釈の余地有

    環境経営編

    • ESGヘッドライン【国際】
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    国内動向サマリー

    • 政府は、岸田政権の経済政策の長期構想「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の2024年改訂版を閣議決定。グランドデザインでは、 “新たな官民連携”、“社会課題解決と経済成長の二兎の実現”、“国民の持続的な幸福の実現”の3大テーマを掲げる。実行計画では、新たにGPIF等におけるインパクト投資の解禁を示唆。
    • 金融庁は、法定開示におけるSSBJ基準の適用対象、適用時期等について継続議論。時価総額3兆円以上の企業を対象に2027年3月期より義務化する案を基本線とし、今回は時価総額の算定方法や二段階開示・同時開示の方法等、具体的な論点について進展あり。
    • 経済産業省は第75回電力・ガス基本政策小委員会を開催し、今夏の電力需給の検証結果を報告。10年に1回程度の厳しい気象条件下の最大電力需要を示す「厳気象H1需要」に対し、全エリアで 安定供給に最低限必要な予備率3%を上回る見通しとなり、今夏は事前の節電要請を実施しないことに。
    • 政府は、今年度の「エネルギー白書」「環境白書」を閣議決定。 「エネルギー白書」では、官民のGX投資促進策が検討段階から実行段階へ移行しつつある状況を示唆。「環境白書」では、第六次環境基本計画でも示された国民の「ウェルビーイング/高い生活の質」を、重要なテーマとして取り上げた。

    国際動向サマリー

    • G7サミットが、イタリア・プーリア州で開催、共同声明を採択。成果文書でのサステナ関連の記述は2024年4月の大臣会合の内容をほぼ踏襲。GHG削減目標はCOP28と同じく、2030年までに2019年比約▲43%、2035年までに同▲60%。対策なし石炭火力発電については、フェーズアウト時期を「2030年代前半または1.5℃の温度上昇と整合する時間軸で」という選択肢を併記しており、日本等が 現行政策を維持する余地を残した。

    2024年6月号(2024.5.1~2024.5.31)<オンライン・ライブ解説は 6月28日(金)13時00分~>

    国内
    内閣官房:2040年を目標とした、新たな構想「GX2040ビジョン」 策定へ
    国際
    EU:ESPR施行へ。環境配慮設計と製品情報の再設計は社会変革・行動変容をもたらすか

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    目次

    国内動向

    • 内閣官房:2040年を目標とした、新たな構想「GX2040ビジョン」 策定へ
    • 政府:国民のウェルビーイングを最上位の目的に。環境価値を積極的に活用
    • 金融庁:SSBJ基準適用対象に時価総額5,000億円案追加。2段階開示も
    • 日本卸電力取引所:2023年度非化石証書オークション、大きな変動なく終了

    環境経営編

    • ESGヘッドライン【国内】

    主な審議会等の開催状況

    国際動向

    • Carbon Policy Update
    • EU:環境配慮設計と製品情報の再設計は社会変革・行動変容をもたらすか

    環境経営編

    • ESGヘッドライン【国際】
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    国内動向サマリー

    • GX実行会議第11回が開催。これまでの会合では足許から今後10年のGX方針を焦点としていたが、今回新たに、より長期的な視点に立ったGX2040ビジョンを策定する方針が示された。事業環境の予見性を高め、国内投資を促進するための構想であり、①エネルギー、②GX産業立地、③GX産業構造、④GX市場創造の4つの論点に沿って議論が行われる予定。
    • 政府は、第六次環境基本計画を閣議決定。環境保全に加え、国民一人一人の「ウェルビーイング/高い生活の質」を計画の最上位の目的に設定。地球の環境収容力を超過した大量生産型社会から脱却し、自然資本を中心に据え、環境価値を活用した循環・高付加価値型の新たな経済社会システムを目指す。
    • 金融庁は、サステナビリティ開示と保証に関するWGの第2回を開催し、SSBJ基準適用対象・適用時期等を議論。2027年3月の開示義務化からの段階適用の対象者として、時価総額5,000億以上を追加する案を提示。また、開示者や保証提供者の負担軽減策として、半期報告書による開示を認める2段階開示案や、有報の提出期限延長案が示された。
    • 日本卸電力取引所は、2023年度第4回非化石価値取引市場の取引結果を公表。FIT非化石証書は今年度過去3回のオークションと同程度の約定量となり、非FIT非化石証書は前回オークションと比較して買入札量=約定量が再び減少した。2023年度の最終オークションではあったが、前年度のような駆け込み需要は発生せず。

    国際動向サマリー

    • EUでは、持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)について、4月の欧州議会に続き、理事会が最終承認。従来のエコデザイン指令がエネルギー効率重視で設計されていたのに対し、ESPRでは循環性の観点から、全ての製品を対象に持続可能性の向上を図るべく、環境配慮設計のあり方を再構築した。具体的な要件は今後設定されるが、あらゆる環境側面に配慮した製品設計となることから、事業者は実務上相反する要件を同時に満たすような対応も求められることに。

    2024年5月号(2024.4.1~2024.4.30)<オンライン・ライブ解説は 5月31日(金)13時00分~>

    国内
    環境省:循環経済の移行に向けた国家戦略案を公表
    国際
    G7:対策なし石炭火力の2035年廃止を明示するも、解釈の余地残す

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    目次

    国内動向

    • 経済産業省:GI基金、GXリーグ参加相当のGHG排出削減要件を追加
    • 環境省:循環経済の移行に向けた国家戦略案を公表
    • 経済産業省:DAC方法論案を提示。DACCS/U方法論の実装へ一歩前進
    • 環境省:GHG排出・吸収量は最低値を記録するも吸収量の減少傾向続く
    • 電力広域的運営推進機関:第1回長期脱炭素電源オークションの結果を公表

    環境経営編

    • 産業界:データ共有の仕組みの相互運用なるか。自動車分野でEUと連携
    • ESGヘッドライン【国内】

    主な審議会等の開催状況

    国際動向

    • Carbon Policy Update
    • G7:対策なし石炭火力の2035年廃止を明示するも、解釈の余地残す

    環境経営編

  • SBTi:スコープ3削減目標にクレジットの利用容認か?最終決定は今後
  • GHGプロトコル:改定・策定プロセスの進捗整理
    • ESGヘッドライン【国際】
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    国内動向サマリー

    • 経済産業省は、グリーンイノベーション基金の基本方針について、改定案を提示。基金事業の実施企業に対し、GXリーグへの参加、あるいは参加に相当するGHG排出削減取組を求める要件を追加。具体的には、国内スコープ1・2に係る目標設定や、目標未達となった場合にクレジットの調達等を要求する内容。
    • 環境省は、第五次循環型社会形成基本計画案を公表。本計画案は、環境面に加え、産業競争力、経済安保、地方創成にも資する、循環経済への国家戦略という位置付け。資源循環のための事業者間連携や循環型の新たなビジネスモデルの普及に言及しており、第四次計画と比べ、事業者が果たす役割への期待が大きいことが窺える。
    • 環境省は、2022年度のGHG排出・吸収量の確報値を公表。前年度比▲2.3%の10億8,500万トン(CO2換算)となり、2013年度以降で最低値を記録。節電や省エネ努力等により排出量は年々減少しており、2030年NDC達成(2013年度総排出量比▲46%)に向けて、順調な減少傾向を継続。
    • 経済産業省はDACワーキンググループを開催し、国内でDACを行う際のMRV方法論の案を提示。クレジット創出を行うためにはDACを含むDACCS/U方法論の確立が必要であり、そちらに向け一歩前進した形。
    • 電力広域的運営推進機関は第1回長期脱炭素電源オークションの約定結果を公表。脱炭素電源は401.0万kW、LNG専焼火力は575.6万kWが約定。脱炭素電源のうち、蓄電池は募集量の4倍以上の応札が集まったのに対し、太陽光・風力発電は応札がゼロとなった。

    国際動向サマリー

    • G7の気候・エネルギー・環境大臣会合が、イタリア・トリノで開催、共同声明を採択。対策なし石炭火力発電については、フェーズアウト時期を2030年代前半または1.5℃の温度上昇と整合する時間軸でという選択肢を併記しており、日本などが現行政策を維持する余地を残した。
    • SBTiは、ネットゼロスタンダードにおけるスコープ3削減目標の達成に、クレジットの利用を認める旨の声明を発表。しかし、最終決定ではないことを示す追加的なリリースも発表し、現行の基準には変更がないことを強調。7月にクレジットを含む環境属性証明書の利用ルールの詳細ドラフトを公表予定であり、要注目。
    • GHGプロトコルでは、中核基準(コーポレート基準、スコープ2ガイダンス、スコープ3基準/ガイダンス)の改定や、新たな土地利用セクターガイダンスの策定に関する作業を進行中。炭素会計ルールに大きな影響を及ぼし得る動向であり、本号ではそれらの進捗状況を整理。

    2024年4月号(2024.3.1~2024.3.31)<オンライン・ライブ解説は 4月26日(金)13時00分~>

    国内
    SSBJ:日本版基準案、ISSB基準の全要求事項を包含、独自の取扱いも
    国際
    米国:SEC 全登録企業に気候関連情報開示を義務化、2025年から段階適用

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    目次

    国内動向

    • 経済産業省:家庭や中小企業への間接規制に関する新制度の検討を開始
    • 金融庁:インパクト投資に関する基本的な4要素を指針として提示
    • 環境省・農水省・経産省・国交省:自然資本の保全を企業価値につなげる指針を提示

    環境経営編

    • SSBJ:日本版基準案、ISSB基準の全要求事項を包含、独自の取扱いも
    • 金融庁:SSBJ基準の義務化開始は、早くて2027年3月期か
    • 金融庁:有価証券報告書における開示 投資家からの期待事項を整理
    • 産業界:製品含有化学物質に次世代の情報流通。循環経済・DPP対応も視野
    • ESGヘッドライン【国内】

    主な審議会等の開催状況

    国際動向

    • Carbon Policy Update
    • 米国:SEC 全登録企業に気候関連情報開示を義務化、2025年から段階適用

    環境経営編

    • ESGヘッドライン【国際】
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    国内動向サマリー

    • 経済産業省は、第44回省エネルギー小委員会を開催し、エネルギー小売事業者から消費者への情報・サービス提供に関する制度の在り方について議論。既存制度の「省エネコミュニケーション・ランキング制度」の実施結果や課題を議論したほか、新たな仕組みとして「エネルギー供給事業者による消費者の省エネ等を促進する制度(案)」を提案。
    • 金融庁が「インパクト投資(インパクトファイナンス)に関する基本的指針」を公表。インパクト投資の 原則的・一般的な要素として、「意図」「貢献」「特定・測定・管理」「市場変革等の支援」の4つの基本要素を提示し、発展途上であるインパクト投資分野の普及を後押し。
    • 環境省・農林水産省・経済産業省・国土交通省はネイチャーポジティブ経済移行戦略を公表。個々の企業がネイチャーポジティブ経営に移行することで、社会全体ひいては資金の流れが変わるネイチャーポジティブ経済の実現に向けて、自然資本の保全がコストアップだけでなくビジネス機会になることを強調。企業向けにネイチャーポジティブ経営へ移行する際のポイントを整理。
    • SSBJが日本版サステナビリティ開示基準の公開草案を公表。ISSB基準の開示要求事項を原則全て取り入れた上で、一部SSBJ基準独自の取扱いを選択可とする内容。7月31日までパブリックコメントを実施し、2025年3月末までの確定基準公表を目指す。
    • 金融庁は、サステナビリティ開示と保証のあり方に関するWGを新たに設置。第1回会合では、有報でのSSBJ基準義務化の時期・適用対象について、事務局が2案提示。義務化は早くて2027年3月期の見込みだが、適用対象の範囲に関しては多様な意見が出ており、初年度の対象範囲がどの程度となるかは要注目。
    • 金融庁が昨年末に公表していた「記述情報の開示の好事例集2023」について、一部内容を更新・追加。有報作成企業が開示を充実化させるために、投資家 ・アナリスト・有識者が期待する取組を取りまとめ。開示内容に対する経営陣・取締役会・監査役会等からのコミットや、開示作成段階での各部門のトップ層・現場の関与等を期待する内容。

    国際動向サマリー

    • 米国の証券取引委員会(SEC)は以前から検討していた気候関連情報開示に関する規則を採択し、全てのSEC登録企業に対して気候関連情報開示の義務化を決定。開示内容はTCFD4要素をベースとし、企業規模に応じて段階的に開示を要求。またScope1・2については保証の取得も義務付け。ただし、公開草案に盛り込まれていたScope3の開示義務化は削除された。本規則には企業等からの反発が大きく、また採択後に提訴が相次いだこと等を踏まえ、わずか1ヵ月で本規則施行の一時停止を発表する展開に。本規則の企業への影響は引き続き見通しづらい状況。

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    みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 サステナビリティコンサルティング第2部