最新動向レポート「ES(Executive Summary)」

経営層の方向けに作成しているレポートです。氾濫する温暖化関連情報からポイントを抽出した、短時間で通読できるレポートです。
国内外の政策動向等、時節に応じたトピックを取り上げています。

2022年 3月号(2022.2.1~2022.2.28) <オンライン・ライブ解説は 3月25日(金) 13時~>

国内
経産省・環境省・農水省:再エネ発電Jクレ落札価格が更に上昇
国際
IPCC:気候変動の影響は想定以上。都市の取組や生態系保護等が重要

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目次

国内動向

  • 経済産業省:合成メタン:CO2の算定方法について4つの案を提示
  • 経済産業省:再エネ自立を促すFIP制度の対象範囲・価格を公表
  • 経済産業省:FIT非化石証書オークションの結果を公表。引き続き供給過多
  • 経産省・環境省・農水省:再エネ発電Jクレ落札価格が更に上昇
  • 経済産業省:国内制度におけるボランタリークレジットの位置づけを議論
  • 経済産業省:セメント、紙・パルプ分野のロードマップ案を提示

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • EU:原発とガスに厳しい要件設定。企業に当該事業の割合開示も要求
  • IPCC:気候変動の影響は想定以上。都市の取組や生態系保護等が重要

環境経営編

  • EU:人権・環境DDで新指令案。バリューチェーン全体での対応が必須に
  • EU:RoHS指令改正に向け政策オプション提示。他規則への統合も視野
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省はメタネーション推進官民協議会第5回を開催し、合成メタンのCO2算定方法について議論。企業レベルの排出量算定方法として、CO2を排出する側と利用する側の観点から4案提示。
  • 経済産業省は電力・ガス基本政策小委員会制度検討作業部会第62回を開催。2021年度第3回FIT非化石証書オークションの結果を公表。引き続き供給過多の状況から、約定価格はFIT非化石証書の最低価格である0.30円/kWh。全量トラッキングが実施されるまでは同様の結果が続くものと推察。
  • 経済産業省は調達価格算定委員会による「令和4年度以降の調達価格等に関する意見」を公表。2023年度以降のFIP制度の適用範囲、FIT調達価格およびFIP基準価格を提示。FIP制度は適用範囲を拡大し、より小規模な太陽光発電、また陸上・洋上(着床式)風力も対象に。
  • 経済産業省等はJ-クレジットの第12回入札販売結果を公表。再エネ発電Jクレの平均落札価格は1t-CO2あたり2,995円となった。FIT非化石証書が最低価格で落札されたことと対照的な結果。RE100へ対応できる再エネ発電Jクレの需要の高さから、落札価格は高値で推移したものと推察。
  • 経済産業省はカーボンニュートラルの実現に向けたカーボン・クレジットの適切な活用のための環境整備に関する検討会第2回を開催。ボランタリークレジットの活用等の論点に関して深堀。
  • 経済産業省は経済産業分野におけるトランジション・ファイナンス推進のためのロードマップ策定検討会第7回を開催。セメント、紙・パルプ分野のロードマップ案を提示。今回の検討会で当初予定されていた7分野のロードマップ案が出揃う。

国際動向サマリー

  • 欧州委は、1月に示した方針に基づき、EUタクソノミーに原発とガス火力を含める規則案を公表。ただし、核廃棄物やCO2排出に関する厳しい要件を満たすものに限り、グリーンではなく「移行活動」と認める内容。また企業や金融機関に対し、自身の収益などに占める原発やガス火力の割合開示を求める内容も提案。原発やガス火力をESG金融で推進するかどうかは、投資家の判断に任された形に。
  • IPCCは気候変動による、自然や人間への影響や適応等に関する報告書を公表。気候変動により、多くの生物が適応の限界に直面し、動植物も分布が変化していること等を指摘。解決策として、都市インフラに加えて、生物多様性保護にも焦点を当てた。
  • EUでは、事業活動が人権や環境に悪影響を及ぼさないよう配慮する行動(デューデリジェンス:DD)について、欧州委が新たな指令の導入を提案。対象企業は末端サプライヤに至るまでDD実施が義務付けられることから、企業側はバリューチェーン各段階で相当の負担が生じる可能性も。

2022年 2月号(2022.1.1~2022.1.31) <オンライン・ライブ解説は 2月25日(金) 13時~>

国内
環境省・経済産業省:SHK制度における算定方法等の見直しを開始
国際
EU:要件を満たす原子力とガスをEUタクソノミーに含める方針を提示

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目次

国内動向

  • 環境省・経済産業省:SHK制度における算定方法等の見直しを開始
  • 経済産業省:脱炭素電源投資に対する長期固定収入確保の仕組みを検討
  • 環境省:JCMクレジット:日本のNDC達成への活用方法を整理

環境経営編

  • CDP:回答対象を500社から東証プライム市場全1,841社に大幅拡大

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • EU:要件を満たす原子力とガスをEUタクソノミーに含める方針を提示
  • G7:2022年は気候政策強化や国際的な気候同盟の創設等を議論へ
  • MEF:COP27に向け対策強化等を議論。発電や自動車の目標設定案も

環境経営編

  • SBTi:【ES plus ONE】2022年の活動予定
  • 北欧:有害物質を最小化、プラ部品のリサイクル促進のための提言
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 環境省・経済産業省はGHG排出量算定・報告・公表制度(SHK制度)における算定方法検討会第1回を開催し、SHK制度の見直しに着手。算定対象・算定方法におけるGHGプロトコル等との対応や、ガス・熱における供給事業者別排出係数の導入の検討、需要家の証書の取扱い等、論点を提示。
  • 経済産業省は電力・ガス基本政策小委員会制度検討作業部会第61回を開催。脱炭素電源投資に対する長期固定収入確保の新たな仕組みとして「本制度措置」を検討。「本制度措置」は、kW価値を取引する点で容量市場と同じだが、対象電源を脱炭素につながる電源に限定している点が異なる。
  • 環境省は日本国JCM実施要綱・日本国でのJCM利用に関する約款改定を実施。JCMクレジットをSHK制度における調整や自主的なカーボンオフセットへ活用することで、日本のNDC達成に活用できることを明記。ただし、SHK制度とカーボンオフセットは併用できないことも示され、注意が必要。
  • CDPは気候変動質問書の回答対象をFTSEジャパン・インデックスの構成銘柄を中心とする約500社から、4月から始まる東証プライム市場全1,841社に大幅拡大。回答企業数も大きく増加し、企業のリスク・機会、目標、排出量といった情報がまとめられると、サプライヤー管理等での活用が考えられる。

国際動向サマリー

  • 1月は、EUタクソノミー検討に大きな動きがあった。欧州委が年始早々、要件を満たす原子力とガスをEUタクソノミーに含める(但しその他のタクソノミー適格事業とは区別する)方針案を提示。検討会議PSFはこれに否定的見解を示した。なお、欧州委が2月2日に公表した規則案は、同委の当初方針に沿った内容に。今後最長6ヵ月間、この規則案を欧州理事会と欧州議会で議論予定。
  • COP27に向けた議論が始まった。まずは6月のG7サミットが重要会議だが、2022年議長国のドイツは各国の気候政策強化や、CO2排出と炭素価格付けに関する共通基準合意を目指す同盟の創設等を今年の主要議題に掲げた。また、米国主導のMEFも気候エネルギー大臣会合を開催。協働策として、メタンや森林破壊に関する政策強化や、ゼロ炭素電源やZEVの割合に関する全体目標設定などの案が提示された。
  • SBTi は今年新たな活動が目白押し。SBT新認定基準の適用開始、Scope 3目標設定手法・基準見直し、FLAGセクターガイダンスは押さえておきたい活動。なお、Scope 3は詳細未定で、今後に注目。

2022年 1月号(2021.12.1~2021.12.31) <オンライン・ライブ解説は 1月28日(金) 13時~>

国内
経済産業省:名称をGXリーグとし検討継続。参画企業の目標要件提示
国際
CDP2021:国別のA評価企業数は、日本が3年連続で世界一
巻末特集
2022年 各分野の注目ポイント

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目次

国内動向

  • 経済産業省:カーボンクレジットに関する専門的な議論を開始
  • 経済産業省:名称をGXリーグとし検討継続。参画企業の目標要件提示
  • 経済産業省:脱炭素への道筋を描くクリーンエネルギー戦略の検討開始
  • 経済産業省:エネルギー3分野のトランジションロードマップ案を提示
  • 経済産業省:非化石エネ導入目標の設定等、省エネ法改正の方向性を提示

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • EU:ガス市場の制度改正や炭素循環政策の方向性等を提示

環境経営編

  • CDP:CDP2021:国別のA評価企業数は、日本が3年連続で世界一
  • EU:検査対象のオンライン販売製品の4分の3が化学物質法令に違反
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は「成長に資するカーボンプライシング」として、自主的な企業参加による排出量取引制度の策定、およびカーボンクレジット市場の創設を目指し、2つの会合で枠組の検討を進める。
    • カーボンニュートラルの実現に向けたカーボン・クレジットの適切な活用のための環境整備に関する検討会を開催。カーボンクレジットの位置づけの明確化を目的に、第1回ではクレジットの課題や論点、検討の方向性を整理。
    • 世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会の第9回を開催。これまで検討してきたトップリーグを改め「GXリーグ」と名称を変え、GXリーグ基本構想(案)を提示。企業の参加要件として排出削減目標の設定を求めているが、具体的な数値は明示されていない。
  • 経済産業省はクリーンエネルギー戦略検討合同会合第1回を開催。新たにグリーンエネルギー戦略の策定を目指す。同戦略は第6次エネルギー基本計画で示した2030年の46%削減、グリーン成長戦略で示した2050年のカーボンニュートラルを「線」としてつなぐ、実現可能なパスを描くことが目的。
  • 経済産業省はトランジション・ファイナンス推進のためのロードマップ策定検討会第5回を開催。電力分野、ガス分野、石油分野のロードマップ案を提示。火力発電の脱炭素化、合成メタン、水素、アンモニアなどのガスの脱炭素化、バイオ燃料、合成燃料などの石油の脱炭素化等の技術進展を検討。
  • 経済産業省は省エネルギー小委員会第36回を開催。省エネ法改正について議論。ポイントは3つ、①非化石エネルギーを含めたエネルギー定義の拡大、②非化石エネルギーへの転換を促す目標設定等の制度新設、③電気の需要最適化を促す電気需要最適化原単位の算定・報告制度の新設。

国際動向サマリー

  • 欧州委は、2030年及び2050年目標達成に向け、域内ガス市場、エネルギー部門のメタン、建物、運輸、炭素循環に関する制度改正案や政策案を公表。再生可能ガス・低炭素ガスの認証制度や、カーボンファーミングやDACCS/BECCSによる炭素除去量の証書制度を導入する方針。以前から政策文書で示されていた事ではあるが、これらの基準が、他国制度やESG投資家のエンゲージメントで参照される可能性もあり注意。
  • CDPは、2021年の気候変動・水・森林のAリスト企業を公表。 「気候変動」では、世界全体で回答企業数が大幅に増加する一方、A評価を受けた企業数は3割近く減少。評価基準が引き上がったことが影響したとみられる。他方、国別では、日本企業が気候変動56社・水37社・森林2社がAリストに名を連ね、3年連続で世界一を獲得。

2021年 12月号(2021.11.1~2021.11.30) <オンライン・ライブ解説は 12月24日(金) 13時~>

国内
経済産業省:FIT非化石証書:制度見直し後初のオークション結果を公表
国際
IFRS財団:ISSB設立、気候変動関連情報開示のルール統一へ前進
続報
COP26:各種イニシアチブの発足・宣言まとめ

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目次

国内動向

  • 経済産業省:FIT非化石証書:制度見直し後初のオークション結果を公表
  • 経済産業省:「トップリーグ」の議論再開、目指す姿など基本構想を検討
  • 環境省:温対法の任意報告の拡充を検討:TCFD等との整合に向けて
  • 経済産業省:今冬の電力需給も予断を許さない状況

環境経営編

  • 環境省:次期生物多様性国家戦略の検討を開始
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • IMO:2023年のGHG削減戦略改定を視野に、削減目標引き上げ等を議論
  • UNFCCC:「1.5℃」が世界目標に。市場メカニズムのルールにも合意
  • 【ES plus ONE】COP26関連動向:COP26で注目を集めた各種イニシアチブの整理

環境経営編

  • IFRS財団:ISSB設立、気候変動関連情報開示のルール統一へ前進
  • EU:ケミカルリサイクル:懸念物質の“懸念”は技術により異なると分析
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は制度検討作業部会第59回を開催。FIT非化石証書の制度見直し(最低価格、需要家による調達)後初となる非化石証書のオークション結果を公表。FIT非化石証書の約定量は見直し前の5倍以上に増加したが、売入札量の3.4%しか売れておらず、最低価格の0.3円/kWhに張り付く形に。
  • 経済産業省は世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会第8回を開催。中間整理で示した政策対応の方向性を提示。「トップリーグ」の制度設計等は研究会にて検討。また、「トップリーグ」の目指す姿などの基本構想を年末までに作成すべく案を提示。
  • 環境省は温対法改正を踏まえた温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度検討会第2回を開催。公表データの活用促進、任意報告拡充などの取組の方向性を議論。GHGプロトコルとの整合性検討による算定方法見直しや、TCFDのフレームワークと整合する任意報告様式の改善など注目の動きも。
  • 経済産業省は電力・ガス基本政策小委員会第41回を開催。今冬の電力需給は最低限必要な予備率3%を確保できているものの、過去10年間で最も厳しい見通し。昨冬を踏まえ重層的な対策をとる一方で、足元で複数の電力会社において燃料制約が発生しているなど予断を許さない状況。
  • 環境省は生物多様性国家戦略小委員会第1回を開催。我が国の次期生物多様性国家戦略として、2050年長期目標、2030年短期目標の事務局案を提示。2030年に向けた取組の柱の1つに、生態系の保全・再生の強化があり、民間企業の自然環境エリアでの取組がカギを握る。

国際動向サマリー

  • 国際海事機関(IMO)は海洋環境保護委員会第77回会合を開催。現行削減目標を大幅に前倒しする2050年実質ゼロの提案が日米英等からなされたが、合意には至らず。2023年春のGHG削減戦略改定において、現行目標よりも野心的な目標を設定することで合意。
  • COP26では、気温上昇抑止の世界目標が1.5℃つまり「2030年までにCO2排出量45%削減(2010年比)」「今世紀半ば頃に正味ゼロ」となった。今後、企業の目標や取組を検討する際の最低要件となりうる。次の焦点は、2030年に向けた各国の対策や目標の強化。引き続き政治レベルの交渉が予定され、日本も対策強化が必要となる可能性も。来年6月のG7(議長国:ドイツ)での議論に注目。また、COP26ではクレジットのルールや制度設計時期も決定。関連ビジネス拡大の契機となりうる。
  • COP26ではまた、様々な分野のイニシアチブの起ち上げや宣言発出が注目された。実現可能性は未知数でも、投資家やNGO等からの行動要請や各国政府の規制強化につながる可能性もあり、その動向は要注視。本号では、議長国英国が掲げた「石炭/自動車/金融/森林」など、注目度の高いイニシアチブの動きを整理。
  • IFRS財団は国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を設立し、気候変動開示プロトタイプを公開。財務報告の国際基準を作成するIFRS財団が非財務情報開示のグローバルスタンダードを作成することの影響は大きい。なお金融庁はISSBを踏まえ、有報における非財務情報開示を検討する方針。

2021年 11月号(2021.10.1~2021.10.31) <オンライン・ライブ解説は 11月26日(金) 13時~>

国内
経済産業省:“直接契約型オフサイトPPA”の解禁が正式に決定
国際
TCFD:ガイダンス確定、7つの気候関連指標、移行計画開示を推奨
速報
1.5℃が世界目標に。市場メカニズムのルールも合意

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目次

国内動向

  • 経済産業省:直接契約型オフサイトPPAの解禁が正式に決定
  • 経済産業省:荷主省エネ法:燃費法等の利用促進に向けて検討開始
  • 【ES plus ONE】日本の気候変動対策目標、戦略、計画とりまとめ

環境経営編

  • 金融庁:有報でのTCFD提言に沿ったサステナビリティ情報の開示を検討
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • G20:海外の新規石炭火力への支援終了に合意。国内対策には合意できず
  • COP26関連動向:主要排出国による中長期目標引き上げ状況
  • UN:生物多様性条約COP15にて、昆明宣言を採択

環境経営編

  • SBTi:SBTネットゼロ完成、総量90%削減によるネットゼロを要求
  • TCFD:ガイダンス確定、7つの気候関連指標、移行計画開示を推奨
  • フィリピン:水銀含有製品の新規則制定へ。認証には条約の基準を設定
  • ESGヘッドライン【国際】

速報

  • COP26:1.5℃が世界目標に。市場メカニズムのルールも合意
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は再エネ大量導入・次世代ネットワーク小委の第4次中間整理を公表。2020年7月以降に議論を実施した再エネ政策について個別にまとめたもの。特に、今秋より開始する発電事業者と需要家との直接契約によるオフサイトPPAは、需要家の安価な調達手法になり得る点で重要な内容。
  • 経済産業省は省エネルギー小委員会荷主判断基準ワーキング第4回を開催。荷主の省エネ取組の評価、促進に向け、事業者クラス分け制度やベンチマーク設定が検討の方向性に。また、算定方法の精緻化として、トンキロ法の原単位やみなし積載率の見直し、燃料法・燃費法の利用促進も検討。
  • 金融庁は金融審議会ディスクロージャーWG第2回、第3回を開催。有価証券報告書におけるサステナビリティ情報の開示の方向性を議論。企業が既に任意開示している内容を反映できる、「記載欄」を有報に設け、サステナビリティ全般の情報をTCFDと同様の枠組で記載する提案がなされた。

国際動向サマリー

  • G20サミット開催。「排出削減対策が講じられていない」海外の新規石炭火力への支援中止を合意。一方で、国内の石炭火力発電の廃止時期や、目標強化の具体策は合意できず。また、生物多様性分野の行動強化や、サステナブル・ファイナンス促進のロードマップ等についても言及。
  • 生物多様性事務局は第15回締約国会議(COP15)の第1部を開催。ハイレベル会合で「昆明宣言」を採択。第2部で「ポスト生物多様性枠組」を採択する決意を示す、17のコミットメントを提示。
  • SBTイニシアチブはSBTネットゼロ基準を公表。科学に基づくネットゼロ目標設定手法として、1.5℃水準の総量削減(Near-termおよびLong-term SBT)の設定と、炭素除去による残余排出量のニュートラル化へのコミットを要件に。 Long-term SBTではScope 3まで含めた総量90%削減が必須水準。
  • TCFDは「指標と目標」、「移行計画」に関するガイダンスを公表し、附属書を改訂。財務影響や低炭素経済に移行するための組織の計画の開示明確化、Scope 3等の気候関連指標の開示推奨など。

2021年 10月号(2021.9.1~2021.9.30) <オンライン・ライブ解説は 10月29日 13時~>

国内
経済産業省:FIP制度 電力市場価格高騰時のプレミアムの扱いを整理
国際
米EU主導でメタン排出削減共同声明、今後10年で3割減。日本も参加
SBTネットゼロ完成目前、最後のパブコメ実施
特別企画
真鍋淑郎氏 ノーベル物理学賞受賞に寄せて

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目次

国内動向

  • 経済産業省:FIP制度:電力市場価格高騰時のプレミアムの扱いを整理
  • 経済産業省:メタネーション推進の新たな視点 - オンサイトでのCO2循環

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • 多国間の取組:米EU主導でメタン排出削減共同声明、今後10年で3割減。日本も参加
  • UNFCCC:英首相、COP26で 「石炭/車/資金/自然」 4分野の合意目指す
  • 中国:国外での石炭火力発電の新設を終了

環境経営編

  • SBTi:SBTネットゼロ完成目前、最後のパブコメを実施
  • EU:高懸念物質の含有情報DB公開。収載する成形品情報は400万件超
  • 【ES plus ONE】米国TSCA PBT物質規則の導入経緯とPIP(3:1)の規制
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は再エネ大量導入・次世代ネットワーク小委、再エネ主力電源化制度改革小委の合同会議を開催し、FIP制度の詳細設計について議論。補助額であるプレミアムの算定方法および電力市場高騰時の対応案を整理。なお、本号ではFIP制度についてFIT制度との相違点を含め改めて解説。
  • 経済産業省はメタネーション推進官民協議会第2回を開催。事務局よりメタネーションの今後の検討の方向性、および事業者より技術開発動向を中心とした取組を報告。大型化やコストダウン等の技術課題、社会実装に向けた制度的課題、CO2算定上の課題など、幅広い検討の方向性を示す。また、新しい視点として、オンサイトを中心にCO2を循環利用する中小規模のメタネーションの話題も登場。

国際動向サマリー

  • 米国・EUがメタン排出削減のためのイニシアティブ「グローバル・メタン・プレッジ」を発表。世界のメタン排出量を2030年までに2020年比で少なくとも30%削減を目指す。メタンの排出量は、特に農業・畜産業で多く、食品サプライチェーン上流において、メタン削減政策が強化される可能性あり。なお、日本も参加表明したが、既に日本は対策が進んでおり対策強化は不要との姿勢。
  • 英国(COP26議長国)首相はCOP26で「石炭/車/資金/自然」 4分野の合意目指すと表明。過去のCOPから続く論点である、パリ協定ルールブック等に加え、これらがどこまで合意されるか、注目。特に民間資金について、企業の気候関連リスク・機会開示の改善、中央銀行や当局による移行支援、金融機関のネットゼロ宣言等が必要としており要注目。
  • 中国が国外の石炭火力発電の新設終了を宣言。既に、G7首脳会合で合意した「国外の新規石炭火力支援を今年終了」に、世界最大の石炭火力発電支援国の中国がついに乗ってきた。
  • SBTイニシアチブは「SBTネットゼロ」の公開前パブコメを実施。開発最終段階の基準案として、短期のSBTと長期のSBTという2つの総量削減目標の考えを整理。残余排出量の除去の扱いは、現段階で具体的な基準として整理されず、GHGプロトコルの新ガイダンスを踏まえて規定するものと想定される。
  • なお、10月には真鍋淑郎氏のノーベル物理学賞受賞の発表があった。これを受け本号では、真鍋氏の研究やその功績について、弊社で長年気候モデル研究に従事してきた吉川実次長に聞いた。

2021年 9月号(2021.8.1~2021.8.31) <オンライン・ライブ解説は 9月27日 13時~>

国内
経済産業省:FIT非化石証書の最低価格を見直し。0.3~0.4円/kWhに
国際
IPCC:最新科学が示す気候変動の現状。評価結果は科学的により精緻に

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目次

国内動向

  • 経済産業省:統合コストの一部を考慮した発電コストを提示
  • 経済産業省:FIT非化石証書:最低価格を0.3~0.4円/kWhに見直し
  • 経済産業省:気候変動対策を先駆的に行う企業を支援する枠組を提示
  • 国土交通省 等:2050年・2030年に目指すべき住宅・建築物の姿を公表

環境経営編

  • 経済産業省:産業分野別のトランジションロードマップ策定に着手
  • GPIF:気候変動のリスク・機会の分析を拡充した報告書を公表
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • EU:循環経済等のタクソノミー案。4つの視点で103の適格活動を選定
  • IPCC:最新科学が示す気候変動の現状。評価結果は科学的により精緻に

環境経営編

  • UN:化学物質と廃棄物の健全な管理を目指す新枠組の議論が漸進
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は基本政策分科会第48回を開催。エネルギー基本計画の第2版が公表されるも顕著な変更点なし。また、統合コストを考慮した発電コスト試算が示され、太陽光などのコストが大きく上昇。
  • 経済産業省は制度検討作業部会第56回を開催。需要家向けのFIT非化石証書の取引市場の制度設計を議論。現在1.3円/kWhの最低価格が0.3~0.4円/kWhに見直され、他の再エネ電力証書と比べ価格面で大幅に優位に。また、非FIT非化石証書については今年度第1回入札が行われ、価格見直し後の最低価格となる0.6円/kWhで約定。
  • 経済産業省は世界全体でのカーボンニュートラル(CN)実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会の中間整理を公表。カーボン・クレジット市場創設、CNトップリーグ立ち上げ、CFPの基盤整備、クレジットの位置づけの明確化などの方向性が示されており、今後の議題として検討される。
  • 国土交通省などは「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」のとりまとめを公表。 2030年・2050年に目指すべき住宅・建築物の姿として定量的な目標を提示。
  • GPIFは2020年度ESG活動報告を刊行。ESG指数のパフォーマンスは、直近4年間で市場平均を概ね上回ったことを報告。また、国内株式ポートフォリオの物理的リスクや移行リスクを業種別に整理。業種別にはさらに、2030~2050年に想定される、気候変動によるリスク・機会の移転状況を新たに報告。
  • 経済産業省は経済産業分野におけるトランジション・ファイナンス推進のためのロードマップ策定検討会を開催。第1回はロードマップの策定方法や科学的根拠を整理、第2回は鉄鋼分野のロードマップ案を議論。今後も、化学、セメント、電力、ガス、石油等の分野別ロードマップを順次策定。

国際動向サマリー

  • EUでは、サステナブル金融の適格活動の基準(タクソノミー)のうち、気候変動以外の4つの環境分野(水、循環経済、汚染、生物多様性)の基準ドラフトが公表された。4つの視点(①a 環境負荷と改善余地が大きい、①b 環境負荷が少ない、②環境の状態を直接改善・修復、③支える活動)から、103の適格活動を選定。今後、11月に最終案公表。2022年上期に欧州委承認、2023年1月施行予定。
  • IPCCは第6次評価報告書(AR6)の第1作業部会報告書を公表。気候感度が狭まるなど、科学的により精緻になっており、前回のAR5から気候変動が進んでいる状況を、最新の科学的知見から明示。 ただし、脱炭素化に向けたメッセージは変わらず、パリ協定の目標等に影響を及ぼすものではないと考えられる。

2021年 8月号(2021.7.1~2021.7.31) <オンライン・ライブ解説は 8月27日 13時~>

国内
経済産業省:次期エネルギー基本計画の素案を提示
国際
EU:GHG削減に向け包括的政策案を公表。規制の追加・強化等を提案

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目次

国内動向

  • 経済産業省:次期エネルギー基本計画の素案を提示
  • 環境省・経済産業省:地球温暖化対策計画案を公表
  • 経済産業省:各省の再エネ施策を踏まえ、2030年導入見込量を整理
  • 経済産業省:成長に資するCPを企業の自主的対策を後押しする方向で整理
  • 経済産業省:省エネ法BM、今年度より対象業種拡大の検討を開始

環境経営編

  • 金融庁:日本版ガイドラインを公表し、ソーシャルボンド発行を促す
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • G20:2022年3月に向け、海洋プラの新国際合意設立等の議論に関与
  • G20:石炭火力廃止時期等を合意できず。10月の首脳会議で議論へ
  • EU:新サステナ金融戦略等を公表。EUタクソノミー拡張など
  • EU:GHG削減に向け包括的政策案を公表。規制の追加・強化等を提案
  • UN:生物多様性の2030年目標を提示

環境経営編

  • SBTi:SBT新戦略が公開、来年7月より目標水準を引き上げ
  • 【ES plus ONE】金融系ネットゼロイニシアチブの最新動向
  • 中東:湾岸諸国でもRoHS規則導入の波。サウジRoHSも7月に施行
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は基本政策分科会第46回にて第6次エネルギー基本計画の素案を提示。脱炭素化が産業競争力強化につながることを明確に打ち出す。2030年の電源構成は省エネ徹底と太陽光の大幅積増しで再エネ比率約36~38%に。原子力は据置かれ、非化石比率59%の案が提示されている。
  • 環境省および経済産業省は地球温暖化対策計画の素案を公表。各部門の2030年度の排出量目安や部門別対策・施策の全体像を提示。産業部門は現行NDCの7%削減から37%削減、家庭部門は39%削減から66%削減と非常に高い削減水準に見直された。
  • 経済産業省は再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会第34回を開催。各省の再エネ導入促進策を踏まえ、太陽光を中心に2030年の追加的な再エネ導入量を整理。
  • 経済産業省は世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会第6回を開催。これまでの成長に資するCPの議論を踏まえ、政策対応の検討の方向性を提示。企業の自主的な気候変動対策を後押する枠組の一例として「CNトップリーグ」を打ち出す。
  • 経済産業省は省エネルギー小委員会工場等判断基準ワーキンググループの今年度第1回を開催。徹底した省エネが求められる中、省エネ法ベンチマーク制度の目標・指標の見直しや対象業種拡大に向け検討開始。
  • 金融庁はソーシャルボンドガイドライン(案)を公表。ICMAソーシャルボンド原則に整合した実務的なガイドライン。環境省グリーンボンドガイドラインとの一貫性、付属書の事例集などから参考にできる。

国際動向サマリー

  • 先月のG7首脳会合に続き、今月はG20の環境大臣会合や気候エネ大臣会合が行われた。環境大臣会合では、多様なテーマが議論され、海洋プラの新国際合意を目指すこと等が合意された。気候エネ大臣会合では、石炭火力や化石燃料補助金の終了について合意できず、10月のG20首脳会合で引き続き議論することとなった。
  • EUは、サステナ金融の推進に向け、今後の政策方向性を示す新戦略を公表。今後、EUタクソノミー拡張や金融機関の取組強化、国際基準創設等が検討される。EUタクソノミーの、「環境に顕著な害あり」の基準や、水、生物多様性、汚染、循環経済に関する基準が公表予定であり、要注意。
  • EUは「2030年55%削減」目標達成に向けた政策パッケージを公表。排出量取引制度(EU-ETS)の強化や炭素国境調整措置(CBAM)の創設、部門別の再エネ利用目標値や国別の省エネ効率目標の設定、2035年以降の内燃エンジン車の販売禁止などが盛り込まれた。なお、今回示された制度案では、CBAMの対象は素材(セメントや鉄鋼など)と電力であり、日本産業への影響は限定的か。
  • 生物多様性条約事務局は「ポスト2020生物多様性枠組」の第一次草案を公表。「自然と共生する世界」を2050年ビジョンに提げ、「2030年までに生物多様性を回復の軌道に乗せること」をミッションとするもの。ビジョンを具体化した4つの2050年目標、 21の具体的な2030年行動ターゲットも設定。
  • SBTイニシアチブは目標水準の引き上げを内容とする新戦略を公開。Scope1・2はこれまでのwell-below 2℃水準(年2.5%削減)から1.5℃水準(年4.2%削減)に引き上げ。同様にScope3も1段階上の水準に。年4.2%削減は日本の30年目標の年率削減水準よりも厳しく、かなり野心的な目標。

2021年 7月号(2021.6.1~2021.6.30) <オンライン・ライブ解説は 7月30日 13時~>

国内
引き続き再エネ発電Jクレ落札価格が上昇
国際
G7:海外の新規石炭火力支援を今年終了。自然の30%保全目標にも合意

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目次

国内動向

  • 内閣府:脱炭素を経済成長の主軸とする方向性を提示
  • 経済産業省:2050年に向けた複数のシナリオ分析結果を提示
  • 環境省:炭素税1万円でも経済成長を阻害せず 有識者モデル分析
  • 経済産業省・環境省・農林水産省:引き続き再エネ発電Jクレ落札価格が上昇
  • 経済産業省:合成メタンの普及拡大に向けて官民一体で検討開始
  • 経済産業省:最新版白書にみる環境・エネルギー政策の方向性

環境経営編

  • 経済産業省:非財務情報開示の指針について、あるべき姿の検討を開始
  • 経済産業省:経営や対話におけるパーパスやビジョン等の役割を議論
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • G7:海外の新規石炭火力支援を今年終了。自然の30%保全目標にも合意

環境経営編

  • TCFD:ガイダンス改訂で指標と目標の詳細化や移行計画の透明性向上へ
  • TNFD:TCFDの自然版、2023年の公表を目指す
  • ISO:バリューチェーン全体における製品循環性情報の標準化を検討
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済財政運営と改革の基本方針2021(通称骨太方針2021)では、今後の成長を生み出す原動力の一つに「グリーン」を位置づけ。脱炭素を経済成長の主軸にしようとする政府の強い意向が窺える。
  • 経済産業省は基本政策分科会第44回を開催。6つの研究機関等による2050年に向けたシナリオ分析の結果を提示。多様な結果から、エネルギー選択に伴うリスク・コストの論点の複雑さが浮彫りに。
  • 環境省はカーボンプライシングの活用に関する小委員会第16回を開催。中間整理案、および有識者による炭素税導入のモデル分析を紹介。高い炭素税でも経済成長を阻害せず削減可能とする結果。
  • 第11回J-クレジット入札販売結果が公表。再エネ発電Jクレの平均落札価格は、大きく上昇した前回からさらに上昇。FIT非化石証書の最低落札価格にせまる1.17円/kWhに。再エネ調達需要に対してクレジット供給量が追いついていないことが顕著に表れた形。
  • 経済産業省はメタネーション推進官民協議会第1回を開催。グリーン成長戦略で掲げた目標達成に向け官民一体で合成メタンの普及拡大を目指す。特に、合成メタンのCO2算定方法は重要な論点。
  • 経済産業省は非財務情報の開示指針研究会第1回を開催。質の高い非財務情報開示を実現する指針のあるべき方向性を検討。指針次第では企業への影響も大きく、示される方向性に注目したい。
  • 経済産業省はサステナブルな企業価値創造のための長期経営・長期投資に資する対話研究会第2回を開催。価値創造ストーリーの構成要素である存在意義(パーパス)、重要課題、長期ビジョン等の役割が示され、各階層の関係性が整理された。

国際動向サマリー

  • COP26に向け、6月のG7首脳会合でも気候変動問題を議論。海外の石炭火力や化石エネルギーへの支援について、5月の気候・環境大臣会合の内容を強化。「排出削減対策が講じられていない」石炭火力への支援は年内終了、化石エネルギーへの支援も限られた例外を除き早期終了へ。また、10月に中国で開催予定の生物多様性COP15に向け、G7として自国の土地と沿岸・海域の30%を保全・保護するとコミットした点も注目。
  • TCFDは、今秋予定のガイダンス改訂に向けて改訂案を公表、パブコメ募集を開始。指標と目標の 開示項目が明確になり開示しやすくなる一方、これまで開示が進んでいない複数の項目が最低要件に含まれており、企業側の負担増につながるとの見方も。
  • TCFDの自然資本版「自然関連財務情報開示タスクフォース」(TNFD)が発足。TNFDは、自然が企業にもたらす財務的影響だけでなく、企業が自然に与える影響の開示をも求める“ダブル・マテリアリティ”思考。今後、TNFDを中心に生物多様性・自然資本の基準作りが進展することが予想される。

2021年 6月号(2021.5.1~2021.5.31) <オンライン・ライブ解説は 6月25日 13時~>

国内
経済産業省:シナリオ分析中間報告を実施、2050年電力コスト高騰は必至か
国際
米国:気候関連の情報開示促進を通じて、脱炭素政策を強化

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目次

国内動向

  • 経済産業省:シナリオ分析中間報告を実施、2050年電力コスト高騰は必至か
  • 経済産業省:省エネ法におけるエネルギーの定義見直しに向けた検討開始
  • 経済産業省:非FIT非化石証書に最低価格導入、最高価格も見直し
  • 経済産業省:クレジット・証書取引活性化の方向性と取組を提示

環境経営編

  • 経済産業省:企業と投資家の具体的な対話の課題・在り方の検討を開始
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • G7:石炭火力:国内対策は廃止年の記載なく、国際投資終了も例外付きに
  • 米国:気候関連の情報開示促進を通じて、脱炭素政策を強化
  • ドイツ:2030年▲65%・2045年CNに目標強化。線形の削減経路も設定
  • EU:「持続可能なブルーエコノミー」に向け海洋関連産業の取組強化
  • EU:「健康な地球」実現のため、廃棄物削減等の目標を設定

環境経営編

  • UN:4条約事務局が生物多様性損失と化学物質・廃棄物との関連を分析
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は基本政策分科会第43回を開催。2050年カーボンニュートラルを前提とした電源構成と電力コストのシナリオ分析を実施。ベースケースである参考値シナリオでも電力コストが2倍程度に増加する結果に。カーボンニュートラルに向けた電力の課題が浮き彫りになった。
  • 経済産業省は省エネルギー小委員会第34回を開催。省エネ法におけるエネルギーの定義を見直し、非化石エネルギーを含む全てのエネルギーの使用合理化を目指す。全体の省エネを進めつつ、非化石エネルギーの拡大を目指す法改正の方向性が示された。
  • 経済産業省は制度検討作業部会第51回を開催。非FIT非化石証書を取引する高度化法義務達成市場において、最低価格導入・最高価格設定の案が示される。小売電気事業者から見ると、高度化法達成のための再エネ電力調達における最低価格として制限される形に。
  • 経済産業省は世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会第5回を開催。クレジット・証書取引活性化の3つの方向性を提示。炭素税・排出量取引等の規制的政策ではなく、現時点で実行可能なクレジット・証書取引活性化策を進めていく考えが窺える。
  • 経済産業省はサステナブルな企業価値創造のための長期経営・長期投資に資する対話研究会第1回を開催。昨年提唱したサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)を実務に定着させるべく、企業と投資家の対話における論点について検討し、価値協創ガイダンスの改訂を目指す。

国際動向サマリー

  • COP25に向けたG7での議論が本格化。今月は気候・環境大臣会合が開催され、 CCSなし石炭火力について、新規の国際投資終了を決定。但し例外規定も含まれた。また国内の石炭火力については廃止年等は盛り込まれず。いずれも大幅な対策強化にはならなかった。
  • 米国バイデン大統領は、金融機関の気候リスクの開示強化や、公共調達における低GHG排出事業者の優遇等を含む政策の検討を指示。今後、金融機関及び企業によるTCFD開示の実質義務化などに波及する可能性あり。米国のESG金融政策がいよいよ加速する。
  • ドイツは、2030年目標を▲55%から▲65%に強化し、カーボンニュートラル達成年も2050年から2045年に前倒し。更に、2031~40年の毎年の目標値も設定。2030年目標とカーボンニュートラルとの間の削減経路について、ほぼ線形でつなぐ目標値(毎年2~3%削減)を設定。
  • EUでは欧州委員会が、海洋関連産業の環境・気候対策強化に向け、新コンセプト「持続可能なブルーエコノミー」を打ち出し、今後数年の取組を示した。EUは他国にも取組を求める方針であり、海洋(海運・漁業・エネルギー産業)や沿岸(湾港・造船所・養殖・観光等)の様々な業種について、国内外の政策強化やESG投資家の関心高まりが予想される。
  • また欧州委は、「水、大気、土壌のためのゼロ汚染計画」を採択。大気汚染や海洋中のプラごみ、化学農薬使用等に関する2030年目標を設定。昨年10月公表の化学物質戦略と併せて、有害物質を含まない環境を目指す。

2021年 5月号(2021.4.1~2021.4.30) <オンライン・ライブ解説は 5月28日 13時~>

国内
首相官邸:2030年GHG削減目標引き上げ。2013年比▲26%を▲46%へ
国際
米国主催の気候サミット開催。米日加が目標強化。各国目標は50%前後の水準に。英国は78%

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目次

国内動向

  • 首相官邸:2030年GHG削減目標引き上げ。13年比▲26%を▲ 46%へ
  • 経済産業省:次期エネ基の骨格案を提示、各節標題には需要側の取組も
  • 経済産業省:2030年の再エネ電源別導入量を整理
  • 経済産業省:FIT非化石証書を将来的に「電源証明型」とすることを検討
  • 経済産業省:「成長に資するCP」の具体的な検討事項を提示
  • 環境省:排出量取引制度の制度イメージを提示

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • EU:「サステナブル事業」の基準確定。来年より適用開始
  • 米国:米日加が目標強化。各国目標は50%前後の水準に。英国は78%

環境経営編

  • 金融系ネットゼロイニシアチブの最新動向
  • 自動車分野における製品含有化学物質管理の最新動向
  • ESGヘッドライン【国際】
続きを読む

国内動向サマリー

  • 日本政府は気候サミットに合わせ2030年のGHG削減目標を13年度比26%から46%に引き上げ。これを踏まえ電力排出係数の目標がどこまで強化されるかが今後の注目点。なお、政府目標に企業目標を整合させるかどうか検討する上では、SBTの要求する削減水準にも注意したい。
  • 2030年のエネルギーミックスの見直しに関連して、経済産業省において検討が進行中。
    • 基本政策分科会第41回、42回を開催。次期エネルギー基本計画について議論し、骨格案を提示。骨格案では需要側の視点も盛り込まれ、今後示される需要家向けの活用促進策が注目される。30年目標引上げを踏まえた検討は今後実施。
    • 再エネ大量導入・次世代ネットワーク小委第31回を開催。2030年の再エネ電源別導入量を整理。現状の導入ペースでも現行の電源構成目標よりも高い導入が見込まれる。政策強化による導入量の積み増しは今後の検討課題。
  • 経済産業省は制度検討作業部会第50回を開催。非化石価値取引市場の見直しについて議論。再エネ価値取引市場では、「電源証明型」の証書を幅広い需要家が購入できるようにする方向で検討。
  • 4月も経済産業省、環境省においてカーボンプライシングの検討が進展。
    • 経済産業省は世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会第4回を開催。成長に資するカーボンプライシングとして、クレジット取引の活性化策を重点的に検討すべきと評価。その具体的な検討事項を提示。
    • 環境省はカーボンプライシングの活用に関する小委員会第14回を開催。排出量取引制度について、具体的なイメージを提示。割当総量は削減目標に合わせ段階的に減少させつつ、無償割当中心から有償割当の拡大を明示することで予見性を高めることを意図。有償割当は脱炭素イノベーションの後押しという活用イメージも併せて提示。

国際動向サマリー

  • 欧州では、サステナブル金融における気候変動緩和・適応分野の基準(タクソノミー) が確定。いよいよ来年から実施フェーズに入る。欧州系金融機関の投資先である日本企業にも間接的に影響。なお天然ガス等の基準は合意できず、年内に別途公表予定。
  • バイデン大統領主催の気候サミットが開催され、各国が対策強化等を表明。米国、日本、カナダ、英国が目標引き上げを表明。これにより、各国目標は米国は50~52%、EUは55%、日本は46%、カナダは40~45%、英国は78%と、英国以外は概ね50%前後の水準に。一方で、中国やインドは目標引き上げは表明せず。今後の交渉上の争点は中国・インドなど他のG20の目標強化か。

2021年 4月号(2021.3.1~2021.3.31)

国内
需要家における再エネ電力調達環境に大変革の可能性
国際
米国:バイデン政権の気候変動対策、国内対策・外交両面で始動

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目次

国内動向

  • 経済産業省:発電事業者と需要家の直接契約を可能とすることを検討
  • 経済産業省:需要家によるFIT非化石証書の直接購入可能化を検討
  • 経済産業省:“国境炭素税”への対応方針とクレジット取引の政策案を提示
  • 環境省:炭素税の課税水準の引き上げ案を提示
  • 経済産業省:脱炭素化に資するガス事業の役割を整理
  • 経済産業省:石炭火力フェードアウト:石炭火力発電効率目標「43%」に

環境経営編

  • 経済産業省 等:日本版トランジションファイナンスの指針案を公表
  • 金融庁:コーポレートガバナンス・コード改訂案、TCFD開示を要求
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • 米国:バイデン政権の気候変動対策、国内対策・外交両面で始動
  • 中国:新たな五ヵ年計画始動。CO2・エネ削減には原単位目標を維持

環境経営編

  • ISO/IEC:全製品を対象とする含有化学物質情報伝達の国際標準策定へ
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 需要家の再エネ電力調達環境に大きな変革をもたらす2つの改定について議論。
    • 経済産業省は電力・ガス基本政策小委員会第31回を開催。「オフサイト型PPA」について、自己託送制度の範囲を拡大し自社グループ外とのPPAを可能にする案を提示。制度設計次第で、「オフサイト型PPA」は量を確保しつつ安価に再エネ電力を調達できる手法となる可能性。
    • 経済産業省は電力・ガス基本政策小委員会制度検討作業部会第48回を開催。非化石価値取引市場について、FIT非化石証書、非FIT非化石証書それぞれの見直しの方向性を議論。需要家目線で重要な見直しはFIT非化石証書の直接購入化。膨大な供給量の再エネ証書へのアクセスが可能に。価格引き下げの方向性も示される。
  • 3月も経産省・環境省ともにカーボンプライシングの議論が進展。両省で異なるアプローチ。
    • 経済産業省は世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会の第2回、第3回を開催。第2回は炭素国境調整の日本の対応方針を提示。第3回は価格シグナルの観点でクレジット取引を議論。マーケットの育成と成長を目指し、自主的な削減目標を達成するためのクレジット取引市場形成を提案。
    • 環境省はカーボンプライシングの活用に関する小委員会第13回を開催。炭素税とクレジット取引を議論。炭素税について具体的な課税水準の明示はないが、低い課税水準で導入し、段階的に引き上げるイメージを提示。
  • 経済産業省は2050年に向けたガス事業の在り方研究会第7回を開催し、中間とりまとめ案を公表。脱炭素化に資するガスの役割を整理。天然ガス+CCUS/カーボンニュートラルLNG、合成メタン、水素直接利用・アンモニアという今世紀後半までのガス体の変遷のイメージを提示。
  • 経済産業省は石炭火力検討ワーキンググループ第7回を開催。石炭火力発電効率の目標基準を43%に設定。現状、石炭火力発電の大半は未達で、バイオマス/水素/アンモニアの混焼が必要。
  • 経済産業省はトランジション・ファイナンス環境整備検討会第2回を開催。トランジション・ファイナンスの基本指針ドラフトを公表。ポイントは「科学的根拠のあるクライメート・トランジション戦略の開示」。科学的根拠のある外部シナリオとして今後策定する業種別ロードマップの活用を想定。
  • 金融庁はコーポレートガバナンス・コード改訂案を公表。東証の新市場区分を踏まえた修正。プライム市場では気候変動のリスク・機会をTCFD等の枠組に基づき開示。有報でのTCFD対応義務化ではないが、国内のTCFDの位置付けは自主的対応から当然取り組むべきものへ変わりつつある。

国際動向サマリー

  • 米国バイデン政権の気候変動対策が動き出した。成長戦略第一弾「米国雇用計画」は公共事業による雇用創出を狙うものだが、気候変動関連からはEV推進、送電システム増強等が盛り込まれた。また、外交面では4月22~23日の気候サミットに向けて、ケリー特使が英国、EU、フランスを訪問し各首脳との会談を行った。他国の目標強化への働きかけ等について連携強化が予想される。
  • 中国は全人代において第14次五ヵ年計画(2021~2026年)を正式承認。エネルギー消費量とCO2排出量について、総量目標への変更は行われず、引き続き原単位目標が設定された。

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