最新動向レポート「ES(Executive Summary)」
経営層の方向けに作成しているレポートです。氾濫する温暖化関連情報からポイントを抽出した、短時間で通読できるレポートです。
国内外の政策動向等、時節に応じたトピックを取り上げています。
2020年 3月号(2020.2.1〜2020.2.29)
- 国内
- 政府:「FIP制度」創設へ、閣議決定
- 経済産業省:トランジション・ファイナンス等のあり方検討始まる
- 国際
- COP26に向け気候ファイナンス促進の枠組が発足
- 速報
- EU:「サステナブル事業」基準 最終案公表
目次
国内動向
- 政府:「FIP制度」創設へ、閣議決定
- 経済産業省:2020年度調達価格等、FIT抜本見直しの議論を反映
- 経済産業省:ベンチマーク制度の見直し等、中間とりまとめ案を発表
- 経産省・環境省・農水省:再エネ発電J−クレへの需要高まる
環境経営編
- 経済産業省:トランジション・ファイナンス等のあり方検討始まる
- ESGヘッドライン【国内】
主な審議会等の開催状況
国際動向
- Carbon Policy Update
- UNFCCC:COP26に向け気候ファイナンス促進の枠組が発足
環境経営編
- バングラデシュ:電子廃棄物管理規制で特定有害物質の使用制限へ
- ESGヘッドライン【国際】
速報
- EU:「サステナブル事業」基準最終案公表。パブコメ経ても野心的水準
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国内動向サマリー
- 政府は、「FIP制度」創設を含む電気事業者法等の一部改正法案を閣議決定。FIT制度の抜本見直しの一環として、昨年8月に始まったFIP制度の検討であるが、「創設」が既定路線となり、一定の区切りを迎えた。ただし、制度の“旨み”を左右する「プレミアム」付与の詳細設計はこれから。
- 経済産業省・環境省・農林水産省は、第8回Jークレジット入札販売結果を公表。再エネJークレの応札倍率が3倍となり、初めて省エネJークレを上回った。販売価格についても、再エネJークレは省エネJークレを上回る状況が固定化。再エネ調達ブームの影響が現れる結果となった。
- 経済産業省は、環境イノベーションに向けたファイナンスのあり方研究会を開催。我が国としての「トランジション・ファイナンス」等のあり方検討が始まった。
国際動向サマリー
- 2月は、国連事務総長特使であるマーク・カーニー氏がCOP26に向けた民間資金促進戦略「COP26民間資金アジェンダ」を発表。全ての専門的な金融意思決定において気候変動が勘案される事を目指し、企業や金融機関のネットゼロ排出への移行準備状況を評価する枠組などを提案。こうした枠組作りが進むと、企業は客観性のある移行計画が求められることに。
- 3月に入り、EUでは技術専門家委員会がサステナブル金融における適格事業の定義・基準(タクソノミー)の最終案を公表。緩和の基準は昨年6月の案から概ね変更なく、2050年ネットゼロ排出を前提とする野心的水準。適応の基準は昨年6月案では9事業分しか作成されていなかったが、今回68事業の案を公開。緩和・適応ともに年末までに欧州委員会にて最終化予定。なお、同報告書はブラウンタクソノミーや他国のタクソノミーの在り方についても言及。
2020年 2月号(2020.1.1〜2020.1.31)
- 国内
- CDP:「CDP2019」日本勢が躍進、Aリスト入り企業が急増
- 国際
- EU:欧州グリーンディール投資計画を公表
- 中国:2025年を最終目標年とした使い捨てプラスチック削減計画を発表
目次
国内動向
- 経済産業省:非FIT非化石証書の環境表示価値、事務局案を提示
- 経済産業省:事業用太陽光の落札価格がさらに低下
- 経済産業省:産業ベンチマーク制度、ベンチマーク目標の達成年度等について議論
環境経営編
- CDP:CDP2019 日本勢が躍進、Aリスト入り企業が急増
「CDP気候変動2019」 Aリスト日本企業の回答分析 - ESGヘッドライン【国内】
主な審議会等の開催状況
国際動向
- Carbon Policy Update
- EU:脱炭素・循環経済への移行に伴う補償策や投資促進策を公表
- ドイツ:2038年石炭火力全廃に向け政府が法案承認。褐炭も対象に
- 中国:2025年を最終目標年とした使い捨てプラスチック削減計画を発表
環境経営編
- EU:RoHS指令不適合に関するRAPEX通報が前年の9倍に
- ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー
- CDPは、2019年の「気候変動」「水」「森林」の結果を発表。日本企業が躍進し、「気候変動」「水」においてA評価を獲得した企業数は日本が世界トップに。「気候変動」においてB評価以上の企業は68%に上り、B未満の企業は劣位性が際立つ状況となった。本誌は「気候変動」でAリスト入りした日本企業38社について、SBTやRE100、社内カーボンプライシング、シナリオ分析の対応状況を整理。
- 経済産業省は、電力・ガス基本政策小委員会制度検討作業部会を開催。非FIT非化石証書の環境表示価値の訴求方法について事務局案が示され、「再エネ」・「ゼロエミ」と「実質再エネ」・「実質ゼロエミ」の差異等が整理された。
国際動向サマリー
- EUでは欧州委員会が、脱炭素と循環型経済への移行による成長戦略「グリーンディール」の実現に向け、「欧州グリーンディール投資計画(EGDIP)」を公表。移行による悪影響への支援「公正な移行メカニズム」と、移行を実現する為の官民の投資促進策が位置づけられ、今後は毎年進捗管理が行われることとなった。
- ドイツでは、2038年脱石炭法案を政府として正式決定。昨年2月にメルケル首相が宣言した石炭火力発電の全廃方針に対しては、一部の州が地域経済・雇用への悪影響を強く懸念していたが、今回、州政府と連邦政府とが補償・支援策に合意。これを受けて立法手続きが開始した。2020年前半に成立の見込み。
- 中国政府は使い捨てプラスチック製品の削減計画を発表。対象製品ごとに2020年、2022年、2025年と段階的に規制を進め、中国全土におけるプラスチック汚染の低減を図る。今後、本計画が日本企業にどのような影響を与えるか注目される。
2020年 1月号(2019.12.1〜2019.12.31)
- 国内
- 経済産業省:高度化法中間評価 目標値案を提示
- 国際
- EU:タクソノミーの創設と概要に合意。2020年に緩和分野の基準策定
- 特集
- 「グリーン・ニューディール」と2020年米国大統領選
目次
国内動向
- 経済産業省:高度化法中間評価 目標値案を提示
- 東京都:都市として2050年CO2排出実質ゼロを目指す戦略を策定
- 経済産業省:産業ベンチマーク制度見直し(2業種)の進捗について報告
環境経営編
- 経済産業省:企業と投資家の対話の実質化に関する好事例を紹介
主な審議会等の開催状況
国際動向
- Carbon Policy Update
- EU:タクソノミーの創設と概要に合意。2020年に緩和分野の基準策定
- UNFCCC:COP25 パリ協定市場メカニズムの実施指針、決定先送り
環境経営編
- 中国:中国RoHS 「ステップ2」含有制限への適合宣言が8,000件近くに
- ESGヘッドライン【国際】
特集
- 米国「グリーン・ニューディール」と2020年米国大統領選
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国内動向サマリー
- 経済産業省は、電力・ガス基本政策小委員会・制度検討作業部会を開催し、高度化法中間評価の目標値案を提示。今回の目標値案達成による小売電気事業者の調達コスト増は1%程度となる見込み(弊社試算)。これをコストとして飲み込むか、小売価格に転嫁するか、各社の対応が注目される。
- 東京都は、都市として2050年のCO2排出実質ゼロを目指す「ゼロエミッション東京」の実現を宣言。再エネ由来CO2フリー水素の普及拡大や、家庭を含む建物全てのゼロエミ化等を含む、野心的な内容。全国で51の自治体が同様の宣言を実施。都の戦略がこれら自治体の政策に波及する可能性も。
- 経済産業省は、省エネルギー小委員会・工場等判断基準WGを開催。高炉による製鉄業、セメント製造業を対象としたベンチマーク制度見直しについて議論。ベンチマーク指標の見直しは、高炉による製鉄業は「あり」、セメント製造業は「なし」となった。目標値の見直しについては今後検討される予定。
- 経済産業省は、サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会を開催。社長の時間の20%以上をIR活動にあてる、投資家指摘に基づいて新たな経営分析指標を導入する等、対話の好事例が紹介された。
国際動向サマリー
- 今月は、EUが「サステナブル事業」の基準(タクソノミー)の創設と概要を決定。対象分野は気候変動緩和、適応、水・海洋資源、循環経済、汚染防止、生態系の6分野。〔a〕再エネのような既に脱炭素な事業に加えて、〔b〕化石燃料消費の大幅削減などの1.5℃目標への移行事業(Transition)や、〔c〕これらを支える貢献事業(Enabling Activities)も適格とされた。2020年12月までに気候変動緩和・適応分野の具体的基準を決定予定。
- COP25では、パリ協定の実施指針のうち前回COPで未合意の6条(市場メカニズム)等について議論したが、合意には至らず。2020年11月のCOP26へ持ち越しに。
2019年 12月号(2019.11.1〜2019.11.30)
- 国内
- 経済産業省:バイオマス燃料の持続可能性について 中間整理を公表
- 国際
- EU:欧州委新体制、12月1日に始動
- UNEP:1.5℃目標達成には年7.6%削減が必要
- 速報
- EU:「欧州グリーンディール」の概要
目次
国内動向
- 経済産業省:バイオマス燃料の持続可能性について中間整理を公表
- 経済産業省:非化石燃料の一次エネルギー国内供給に占める割合が拡大
環境経営編
- 経済産業省:企業と投資家の対話の「実質化」に向けた検討を開始
主な審議会等の開催状況
国際動向
- Carbon Policy Update
- EU:欧州委新体制、12月1日に始動。気候変動対応を最重要施策に
- メキシコ:試行ETSの制度設計完了。2020年1月始動へ
- UNEP:1.5℃目標達成には年7.6%の削減が必要と分析
環境経営編
- EU:高懸念物質含有の成形品、情報伝達が不十分な状況が明らかに
- ESGヘッドライン【国際】
速報
- EU:「欧州グリーンディール」の概要
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国内動向サマリー
- 経済産業省は、バイオマス持続可能性ワーキンググループを開催し中間整理を公表。FIT制度で求める持続可能性の個別認証として、RSPO認証に加えRSB認証を追加すべきと提言。今回の中間整理はバイオマス発電を対象としたものだが、今後発電以外のバイオマス利用の議論に結びつく可能性も。
- 経済産業省は、2018年度エネルギー需給実績(速報値)を公表。最終エネルギー消費は前年度比2.9%減少し、エネルギー起源CO2排出量は前年度比4.5%の減少。最終エネルギー消費の減少率よりもエネルギー起源CO2排出量の減少率の方が大きいことから、非化石燃料への転換が進んだことが窺える。
- 経済産業省は、サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会第1回会合を開催。「伊藤レポート」を公表して以来、企業と投資家の対話やコーポレートガバナンス改革を推進してきた同省。今般設立された検討会では、企業と投資家のより一層の「対話」の「実質化」を図り、対話を通じて価値を協創していくに当たっての課題や対応策を検討する。
国際動向サマリー
- EUでは、欧州委員会の2019〜2024年の新委員が理事会より正式指名され、12月1日に新体制が発足。気候変動対策を重視する姿勢を示しており、その全体像を示す「欧州グリーンディール」を発表。気候変動と循環経済等を軸とした成長の実現に向けて、2050年ネットゼロ目標の法制化や2030年目標の引き上げ、EU産業戦略や循環経済行動計画等、今後検討する法規制や戦略等がロードマップとして示された。
- メキシコでは、2020年1月に開始予定の試行ETSについて、制度設計が完了。中南米で初のETS導入国に。当初3年間は罰則なしだが、エネルギー部門や産業部門が幅広く対象となる。
- 国連環境計画(UNEP)は、2019年版GHGギャップ報告書を公表。1.5℃目標の達成には、2020〜2030年に年率7.6%のGHG排出削減が必要と報告。これは、SBTの求める1.5℃水準(年率4.2% 削減)と大きな隔たりがあり、今後、SBTの1.5℃目標の水準が厳しくなる可能性も。
2019年 11月号(2019.10.1〜2019.10.31)
- 国内
- 経済産業省:FIP制度 詳細設計について議論開始
- 国際
- インド:2022年使い捨てプラ製品全廃に向け、首相が取組開始を宣言
- 米国:パリ協定離脱を正式に通告
目次
国内動向
- 経済産業省:非FIT非化石証書のRE100活用、エネ庁が公式見解
- 経済産業省:FIP制度、詳細設計について議論開始
環境経営編
- 経済産業省:産業・金融界のトップを集めた世界初のTCFDサミット開催
- TCFDコンソーシアム:TCFDに基づく開示情報を読む際の視点を整理・公表
- ESGヘッドライン【国内】
主な審議会等の開催状況
国際動向
- Carbon Policy Update
- NZ:世界初の農業ETSが2025年に始動へ
- GHGプロトコル:企業の炭素除去量等の算定ガイダンス開発開始
- インド:2022年使い捨てプラ製品全廃に向け、首相が取組開始を宣言
- G20:大阪ブルー・オーシャン・ビジョン実現に向け、情報共有開始
- 米国:米国、パリ協定離脱を正式に通告
環境経営編
- スウェーデン:電気電子機器の“化学税” 2020年より外国企業も対象に
- ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー
- 経済産業省は、再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会を開催し、FIT制度の抜本的見直しとして、“FIP制度”の詳細設計の議論を開始。発電した電力の“垂れ流し”を許容するFIT制度と異なり、FIPは発電事業者に売電努力が求められることに。発電事業者にどの程度の“旨み”が残る設計となるかが注目される。
- また経済産業省は、電力・ガス基本政策小委員会 制度設計作業部会も開催。非FIT非化石証書について、相対取引に基づき電気と証書をセットで取引する場合にはRE100への活用が可能であるとの見解を示した。電力から切り離された証書はRE100に活用できないと解釈でき、再エネ電源に直接アクセスできない小売電気事業者には不利な内容。
- 経済産業省は、世界初の「TCFDサミット」を開催。産業界・金融界のトップを集めたサミット内の議論は、ダイベストメントよりエンゲージメントを、リスク評価だけでなく事業機会評価を、との論調。脱炭素社会への移行を経済発展の機会として活用したいとの同省の意向もうかがわれる。なお、同月にはTCFDコンソーシアムより「グリーン投資ガイダンス」公表も。
国際動向サマリー
- ニュージーランドでは世界初の農業ETS実施が合意。2025年から家畜のゲップや糞尿、合成肥料等からのCH4やN2Oが規制対象になる見込み。企業にとっても、畜産へのカーボンプライシングという規制リスクが現実に発生する事となる。
- GHGプロトコルにおいて、企業の炭素除去や土地利用に伴うGHG排出・吸収を加味するためのガイダンスの検討が開始。2020年6月までに初期案開発、2021年末までに完成予定。ここで認められれば、企業は農地管理や植林、炭素除去による削減・吸収量を、CDP報告やSBT達成のために活用可能に。企業の排出削減競争にゲームチェンジをもたらす可能性も。
- インドでは、2022年使い捨てプラ全廃に向け、首相が取組開始を宣言。エア・インディアやインド国鉄において一部使い捨てプラ製品の使用禁止が開始された。
2019年 10月号(2019.9.1〜2019.9.30)
- 国内
- J-クレジット制度:卒FIT電源のJ-クレ化に向けて議論開始
- 国際
- PRI:2025年以降の現実的な気候政策変化を予測
- 特集
- 国連気候行動サミット開催。2050年実質ゼロ排出を66の国・自治体政府が表明
目次
国内動向
- 経産省・環境省・農水省:卒FIT電源のJ-クレ化に向けて議論開始
- 経済産業省:事業用太陽光の落札価格がさらに低下
- 経済産業省:水素社会実現へ取り組むべき技術開発項目を特定
- 経済産業省:カーボンリサイクル技術開発促進へ産学官・国際連携を強化
- 経産省・環境省:プラスチック製買物袋の有料化に向けた検討開始
環境経営編
- ESGヘッドライン【国内】
主な審議会等の開催状況
国際動向
- Carbon Policy Update
- UNEP-FI:銀行版PRI発足、邦銀4行を含む130行が署名
- PRI:2025年以降の現実的な気候政策変化を予測
- IPCC:海面上昇等の物理的気候リスクの評価が上振れ
- ドイツ:運輸/熱部門に国内ETSを導入へ。2021年価格は€10/t-CO2
環境経営編
- CRD:TCFDと各種ESG報告枠組の整合性が明らかに
- EU:“真に安全な”循環経済のための高懸念物質データベース稼働へ
- ESGヘッドライン【国際】
特集
- 国連気候サミット2019開催。2050年実質ゼロ排出を66の国・自治体政府が表明
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国内動向サマリー
- 経済産業省・環境省・農林水産省は、Jークレジット制度運営委員会を開催。卒FIT電源からのJークレジット認証対象化について検討。“追加性”を求めるJ-クレジットでは、既設の卒FIT電源は対象外。しかし今回、パワーコンディショナーの追加設備投資等により認証対象とする案が事務局より提示された。この事務局案が認められれば、再エネJークレジットの潜在的な発行量は倍増することに。
- 経済産業省・環境省は、産業構造審議会下のレジ袋有料化検討WGと中央環境審議会下のレジ袋有料化検討小委員会の合同会合を開催。レジ袋有料化義務化の対象となるプラスチック製買物袋や、有料化の在り方、実施時期などの案が示された。
- 経済産業省は、調達価格等算定委員会を開催。事業用太陽光の平均落札価格が遂に12円/kWh台に。諸外国に比べ高いとされる我が国の再エネ価格であるが、今回の入札結果で価格低下のポテンシャルが示された。
国際動向サマリー
- 国連では、国別の2030年目標の提出・更新や2050年長期戦略の提出期限が2020年に迫る中、国や企業・市民社会のコミットメントや具体策等を引き出すために「国連気候行動サミット2019」を開催。70ヵ国が2020年までに2030年目標を強化すると発表し、66ヵ国が2050年実質ゼロ排出を表明。また、10地域、102都市、93企業、12投資家も2050年実質ゼロに賛同。しかし、欧州以外の主要排出国の新規コミットはなく、国別目標の引き上げは引き続き大きな課題として残った。
- 国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)は、責任銀行原則(PRB)を発足。責任ある銀行業を志向し、署名機関に対して、6つの原則とSDGs及びパリ協定と整合した最低2つ以上の目標設定を求める。邦銀4行を含む130行が署名。今後内外の銀行がどのような目標を設定するかが注目される。
- PRI(責任投資原則)は、今後の気候政策を予測した報告書『避けられない政策対応:政策予測』を 公表。2025年のNDC(国別削減目標)の再提出を契機に、各国の気候関連政策が加速するとして、現実的に起こりえる政策変化を予測するもの。従来参照されてきた各種2℃シナリオが、2025年以前から理想的な移行政策が打たれると想定するのに対して、PRIの想定はより現実的。1.5℃目標を加味した投資を求める声が高まる中、PRIが同目標には届かない現実解を模索したことは注目される。投資家向けのシナリオではあるが、事業会社にとっても将来見通しの視座を与えるものとなろう。
- ドイツでは、2030年目標達成に向けた計画を公表。建物、運輸、農林業、工業、エネルギー、廃棄物の6部門について部門別目標値を設定。毎年、実績評価を行い目標達成を目指す。新施策として、EU-ETS対象外である運輸と熱生産(暖房)部門に対する新たなカーボンプライシングを2021年に導入。炭素価格は€10から始めて毎年引き上げ、2025年には€35、それ以降はオークション方式。
- CRD(Corporate Reporting Dialogue)は、TCFDの推奨開示項目と各種ESGレポーティングの既存フレームワーク間の整合性を評価。評価対象は、CDP、CDSB、GRI、IIRC、SASB。各フレームワークの相違が浮き彫りとなると同時に、既存フレームワークに基づくESGレポーティングとTCFDが推奨する開示のギャップも明らかに。
- NGO「The Climate Group」は、国連気候行動サミットに合わせ、第11回クライメートウィークを開催。イベントの話題は、「1.5℃目標」と「ネットゼロ」に集中。「2℃目標」という言葉はほとんど聞かれず。本誌ESG担当者も参加。巻末に現地報告を掲載したのでご参照いただきたい。
2019年 9月号(2019.8.1〜2019.8.31)
目次
国内動向
- 経済産業省:再エネの主力電源化へ、規模に応じたモデルを提示
- 経済産業省:再エネ主力電源化と電力システム再構築に係る小委設置
- 環境省:税制要望を公表、CP導入については更なる議論が必要と言及
- 環境省:環境配慮契約における電力排出係数しきい値案を提示
- 経済産業省・国土交通省:住宅トップランナー制度改定案を提示へ
環境経営編
- GPIF:ESG活動報告:ポートフォリオが2℃目標と不整合と分析
- ESGヘッドライン【国内】
主な審議会等の開催状況
国際動向
- Carbon Policy Update
- ブラジル:アマゾン森林火災に世界が注目。新たな国際課題となるか
環境経営編
- アフリカ諸国:製品含有化学物質に関わる取組が始動
- ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー
- GPIFは、『2018年度ESG活動報告』を公表。気候関連情報について報告の一つとして、TCFD提言を踏まえたポートフォリオのシナリオ分析結果が示された。現状のポートフォリオは2℃目標に整合しないとの結論は、GPIFによる企業に対する今後のエンゲージメントのあり方に影響を与えることになろう。
- 環境省は、税制改正要望においてカーボンプライシングの議論の必要性を盛り込む。炭素税導入に向けた議論本格化の兆しとの一部報道もあったが、具体的な税制改正の要望は記載されていない。
- 経済産業省は、再生可能エネルギー大量導入・次世代ネットワーク小委員会を開催し、第3次となる中間整理を公表。再エネ主電源化に向けた2つの電源モデルとして「競争電源」と「地域活用電源」を改めて整理し、前者はVPPA等による長期・安定的な収入確保、後者は防災への貢献等による価値付けが課題とした。
国際動向サマリー
- アマゾンの熱帯雨林で大規模な森林火災が続いている問題で、ブラジル政府の対応が遅れる中、 欧州をはじめとする各国政府や国際機関等が相次いで懸念を表明。森林は脱炭素社会の実現に 必要不可欠なCO2吸収源であり、大規模火災は単なる国内問題では済まされないとの危機感の表れであろう。投資家の中には「反森林伐採」の動きも出てきており、近い将来、企業はサプライチェーン全体での森林破壊との関わりが問われる可能性も。
2019年 8月号(2019.7.1〜2019.7.31)
目次
国内動向
- 経済産業省:卒FIT住宅用太陽光をめぐる電気事業者の動きを整理
- 経済産業省:非化石価値の埋没防止について議論
- 環境省:カーボンプライシング:中間整理案を提示。方向性や結論を示さず
- 環境省:グリーンボンド指針改定、グリーンローン等指針策定へ
- 経済産業省:海洋生分解性プラの国際標準提案に向け、国内検討開始
環境経営編
- 環境省:投資家視点での環境サステナブル企業評価指針を公表
- ESGヘッドライン【国内】
主な審議会等の開催状況
国際動向
- Carbon Policy Update
- EU:欧州委の次期委員長、「2050年実質ゼロ排出」を最重要施策に
- 英国:新首相も「2050年実質ゼロ排出」目標を堅持。蓄電池技術に注力か
環境経営編
- EU:EU RoHS指令:4物質を追加し、計10物質の含有制限が開始
- ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー
- 環境省は、環境サステナブル企業についての評価指針を公表。投資家等が、開示媒体情報から企業の環境課題認識や事業への影響把握を読み取れることを重視する内容。本年度内に、同指針の評価軸を活用した表彰制度が新設される予定。
- 経済産業省は、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委を開催。「需給一体型」の再エネ活用モデル検討の一環として、卒FIT住宅用太陽光をめぐる電気事業者の動きを整理。卒FIT住宅用太陽光の余剰電力に対する電気事業者各社の買取価格が一覧化された点が注目される。
- 環境省は、カーボンプライシングの活用に関する小委を開催し、中間整理案を提示。同整理案は、 過去の小委会合での議論を項目別に整理。冒頭には、「特定の方向性や結論を示すものではない」との断りも置かれ、制度設計に関する議論は一旦幕引きとなった形。
国際動向サマリー
- 欧州委員会の次期委員長に選出されたフォンデアライエン氏は、今後5年間の政策指針の中で、気候変動対策を最重要政策と位置づけ、2050年実質ゼロ目標の法制化、2030年GHG目標の引き上げ (現在の▲40%目標を、▲55%または▲50%)、EU-ETSの規制範囲拡大(海運、運輸、建設)、国境炭素税の導入等の対策強化を掲げた。詳細は、就任後100日以内(つまり来年2月頃まで)に「欧州 グリーンディール」として提案される予定。
- 英国では新首相が就任し、気候変動政策に言及。前政権の方針を踏襲し、2050年実質ゼロ排出目標も堅持。
2019年 7月号(2019.6.1〜2019.6.31)
目次
国内動向
- G20:「G20大阪首脳宣言」採択。海洋プラ問題の新ビジョンを共有
- 政府:パリ協定に基づく日本の長期戦略確定。国連へ提出
- 経済産業省:カーボンリサイクル:2030年・50年のコスト目標を設定
- 経済産業省:FIT抜本見直しへ、海外有識者がFIPを提起
- 環境省:カーボンプライシング:既出資料と発言の要約に終始
- 経済産業省・国土交通省:乗用車燃費基準引き上げ、電気自動車等も対象に
- 環境省・経済産業省:最新版白書にみる環境・エネルギー政策の方向性
環境経営編
- ESGヘッドライン【国内】
主な審議会等の開催状況
国際動向
- Carbon Policy Update
- EU:「サステナブル事業」の基準案公表。実質ゼロを求める野心的水準
- EU:「2050年実質ゼロ排出」:EUは合意見送り。英国は法制化が実現
- UNFCCC:パリ協定「市場メカニズム」詳細ルールの合意は持ち越し
環境経営編
- 米国:ワシントン州に新たな有害物質含有規制。広範な消費者製品が対象
- ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー
- G20は、「G20大阪首脳宣言」を採択。2050年までに海洋プラによる新たな汚染ゼロを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を共有。また日本政府が推進する「カーボンリサイクル」についても、同宣言内において今後の発展の機会が認められることとなった。
- 経済産業省は、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委を開催。海外有識者として招聘されたIEA再生可能エネルギー課長は、FIT制度のFIP制度への移行を提案。FIT抜本見直しの方向性の一つとして、今後FIP移行が本格検討されることを予期させる内容。
- 経済産業省及び国土交通省は、2030年度における乗用車燃費基準等(案)に関する取りまとめを発表。2030年度に2016年度実績比で32.4%という燃費改善目標は、電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車の普及を加味したもの。電動車普及の規定路線化と見ることもできよう。
国際動向サマリー
- EUがサステナブル事業の基準案を公表。2050年にGHG排出量を実質ゼロにすることを念頭に、 7部門(農林水産業、製造業、エネルギー、水・廃棄物、運輸、ICT、建築)・67事業について高い基準値を設定。“環境に優しい”事業や企業の要件として国際的影響力を持つ可能性もあり、日本企業にとっても無視できない内容。
- EUは来年早期にUNFCCCに長期戦略を提出すべく、GHG排出量の2050年実質ゼロ目標の合意に向けて協議中。しかし6月の欧州理事会会合では、一部加盟国の反対により合意に至らず。一方で、英国は主要先進国で初めて、2050年実質ゼロ排出目標を法制化。
- UNFCCCでは国連気候会合を開催し、パリ協定の詳細ルールについて議論。二国間クレジット制度(JCM)を含む市場メカニズムの詳細ルールは12月のCOP25に持ち越しに。
2019年 6月号(2019.5.1〜2019.5.31)
目次
国内動向
- 経済産業省:産業部門のベンチマークの見直しについて検討開始
- 経済産業省:電力の新市場、第二次中間とりまとめ案を公表
- 環境省:カーボンプライシングによる経済成長の促進効果を強調
- 政府:「プラスチック資源循環戦略」の議論終結
環境経営編
- TCFD対応を議論する場が発足。国内の賛同表明も急増 《TCFDコンソーシアム》
- ESGヘッドライン【国内】
主な審議会等の開催状況
国際動向
- Carbon Policy Update
- 国連:バーゼル条約:プラスチックごみの輸出規制案が採決。
2021年に発効 - EU:2050年実質ゼロ排出への支持拡大。英仏独も検討
- 中国:再エネ電力の導入目標を省別に設定
- 北米:米国 ニューヨーク州、石炭火力発電を2020年末に全廃へ。全米初
カナダ サスカチュワン州でカーボンプライシングは合憲との司法判断 - IPCC:温室効果ガス算定の2019年方法論受諾
- IMO:国際海運部門の新規制導入の検討開始。2023年合意を目指す
環境経営編
- 中国:中国RoHS:「第2ステップ」施行へ
- ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー
- 政府は、中央環境審議会の答申を受け、「プラスチック資源循環戦略」を策定。国際的な“脱プラスチック”の潮流の中で、日本の対応方針が示された。6月3日に原田環境相が発表したレジ袋有料化を始め、今後様々な施策が打ち出されよう。
- 経済産業省は、省エネルギー小委員会・工場等判断基準WGを開催。昨年度に業務部門3業種へのベンチマーク制度導入により、全産業のエネルギー消費量の7割カバーの目標が達成されたことを 受け、今年度から産業部門のベンチマークを見直す。
- 産業界・学術界の有識者が発起人となり「TCFDコンソーシアム」が設立された。効率的な情報開示や、金融機関等の適切な投資判断に繋げるための取組を議論する。コンソーシアム設立を機に、 電力・鉄鋼等の多排出企業がTCFDに賛同。日本企業のTCFD対応がいよいよ本格化する。
国際動向サマリー
- 有害廃棄物の越境移動に関するルールを定めた「バーゼル条約」において、汚れたプラスチックごみを規制対象に加えることが決定。2021年からは汚れたプラごみの輸出には、相手国の同意が必要となる。プラごみ輸出国である日本も、国内処理体制の強化や排出削減が求められる。
- EU加盟各国は温室効果ガス削減の長期ビジョンとして「2050年実質ゼロ」を検討中。日本が検討中の「今世紀後半の出来るだけ早期に脱炭素」と「2050年80%削減」を超える水準。
- 中国政府は2019年、2020年の省別再エネ導入目標を公表。目標値は、各省の状況に応じて10%~88%(水力除くと2.5%~27.5%)。
- IPCC総会ではGHG算定の新たなガイドラインが受諾され算定方法論の精緻化やデフォルト値の更新等が行われた。各国政府や企業のGHG算定にもいずれ波及する動きである。
2019年 5月号(2019.4.1〜2019.4.30)
目次
国内動向
- 環境省・経済産業省:パリ協定に基づく長期成長戦略案を公表
- 環境省:カーボンプライシング 既存の関連制度について議論
- 経済産業省:非FIT非化石証書の取引に係るスケジュールが発表
- 経済産業省:FIT抜本見直しの議論を開始
- 日本経済団体連合会:FIP制度、原発再稼働・新増設に言及
環境経営編
- ESGヘッドライン【国内】
主な審議会等の開催状況
国際動向
- Carbon Policy Update
- カナダ:アルバータ州に連邦CP反対の新政権発足。州炭素税撤廃へ
- 中国:中国ETSの管理規則案を公表。制度詳細は依然未定
環境経営編
- SBTi:新SBT認定基準が公開。毎年2.5%削減がボーダーライン
- その他:SAICM:2020年以降の化学物質管理の国際枠組に関する議論百出
- ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー
- 環境省・経済産業省は「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(仮称)案」を公表。「環境と経済の好循環」をテーマに、CCUS、水素、再エネ等のイノベーションの推進に重点を置く内容。TCFD等のグリーンファイナンスの推進も取り込む一方、カーボンプライシングについては導入の方針は示されなかった。
- 経済産業省は電力・ガス基本政策小委 制度検討作業部会を開催。非FIT非化石証書について、今年度は卒FIT電源由来のみを証書発行の対象とする案を発表。最低価格の設定されない第二の非化石証書の登場は、再エネ電力メニューの価格に新たな相場観をもたらす。
- 経団連は、提言「日本を支える電力システムを再構築する」を公表。政府がまだ具体的な施策を示していないFIT制度の抜本的見直しについて、欧州で先行して導入されている「FIP政策」の採用を例示するとともに、原発のリプレース・新増設の推進を提言。
国際動向サマリー
- カナダのアルバータ州で州議会選が行われ、カーボンプライシング(CP)反対の野党保守連合が圧勝。月内には州知事が交代し、実施中の炭素税の撤廃が確実な情勢となった。連邦枠組への異議表明は4州目となり、国内排出量の7割以上を占める規模に。
- 中国にて全国版の排出権取引制度(ETS)の管理規則が公表された。同制度は2017年12月に導入が公表されたまま、未稼働の状態が続いていた。今回、パブコメ用に公表された規則でも未定事項が多く、中国で実質的にETSが開始するにはまだ時間がかかる模様。
- SBTイニシアチブは、SBT認定の新基準を公開。今年10月15日以降は、「1.5℃」または「2℃を十分に下回る」水準の目標のみをSBTとして認定。前年比2.5%削減を毎年続ける水準がボーダーラインとなる。
2019年 4月号(2019.3.1~2019.3.31)
目次
国内動向
- 経済産業省:新たな水素・燃料電池戦略ロードマップを策定
- 環境省:カーボンプライシング 排出量取引制度についても議論
- 経済産業省:FIT非化石証書トラッキング実証 2019年度も継続
- 経済産業省:非FIT非化石証書 CO2削減効果を全国平均係数とする方針
- 経済産業省:CDP、RE100、SBTに対応する再エネ調達・報告方法を整理
環境経営編
- 環境省:TCFDシナリオ分析のガイドを発表
- ESGヘッドライン【国内】
主な審議会等の開催状況
国際動向
- Carbon Policy Update
- EU:EUグリーンボンド基準案、登録外部評価機関による検証を必須に
環境経営編
- EU:使い捨てプラスチック禁止等が正式承認。21年までに国内法化へ
- UNEP:国連にてプラスチックに関する宣言・決議を採択
- EU:RoHS指令に違反する製品に関するRAPEX通報件数が激増
- ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー
- 環境省は、TCFD提言に沿ったシナリオ分析のガイダンスを発表。先に発行された経済産業省のガイドがTCFD提言全体への対応の考え方を整理したのに対し、環境省はシナリオ分析に焦点を当てる。
- 経済産業省は、電力・ガス基本政策小委員会 制度検討作業部会を開催。FIT非化石証書のトラッキング実証を2019年度も継続することや、高度化法中間目標として、小売電気事業者に販売電力量の10%相当の非化石証書の外部調達を求める考えを明らかにした。
- 経済産業省は、CDP、RE100、SBTに対応する再エネ調達・報告方法を整理したガイダンスを策定。非化石証書等をCDP報告に使うための係数換算方法等を解説。
- 水素・燃料電池戦略協議会は、新ロードマップを策定。水素利用拡大の課題となっている経済性の問題を解決すべく、水素製造・貯蔵・輸送のコスト改善目標を大幅に見直した。
国際動向サマリー
- EUでは、欧州議会が海洋プラゴミ削減の為に、使い捨てプラの禁止などに合意。カトラリーや皿、ストロー等や酸化型生分解性プラスチック製品を禁止するほか、飲料ボトルについて再生可能素材の使用目標や分別回収目標を設定。今後、理事会承認後に、2021年までに各加盟国で国内法化が行われる。
- EUサステナブルファイナンスに関する技術専門委員会は、EUグリーンボンド基準案を公表。既に多くのグリーンボンドが参照しているグリーンボンド原則を踏襲し、自主的なものだが、登録外部評価機関による検証を必須とする点や、グリーンプロジェクトの定義を示す「タクソノミー」への適合を求める点等が特徴。なお、この他にも、EUは世界を牽引すべくサステナブルファイナンスに関する規則等を複数検討中(2018年3月号・5月号参照)。日本企業への影響も想定され、今年6月以降に公表予定の取りまとめ結果に注視が必要。