最新動向レポート「ES(Executive Summary)」

経営層の方向けに作成しているレポートです。氾濫する温暖化関連情報からポイントを抽出した、短時間で通読できるレポートです。
国内外の政策動向等、時節に応じたトピックを取り上げています。

2019年 3月号(2019.2.1~2019.2.28)

国内
環境省:炭素税の課税水準イメージを提示
国際
SBTi:SBT、IPCC1.5℃特別報告書を背景に認定基準を引き上げ

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目次

国内動向

  • 環境省:炭素税の課税水準イメージを提示
  • 経済産業省:脱炭素化社会実現に向け電力NWに関する包括的な検討開始
  • 経済産業省:CO2分離回収・利用のイノベーション促進の新組織設立
  • 環境省:熱回収の優先順位を下げたプラ循環戦略(案)を公表

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • 南アフリカ:約10年の検討の末、炭素税導入が決定。2019年6月開始

環境経営編

  • SBTi:SBT、IPCC1.5℃特別報告書を背景に認定基準を引き上げ
  • EU:プラスチック添加剤418物質に関する調査結果を公表
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 環境省は、カーボンプライシングの活用に関する小委員会を開催し、炭素税の課税対象や課税水準のイメージを提示した。カーボンプライシングの意義や効果に関する従来の議論から一歩踏み出した形。イメージとは言え、課税水準として「資本費も含めた発電コストが石炭火力発電と天然ガス火力発電で同等以上」との考え方が明示された点は注目される。
  • 経済産業省は、資源エネルギー庁長官官房にカーボンリサイクル室を設置。CO2分離回収・利用のイノベーション促進を狙う。今年6月の日本開催のG20に向け、ロードマップ策定等の検討が進められることが予想される。
  • 環境省は、プラスチック資源循環戦略小委員会を開催し、パブリックコメントを経て修正されたプラスチック資源循環戦略(案)を公表。注目されていた熱回収の位置づけについては、リユース・リサイクルよりも優先順位が下げられた。

国際動向サマリー

  • 南アフリカ共和国では、炭素税法案が成立。同国では低炭素社会への円滑な移行を進めるため炭素税の導入を検討してきたが、産業界からの反発もあり、再三にわたり導入時期が延期。約10年の検討の末に成立した炭素税法では、導入時税率を120ランド/t-CO2(1ランド≒7.8円)と、約1,000円/t-CO2程度の水準とし、2022年までは年率2%±物価上昇率で引き上げる方針。他方では、部門の状況に応じて60~95%の減免措置を盛り込むなど、エネルギー集約産業に配慮した設計に。
  • SBTイニシアチブは、IPCC 1.5℃特別報告書を受けて、SBT認定基準の引き上げを発表。2℃目標水準でのSBT申請が認められるのは今年9月まで。10月以降の申請からは、「1.5℃」あるいは「2℃を十分に下回る」水準でなければSBTとして認定されないことに。また、SBT認定済みの企業も、2025年以降は見直しが義務づけられた。

2019年 2月号(2019.1.1〜2019.1.31)

国内
CDP2018:TCFDをふまえた大改定の結果が公表
国際
米国:首都ワシントンでも100%クリーンエネ法成立。全米で3例目

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目次

国内動向

  • 経済産業省:海洋プラ問題解決に向け、プラットフォーム設立を公表

環境経営編

  • CDP2018:TCFDをふまえた大改定の結果が公表
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • 米国:首都ワシントンでも100%クリーンエネ法成立。目標年は2032年

環境経営編

  • 国連:世界全体で鉛含有塗料を制限する具体的取組を開始
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は、海洋プラ問題解決に向け、業種を超えた関係者の連携強化やイノベーション加速を図るプラットフォームとして、「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」の設立を公表。企業に、新規顧客獲得や技術開発連携のようなビジネスチャンスをもたらす場となるか、注目される。
  • CDPは、TCFDを踏まえた大改定後の最初の格付結果となる「CDP2018気候変動・水・森林」の結果を発表。A評価を獲得した日本企業は「気候変動」で20社、「水」で8社、「森林」で1社であった。
  • 「気候変動」でA評価を得た日本企業20社は、その大部分がSBTに参加し、TCFDシナリオ分析も実施済みと報告していることが判明した。一方で、SBT達成の重要手段である再エネ電力導入には課題が残り、実施されたシナリオ分析も必ずしもTCFDが求める内容とはなっていない現状もうかがわれた。

国際動向サマリー

  • 米国では、ワシントンDCが、2032年に再生可能エネルギー電力100%とする目標を設定。100%のクリーンエネ/再エネを目指す州として、ハワイ、カリフォルニアに続き3例目。域内の主要な電力消費部門は建築物であり、域外からの購入電力の再エネ化等により、再エネ比率を今後13年で100%に。
  • 国連が、鉛含有塗料の段階的廃止に向けたプロジェクトを開始。鉛は、中低所得国では依然、防錆や着色、硬化促進の目的で塗料に使用されており、100以上の国で法的制限がない状況。今回始動した3年間のプロジェクトでは、塗料への鉛の使用を制限する法律を40ヵ国で策定することを目標の一つに掲げ、法令未整備国の政府への支援を行う。

2019年 1月号(2018.12.1~2018.12.31)

国内
経済産業省:「TCFDガイダンス」を公表
国際
UNFCCC:パリ協定の実施指針を採択

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目次

国内動向

  • 経済産業省:トラッキング付非化石証書販売へ、実証実験開始
  • 経済産業省:ベンチマーク制度の今後の方針について検討開始
  • 経済産業省:太陽光、最低落札価格14円台に

環境経営編

  • 経済産業省:「TCFDガイダンス」を公表
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • UNFCCC:COP24:パリ協定の実施指針を採択
  • EU:「何をサステナブル金融と呼ぶか?」 定義案を5部門で例示
  • 米国:火力発電所のGHG排出要件を緩和へ。CCSなし新設石炭火力も可
  • 米国:東部10州・特別区による地域連携で運輸部門CPを導入へ

環境経営編

  • EU:成形品中の高懸念物質に関する企業の情報不足が明らかに
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は、電力・ガス基本政策小委員会 制度検討作業部会を開催。トラッキング付非化石証書の販売に向けた実証実験の開催告示が行われた。本実証実験で取引された非化石証書は、RE100への利用も可能となる。
  • 経済産業省は、調達価格等算定委員会を開催し、太陽光第3回入札結果を公表。最低落札価格は14円/kWh台であり、太陽光の低価格化路線が確定的に。今後は、FIT売電ではなく、小売への直接販売を選択する事業者が出てくる可能性も。
  • 経済産業省は、TCFD研究会を開催し、「TCFDガイダンス」を公表。TCFD提言に関して、日本企業が誤解しやすい点について解説を加え、日本企業による先行事例を示す内容。経済産業省は、同日TCFDへの賛同署名も実施。日本企業のTCFD対応を促す姿勢が明確に打ち出された。

国際動向サマリー

  • COP24がポーランドのカトヴィツェで開催され、パリ協定に基づく具体的なルールの多くで合意が成立。2020年以降は、パリ協定の精神に則り、先進国と途上国が共通のルールの下でGHG削減に取り組むことに。市場メカニズムのルールについては次回COPにて引き続き議論。途上国の取組実施には、先進国からの官民の資金拡大が引き続き求められる。
  • EUでは、「サステナブル金融」の定義ドラフトが公開。但し、今回のドラフトでは具体的な閾値など未記載の事項も多く、詳細は引き続き検討へ。2019年6月に最終版が公表される予定だが、どのような事業を「環境に優しい事業」や「ESG投資先として相応しい事業」と考えるかについて、一つの基準を示すものとなり得るため、注視が必要。
  • 米国では、EPAが、オバマ政権下で設定された火力発電のCO2排出規制要件を緩和する方針を公表。新設火力へのCCS義務付けを撤廃へ。他方、東部諸州が連携し、運輸部門に対する地域横断のカーボンプライシングを導入すべく制度設計開始。

2018年 12月号(2018.11.1~2018.11.30)

国内
経済産業省:非FIT非化石証書の価格・取引方法について議論
国際
EU:2050年長期戦略の素案公表。“気候ニュートラル経済”への転換のビジョン示す

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目次

国内動向

  • 経済産業省:非FIT非化石証書の価格・取引方法について議論
  • 経済産業省:FITの入札上限価格、今後の買取価格等の扱いが決まる
  • 環境省:プラスチック資源循環戦略(案)公開、パブコメ実施
  • 経済産業省:TCFDガイダンス策定に向けた論点の整理

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • EU:2050年長期戦略:“気候ニュートラル経済”への転換のビジョン示す
  • EU:仏の原発低減・独の脱石炭、実施プロセスを先送り

環境経営編

  • UNEP-FI:銀行版PRI、2019年発足予定
  • EU:RoHS指令 制限対象物質の追加に向けた見直し検討進む
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省電力・ガス基本政策小委員会は制度検討作業部会を開催し、非FIT非化石証書の制度設計詳細を検討。非FIT非化石証書には最低価格は導入されず、取引方法としては(i)小売事業者 との相対取引と(ii)市場取引が導入される見通し。本制度により系統に接続されるほぼ全ての非化石電源から非化石証書が発行されることになるが、発電事業者が証書を取引市場に供出するインセンティブは検討されていない。電力需要家にとって再エネ電力調達環境がどの程度改善されるかは未知数。
  • 環境省は、中央環境審議会プラスチック資源循環戦略小委員会を開催。前回提示された「プラスチック資源循環戦略(素案)」がそのまま「プラスチック資源循環戦略(案)」となった。
  • 経済産業省はTCFD研究会を開催し、TCFD提言対応に関する論点と検討の方向性が示された。 また、TCFD提言対応のガイダンスの作成方針についても併せて提示された。

国際動向サマリー

  • 欧州委員会が、温室効果ガス実質ゼロを目指す2050年ビジョン案を公表。再エネや省エネ等で90年比80%削減、更に吸収源の強化等により実質ゼロを目指すとし、パリ協定の「2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」という目標と一致するとした。今後、欧州議会とEU理事会で検討し、2020年早期のUNFCCC提出をめざす。
  • 一方、フランスでは原発比率を現在の75%から50%に低減させる時期について、大統領選で掲げた2025年ではなく、元々の政府計画であった2035年に戻すことを表明。またドイツでは、年内に予定していた脱石炭の行程の実施時期の決定を、2019年2月まで延長することに。政策の大きな方向に変化はないが、その実施時期については未だ各国内で調整が続いている状況。

2018年 11月号(2018.10.1~2018.10.31)

国内
経済産業省:非FIT非化石証書の制度設計について議論開始
環境省:プラスチック資源循環戦略(素案)公表
国際
ニューヨーク州:気候リスクの開示情報が「投資家に誤解」と企業を提訴

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目次

国内動向

  • 経済産業省:非FIT非化石証書の制度設計について議論開始
  • 経済産業省:国内の再エネ証書とCDP、SBT、RE100の対応関係を整理
  • 経済産業省:FIT未稼働案件への対応等、電力NWに関する課題の検討進む
  • 環境省:プラスチック資源循環戦略(素案)を公表

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • 米国:気候リスクの開示情報が「投資家に誤解」と企業を提訴
  • メキシコ:2019年1月に開始の試行ETSの概要を公表
  • IPCC:ES plus ONE 1.5℃特別報告書への反応

環境経営編

  • EU:欧州化学品庁が認可対象候補物質データベースの基本仕様を開示
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は、制度検討作業部会(電力・ガス基本政策小委員会)を開催。(i)非化石証書の対象範囲を非FIT電源にも広げる方針、(ii)現行のFIT電源由来の非化石証書にトラッキングスキーム導入を検討する考えを示した。(i)が実現すれば、非化石証書の対象電源が大きく拡大される。また(ii)は、 非化石証書がRE100に再エネ調達手段として認められる契機となる可能性がある。いずれも、我が国の再エネ調達環境に大きな変化をもたらす制度変更提案であり、今後の議論は注視を要する。
  • 環境省は、プラスチック資源循環戦略小委員会(中央環境審議会 循環型社会部会)を開催し、プラスチック資源循環戦略素案を公表した。同素案は、「3R+Renewable(持続可能な資源)」を基本原則として掲げ、G7海洋プラスチック憲章を上回る野心的な目標値をマイルストーンとして設定。

国際動向サマリー

  • 米国ではニューヨーク州が、エクソンモービル社を気候変動移行リスク評価における虚偽の疑いで提訴。同社は、投資判断や石油・ガス資源価値の評価等には2℃シナリオ想定の炭素価格を考慮すると投資家に説明していたが、実際のリスク評価にあたっては、現行政策の延長を想定した安価な炭素価格を使用していたとし、年金基金を通じて同社に多額の投資を行ってきたニューヨーク州政府が提訴に踏み切ったもの。エクソンモービルは裁判で争う構え。
  • メキシコでは、2022年のETS本格導入に先立ち2019年から実施予定の試行ETSについて、制度概要のパブコメが開始。エネルギー部門と産業部門の直接排出量年間10万トン以上の約300社が対象 (同国の排出量の45%をカバー)。ただし、制度設計に最も時間を要するキャップ設定や排出枠の割当方法は、今後公表予定との扱い。

2018年 10月号(2018.9.1~2018.9.30)

国内
GPIF:グローバル環境株式指数選定、東証一部上場全社が評価対象に
国際
カリフォルニア州:2045年の100%クリーンエネ目標を決定
速報
IPCCが「1.5℃特別報告書」公表

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目次

国内動向

  • 経済産業省:高度化法目標達成計画を評価
  • 経済産業省:入札制の拡大により再エネのコストダウンを図る
  • 経済産業省:小委・関連WGにて省エネ法改正内容等について議論
  • 環境省:プラスチック資源循環戦略検討に向け関係者ヒアリング実施

環境経営編

  • GPIF:グローバル環境株式指数選定、東証一部上場全社が評価対象に
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • 米国:カリフォルニア州:2045年の100%クリーンエネ目標を決定
  • G7:カーボンプライシングや海洋プラスチックについて議論
  • UNFCCC:12月合意に向け、パリ協定の実施指針に関する交渉が前進
  • GCAS:非国家系主体による気候イベント開催。排出削減の気運醸成

環境経営編

  • EU:REACH規則:域外製品の高懸念物質の含有を「制限」で厳格管理へ
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は、電力・ガス基本政策小委員会を開催。議題の一つとして、高度化法に基づく非化石エネルギー源の利用達成計画の進捗が報告されたが、非化石証書を活用した非化石電源比率向上が殆ど進んでいない実態が明らかに。また、スマートメーター等での計量を前提とする再エネ大量導入社会の実現に向け、その制約因子となっていた現計量法の緩和も議題にあがった。
  • 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、「グローバル環境株式指数」を選定し、運用を開始。同指数は、炭素効率性(売上高あたり温室効果ガス排出量)と排出量に関する情報開示の度合いで、投資ウエイトを決定するもの。国内外合わせて約1.2兆円が同指数を用いたパッシブ運用に充てられ、東証一部上場企業全社が対象となる。巨額のESG投資資金が、炭素効率性の横並び評価に基づいて運用されることのインパクトは大きい。ESG投資呼び込みのために炭素効率性を業界内で競う構図が、今後徐々に顕在化していくのではないか。

国際動向サマリー

  • 米国カリフォルニア州は、州内で販売される電力について、2030年までに再エネ60%(旧目標に10%上乗せ)とし、2045年までに「再エネ+ゼロエミ電源」100%とする目標を設定。州内外における再エネ拡大を狙う。
  • G7環境・エネルギー・海洋大臣会合が開催。環境大臣会合のテーマの一つ「低炭素経済への長期的な経済移行」に関する議論では、カーボンプライシングやグリーンファイナンス等の市場ベースの政策が、健全な投資や各国の長期目標に向けた解決策を促進すると強調。
  • UNFCCCはパリ協定特別作業部会(APA)等会合をタイ・バンコクにて開催。パリ協定の実施指針に関する議論では、今年12月のCOP24での合意に向け交渉が前進。
  • また、10月に入り、IPCCが1.5℃実現に向けた排出経路を含む特別報告書を公表。平均気温上昇を1.5℃以下に抑えるためには2075年前後ではなく2050年前後にCO2排出を正味ゼロにする必要がある事、またバイオマス発電+CCSなどの大気中のCO2を減らす取組も必要となる事を指摘。

2018年 9月号(2018.8.1~2018.8.31)

国内
環境省:プラスチック資源循環戦略の在り方について検討開始
GPIF:初のESG活動報告書を刊行
国際
トランプ政権のCPP代替案、効率改善を軸に石炭火力維持を図る

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目次

国内動向

  • 経済産業省:荷主判断基準の見直し内容について議論開始
  • 環境省:非化石証書、環境配慮契約法の加点項目に向けた議論
  • 経済産業省:再エネの主力電源化に向けた施策の検討
  • 経済産業省:TCFD提言に対応する情報開示方法について検討始める
  • 環境省:プラスチック資源循環戦略の在り方について検討開始

環境経営編

  • GPIF:GPIFが初めてESG活動報告書を刊行
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • 米国:トランプ政権のCPP代替案、効率改善を軸に石炭火力維持を図る

環境経営編

  • EU:鉛規制強化の中、市場では高濃度の含有製品が依然流通
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 環境省は、プラスチック資源循環戦略小委員会の第1回会合を開催。プラスチックに関する対策が世界的に進む中、日本の遅れが指摘されてきたが、来年開催のG20を見据え本格的な議論がスタート。
  • 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は初めてESG活動報告書を刊行し、昨年度始まったESG指数を用いた運用成績を発表。各ESG指数のベンチマーク収益率はTOPIXに比べて低い成績に。
  • 環境省は、環境配慮契約法における再エネ導入状況の評価項目として、再エネJ-クレ、グリーン電力証書に加えて、新たに非化石証書の追加を提案。認められれば、公共機関の再エネ調達手段として、この3手段が同等に扱われることに。他方、資源エネルギー庁は、再エネJ-クレ、グリーン電力証書を用いて再エネ電力メニューを設計することを推奨しないとの見解を提示。小売事業者は慎重なルール解釈が求められる。

国際動向サマリー

  • 米国では、オバマ政権の火力発電規制(CPP)の代替となる、新たな火力発電規制案が公表された。前政権がCCSをもたない石炭火力発電に閉鎖を迫る規制水準を打ち出していたのに対し、今回の トランプ政権の規制は石炭火力発電の維持を前提とする内容。具体的な規制水準は、今後州ごとに策定される排出基準次第だが、導入までの時間設定が長く、州によっては数年にわたって規制を“回避”できる設計に。

2018年 8月号(2018.7.1~2018.7.31)

国内
経済産業省:乗用車、2050年までに100%電動化
国際
カナダ:オンタリオ州がETS撤廃へ。連邦政府のカーボンプライシング導入政策に逆行

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目次

国内動向

  • 経済産業省:エネルギー基本計画を踏まえた電力・ガス政策の方向性提示
  • 環境省:カーボンプライシングの活用を継続して検討
  • 経済産業省:乗用車、2050年までに100%電動化
  • 経済産業省:連携省エネの省エネ量が定期報告可能に
  • 環境省:プラスチック資源循環戦略小委員会を設置

環境経営編

  • 金融庁:有報での非財務情報の開示強化を打ち出す
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • カナダ:オンタリオ州がETS撤廃へ。連邦政府のCP導入政策に逆行

環境経営編

  • EU:リサイクル推進のために製品含有化学物質情報の共有を具体化
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は、自動車新時代戦略会議の中間報告会において、日本メーカーが全世界に新規供給する乗用車を2050年までに100%電動化するという目標を設定。国として初めてxEV100%に係る目標を明言した形。
  • 経済産業省は省エネルギー小委員会にて、省エネ法の改正内容を報告。今回の改正では、連携省エネの省エネ量について定期報告が可能になった。連携省エネの詳細な定義や運用方法については、今後公表される指針を注視する必要がある。
  • 経済産業省は、電力・ガス基本政策小委員会を開催。第五次エネルギー基本計画の内容を整理し、今後の電力・ガス政策について6つの方向性を提示。このうち、電力市場、次世代電力ネットワーク、石炭火力規制等、論点が具体的になっているものから、検討が進んでいくと考えられる。

国際動向サマリー

  • カナダのオンタリオ州では、6月に就任したカーボンプライシング反対派の新知事が、選挙公約どおり州ETSの撤廃を宣言。カナダ連邦政府は国内全州でのカーボンプライシング導入を目指していることから、同州には、ETSを撤廃しても連邦政府の定めるCPが適用されることになる。同州などCP反対州は連邦政府を提訴したが、国内に13ある州・準州の大半がCP導入予定という大きな流れに変化はない。
  • EUでは、改正廃棄物枠組指令において、製品の全ライフサイクルにわたり含有化学物質に関する情報提供が必要とされたことを受け、欧州化学品庁(ECHA)が2019年末までにデータベースを整備することに。廃棄物処理業者や消費者の利用に供するもので、処理・再生時におけるリスク管理の向上や無害な物質循環の促進が主な目的。化学物質管理において、製造段階の“動脈”で製品含有化学物質規制対応のため授受されてきた情報と、リサイクル・廃棄物処理段階の“静脈”で安全で高度な処理のため必要となる情報とが、サーキュラーエコノミーの文脈の中でリンクした形。

2018年 7月号(2018.6.1~2018.6.30)

国内
環境省:RE100に参加へ。行政機関として世界初
国際
G7:日米除くG7、プラスチックのライフサイクル・アプローチ強化へ

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目次

国内動向

  • 環境省:ライフサイクル全体での資源循環を推進へ
  • 経済産業省:ベンチマーク指標:11分野の平成28年度実績を公表
  • 環境省:RE100に参加へ。行政機関として世界初
  • 環境省・経済産業省:最新版白書にみる環境・エネルギー政策の方向性

環境経営編

  • 経済産業省:ダイバーシティ経営の深化に向けた提言を発表
  • 経済産業省:企業に求める開示・対話、投資家目線でとりまとめ
  • 国土交通省ほか:シップリサイクル条約対応の国内法整備が完了
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主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • G7:日米除くG7、プラスチックのライフサイクル・アプローチ強化へ
  • EU:2030年目標は再エネ32%・効率改善32.5%で決着。数値引上げも視野

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 環境省は、消費電力の100%再エネ化を目指すイニシアチブ「RE100」に参加。同省は2020年度までに日本からのRE100参加企業を50社に増やすことを目標に掲げており、今回の参加を契機に、再エネ関係の政策を強化していくことが予想される。
  • 第四次循環型社会形成推進基本計画が閣議決定。目指す方向性の一つとして「ライフサイクル全体での資源循環の徹底」を掲げ、サービサイジングやシェアリングビジネス等を「2R型ビジネスモデル」と位置づけ、促進していく方針を示した。
  • 環境・エネルギー政策に関する白書が続けて閣議決定。環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書は、低炭素・資源循環・自然共生の3分野の統合的アプローチとして「地域循環共生圏」を掲げた。エネルギー白書は、2050年のエネルギー将来像を初めて独立したトピックとして取り上げた。

国際動向サマリー

  • 日米を除くG7が、海洋プラスチックごみの削減に向けた取組強化に合意。「2030年までに全てのプラスチックを、リサイクル・再利用可能な素材に代替もしくは回収するよう産業界と協力する」等、上流対策を含むライフサイクル全体での管理を強化していくもの。日本は今回の合意には加わらなかったものの、6月に公表した「第四次循環型社会形成推進基本計画」において「プラスチック資源循環戦略」の策定を明示しており、来年議長国を務めるG20に向けて規制を検討する見込み。
  • EUは2030年の再エネ及び効率改善の目標値に合意。再エネは32%、効率改善は32.5%。いずれも欧州委員会の原案より高い目標値となった。今回の合意により、既に合意済みのGHG削減目標40%と併せ、EUの2030年目標が出揃った形。今後は、各国政府が2030年及び2050年に向けた計画を策定し、欧州委員会のチェックを受けることとなる。

2018年 6月号(2018.5.1~2018.5.31)

国内
経済産業省:企業と投資家の開示・対話促進へ、4アクションを提示
国際
EU:使い捨てプラスチック製品10品目に対し新たな措置を提案
連載
グローバル企業の再エネ調達戦略 〈最終回〉

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目次

国内動向

  • 経済産業省:電力の新市場に関する中間取りまとめ案を公表
  • 経済産業省:再エネ主力電源化に向け再エネ電力ネット 中間とりまとめ
  • 分析:非化石証書とJ-クレジット 入札結果に明暗

環境経営編

  • 経済産業省:企業と投資家の開示・対話促進へ、4アクションを提示
  • 経済産業省:環境報告ガイドライン2018年版(案)公開、パブコメを実施
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • EU:使い捨てプラスチック製品10品目に対し新たな措置を提案
  • EU:「サステナブル金融」実現に向け欧州委が具体的な規則案を提案
  • UNFCCC:パリ協定の実施指針、12月の合意に向けて交渉

環境経営編

  • その他:アラブ諸国:GCC RoHS規制の施行に向けて前進
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は、「価値協創ガイダンス」(2017年5月公表)を踏まえ、企業と投資家の間での開示と対話の深化・促進のための4つのアクションを提示。積極的に開示を行う企業に「価値協創ガイダンスロゴマーク」を付与する施策などが示された。
  • 経済産業省は、電力・ガス基本政策小委員会 制度検討作業部会を開催し、電力の4つの新市場に関する中間とりまとめ案を公表した。
  • 非化石証書の第1回入札が行われた。約定量が総販売量の0.01%、平均約定価格が最低価格に張り付く結果となった。一方、同時期に行われたJークレジット入札では、再エネ由来クレジットに総販売量の2倍以上の入札があった。本誌は、両入札結果を踏まえ、現時点での我が国における電力の再エネ価値の価格推計を行った。

国際動向サマリー

  • EUでは、欧州委員会が使い捨てプラスチック製品の禁止等を提案。来年5月の合意を目指し議論が始まる。EU以外でもインドで対策が始まっており、今後世界に拡大していく可能性がある。日本企業も代替素材の利用等の対応が求められる。
  • 同じくEUにおいて、「サステナブル金融」実現に向けた規則案が提案された。今年3月に公表された行動計画を踏まえた具体的な規則案であり、「サステナブル金融」の定義、機関投資家によるESG考慮の開示要件強化、低炭素株式指標等の創設から成る。こちらも来年5月の合意を目指す。
  • UNFCCCはパリ協定特別作業部会(APA)等の会合をドイツ・ボンで開催。今年12月のCOP24で合意が予定されるパリ協定の実施指針について、交渉が進められた。9月の追加会合や10月の1.5℃特別報告書も踏まえ、COP24でどこまで詳細なルールが合意され、また目標引き上げの動きが出てくるかが今後の注目点。

2018年 5月号(2018.4.1~2018.4.30)

国内
経済産業省:第5次エネルギー基本計画の骨子案を提示
国際
IMO:国際海運:今世紀中のGHG排出ゼロに合意
連載
グローバル企業の再エネ調達戦略 〈第5回〉

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目次

国内動向

  • 経済産業省:第5次エネルギー基本計画の骨子案を提示
  • 経済産業省:電力価値及び電力に付随する価値について議論
  • 経済産業省:FIT終了も見据え、次世代再エネ電力ネット骨子案を検討
  • 経済産業省・環境省:最終エネルギー消費・GHG排出量、前年度に比べ減少
  • 外務省:気候変動を外交の主軸とすべく省内体制強化を外務大臣に提言

環境経営編

  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • IMO:国際海運:今世紀中のGHG排出ゼロに合意

環境経営編

  • TCFD:TCFD提言への対応を支援するための情報共有サイトが開設
  • EU:EU RoHS2指令 制限物質リストの見直し検討開始
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会を開催し、第5次エネルギー基本計画の骨子を提示。基本的方針である各エネルギー源の位置づけは変わらないものの、今回新たに再エネの主力電源化や水素社会実現に向けた取組の抜本強化等が打ち出された。
  • 経済産業省は、電力・ガス取引監視等委員会制度設計専門会合を開催。電力の付随価値に関する議論を開始し、産地情報や電源情報の価値が非化石証書には含まれないことが示唆された。国際的には、産地情報や電源情報も再エネ電力証書取引の対象に含まれる。これらが非化石証書と別に取引されることとなれば、日本の電力市場はその特殊性を増すことになる。
  • 外務省が設置した気候変動に関する有識者会合は、「気候変動に関する提言」を河野太郎外務大臣に提出。同提言は、世界の趨勢に対して日本が遅れをとっているとの認識の下、気候変動外交のあり方を提言。カーボンプライシングやRE100、TCFDといった旬のキーワードが登場する点も注目される。

国際動向サマリー

  • 国際海運の世界ルールを作成する国際海事機関(IMO)が、約10年の議論を経て、GHG削減戦略に合意。今世紀中に国際海運のGHG排出をゼロとする事を目指し、2030年までに効率40%改善、2050年までにGHG50%削減(いずれも2008年比)との目標を掲げた。今後長期にわたり、船舶設計やオペレーションにおける省エネ、低炭素代替燃料の導入などの対策強化が求められることに。
  • 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)は、気候変動開示基準委員会(CDSB)とともに、TCFD提言への対応を支援するための情報共有サイト「TCFD Knowledge Hub」を開設。テーマは「ガバナンス」、「戦略」、「リスクマネジメント」、「指標と目標」の4分類。今後は企業事例も掲載される予定である。

2018年 4月号(2018.3.1~2018.3.31)

国内
経産省:2050年エネルギーシナリオ 論点を整理
金融庁:コーポレートガバナンス・コード改訂案公表
国際
EU:「サステナブル金融」行動計画案を公表
連載
グローバル企業の再エネ調達戦略 〈第4回〉

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目次

国内動向

  • 経済産業省:2030年エネルギーミックス実現へ 先行きは不透明
  • 経済産業省:2050年エネルギーシナリオ 論点を整理
  • 経済産業省:削減貢献量の定量化ガイドラインを策定
  • 環境省:カーボンプライシング とりまとめ案を提示

環境経営編

  • 金融庁 : コーポレートガバナンス改革促進に向け、コード改訂案公表
  • ESGヘッドライン【国内】

主な審議会等の開催状況

国際動向

  • Carbon Policy Update
  • EU:持続性取組を促す金融セクターの構築に向け行動計画
  • EU:EUA価格が7年ぶり高水準。低迷期から脱出か?
  • シンガポール:日本に続き、シンガポールでも2019年に炭素税導入

環境経営編

  • 中国:中国RoHS2 「ステップ2」 2019年施行の見通し
  • ESGヘッドライン【国際】
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国内動向サマリー

  • 経済産業省は、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会を開催。2030年エネルギーミックス実現に向けた進捗及び各政策の実施・検討状況を報告した。短期的には目標達成経路に乗った進捗が見られたが、中長期的にこれが継続するかは不透明。
  • 経済産業省は、エネルギー情勢懇談会を開催し、2050年のエネルギーシナリオに関する論点を整理。野心的な目標として2050年の“脱炭素”を掲げつつ、あらゆる選択肢の可能性を追求するとの考え方が示された。脱炭素化に向けてのエネルギー転換は再エネ特化ではなく、原子力やCCS等を含め全方位で検討される。
  • 金融庁は、コーポレートガバナンス・コード改定案及び投資家と企業の対話ガイドライン案を公表。このコード改定を受け「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」の改定検討が進められており、その影響力はESG分野の企業ガイドラインに広く及ぶ可能性がある。

国際動向サマリー

  • EUでは、欧州委が「サステナブル金融」のための行動計画の原案を公表。この行動計画は、気候変動対策やSDGs対策の推進に向けて金融セクターの役割を高めていくための工程表であり、「サステナブル金融」についてのEUの共通定義の策定、金融商品向けEUエコラベル創設等から構成されている。資金調達側の視点に立つと、将来、EUのESG投資資金を取り込むためには、EUエコラベル等の取得が必要となる可能性がある。
  • EU-ETSの 排出権(EUA)の価格が、7年ぶりの€14水準に回復。2011年以降の価格低迷を受けてEUが進めてきた構造改革が功を奏したか。
  • シンガポール議会が2019年の炭素税導入を承認。年間GHG排出量25,000トン以上の大規模排出者約40社が対象。当初税率は5SGD/t-CO2(約383円)で日本と同じ価格帯であり、欧州と比べるとかなり低い。