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欧州の化学物質関連規制への影響と日本企業にもとめられる対応

EU持続可能な化学物質戦略(CSS)とは何か? そのポイントについて(3/3)

  • *本稿は、『月刊化学物質管理』2021年8月号(発行:情報機構)に掲載されたものを、同編集部の承諾のもと掲載しております。

みずほリサーチ&テクノロジーズ 環境エネルギー第2部 後藤 嘉孝

おわりに

EU持続可能な化学物質戦略を踏まえたREACH規則/CLP規則の改訂や、PFASの包括的規制や内分泌かく乱、PMT/vPvM等の新しい化学物質のクライテリアの導入等により、今後規制対象物質が大幅に増加していくことが予想される。従って、今後は規制対象物質とならないような、本質的に「安全で持続可能な化学物質」の開発・選択・使用が求められることとなる。また今後、企業は「安全で持続可能な化学物質」への移行状況を、ESG投資等の市場関係者から評価されることとなる可能性がある。

2021年3月、経済協力開発機構(OECD)は、より安全な代替化学物質の特定と選択に焦点を当てたガイダンス文書を発表*12しており、当該ドキュメントでは、一連の主要な原則、最低限度の基準、推奨される評価方法、実践者をサポートするための自己評価チェックリスト、及び考慮に入れることができるより広範な持続可能性の考慮事項について概説している。このようなガイダンスで説明されている事項を十分に踏まえながら、「安全で持続可能な化学物質」の開発、選択、使用にシフトしていくことが重要であると考えらえる。

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