多様な経験・挑戦を通じて
若いうちから
専門性を高めていける。

Introduction

技術者として各分野で活躍する3名の若手社員に、みずほリサーチ&テクノロジーズにて先端技術領域に携わる魅力を語ってもらいました。

  • 賀須井 直規

    サイエンスソリューション部 社会インフラチーム 第1課

    賀須井 直規Naoki Kasui

    2018年入社/工学系研究科 都市工学専攻 修了

    地震動解析のシミュレーション実施やシミュレータ開発を皮切りに、自動車まわりの気流のデータ解析や、自動車の排ガス浄化フィルタ内の気流・化学反応のシミュレータ開発などにも従事。

  • 橋本 大樹

    情報通信研究部 センサ・メディア情報技術チーム 第2課

    橋本 大樹Daiki Hashimoto

    2015年入社/情報理工学系研究科 数理情報学専攻 修了

    入社以来、カメラやLRFなどの距離センサによる計測データを対象とする2次元や3次元のデータ解析および画像処理に関する受託研究開発に従事。最近は、深層学習をはじめとするAIに関する受託研究開発案件に数多く携わり、最先端技術導入のためのコンサルティングも行っている。

  • 大塩 耕平

    サイエンスソリューション部 デジタルエンジニアリングチーム 第2課

    大塩 耕平Kohei Oshio

    2020年入社/数理物質科学研究科 物性・分子工学専攻 修了

    分子系・結晶系のシミュレーション解析業務を経て、2022年度からは、慶應義塾大学の量子コンピューティングセンターに共同研究員として所属。現在は、量子コンピュータのアルゴリズム開発を担当している。

みずほリサーチ&テクノロジーズを選んだ理由は?

  • 賀須井

    公共性の高い仕事をしたいという思いから、シンクタンクを中心に就職活動を行っていました。また、学生時代の専攻や研究テーマの関係で「コンピュータを用いたシミュレーション」に携わりたいという思いもありましたが、両方の条件に合致する会社は限られていました。その中の1社が当社であり、入社後は学生時代に求めていた職務に就けています。橋本さんはどのような就職活動をされていたのですか?

  • 橋本

    そうですね、私は大学で情報理数工学を研究し、身に付けた知識を活かせる領域で働きたいと漠然と考えていました。当初はシステムエンジニアを入り口として当社に興味を持ちましたが、より詳しく調べていく中で情報通信研究部の存在を知り、まさに「これだ!」と思い入社に至ったという経緯です。決め手は、いわゆる受託型だけではなく、「提案」のウエイトが大きい点です。お客さまが抱える技術課題に対し、解決に繋がる有効な既存技術は無いか、無いのであればどういう技術を新たに開発すれば解決できるか、といった段階から関与できることに強く惹かれました。

  • 大塩

    お二人同様、私も学生時代に学んだ工学系の知識や技術を実務で活かしたいと思っていました。具体的には、最新技術の調査や研究結果を産業に還元するような職務をイメージしていたため、特に科学技術分野に強いシンクタンクを中心に見て回りました。条件に合致する会社として当社を選んだわけですが、所属しているサイエンスソリューション部では、科学シミュレーションや機械学習等の技術を実際にお客さまに提供することを通して、先端技術の社会実装を行っています。学生時代に思い描いていた通りの仕事に携わることができています。

では、現在携わっている「先端技術」について教えてください。

  • 橋本

    私は深層学習(Deep Learning)の技術を用いた工業製品の外観検査の自動化に携わっています。製造後や製造過程の工業製品の品質を確認するための1つの手段として、外観検査を実施するケースがあります。昨今、センサやカメラなどを搭載した装置による外観検査の自動化が広がりを見せていますが、それでも、従来の技術では十分な検査精度を確保できない製品が存在します。そのような製品の外観検査の自動化を実現するため、新たな手法を考案し、提案、コンサルティング、ソフトウェア試作を実施しています。手法の考案においては、最新の深層学習技術を検討することは勿論のこと、それらを既存の情報処理技術と組み合わせる手法や、最新技術を使わずに既存技術の新たな組み合わせによる手法など、課題に合わせた柔軟な対応が必要とされます。

  • 大塩

    私は慶應義塾大学にある研究施設の共同研究員として、量子コンピュータのアルゴリズム開発に携わっています。量子コンピュータは、現在使われているコンピュータの処理能力を大幅に上まわる性能が見込まれていて、世界各国で活発に研究開発が進められているので、まさに「先端」といえる領域です。毎日のように重要な研究成果が発表・報告されるので、常に知識をアップデートしなければなりません。加えて、量子コンピュータが実用化に至れば、分野・業界を問わず多種多様なイノベーションを起こせるはずです。近い将来の社会を大きく変革しうる研究開発に携われているという点で、とても張り合いがありますね。また、この案件では、みずほフィナンシャルグループの一員として、新たな金融サービスの提供につなげるというミッションも担っています。

  • 賀須井

    金融サービスというと、例えばどんな可能性があるのですか?

  • 大塩

    色々ありますが、例えばデリバティブなどの金融派生商品の価格設定です。もともと、多種多様な状況を踏まえて設定されるべきものですが、計算が複雑になり過ぎることを避けるため、計算を単純化している部分があります。量子コンピュータが持つ計算の高速性を活かして、現在より複雑な状況を考慮した計算を実行できれば、より妥当な設定が可能になります。ひいては、一般の方々にとってより利用しやすい商品や、金融機関として競争力を発揮できるような商品を開発できる可能性が高まってきます。
    賀須井さんは、数値シミュレーションとAIが専門でしたよね?

  • 賀須井

    そうですね、研究機関やメーカーから依頼を受ける形で、様々な分野の物理現象に関する数値解析やシミュレータ開発に携わっています。現在担当している3分野のうち「先端」をキーワードにするなら、地震ハザード評価の高度化が挙げられます。地震による揺れの大きさは、断層の形状やずれ方、地盤構造の広がりなど、膨大なファクターの組み合わせで決まるのですが、現状の地震ハザード評価では、多種多様なシナリオを想定したうえで一つひとつをシミュレーションし、統計的に処理しています。このプロセスにかかる膨大な時間や労力を低減する策として、これまでに蓄積した数値シミュレーション結果をAIに学習させることで、まだ想定しきれていないシナリオに対しても、場所ごとの揺れの大きさを迅速に予測できるモデルの開発に携わっています。数値シミュレーションの高速化に向けて、私はAIの活用という切り口で取り組んでいますが、将来、大塩さんが研究開発に関わっている量子コンピュータが実用化されれば、この分野も飛躍的な進歩を遂げることになるでしょうね。

技術者としてみずほリサーチ&テクノロジーズで
働く魅力はどんなところに感じますか?

  • 賀須井

    様々な分野で活躍する企業や研究機関をお客さまとし、それぞれの研究開発の最前線に技術的に関われることが一番の魅力です。私自身も、数値シミュレーションやAIに関するスキルを軸として、先に触れた地震動解析だけでなく、自動運転技術に資するような自動車周辺の気流の解析や、自動車の排ガス浄化フィルタ内で生じる化学反応などの解析にも関わっています。分野にとらわれずに社会をより良くするための研究の一翼を担えることにやりがいを感じますし、自分にとって新しい分野・新しい技術に絶えず触れつづけることができる点で、これほど刺激的な職場は他にあまりないのではないかと思います。

  • 大塩

    同感です。また、最先端技術に触れられるという点においても技術者として大きな喜びを感じられます。社会をより良くしていくことにつながるわけですから、苦労も多いですが、それを上回るやりがいを得られますよね。

  • 橋本

    全くお二人に同感です。付け加えさせていただくと若手のうちから難易度が高く、かつ責任ある仕事を任せてもらえることも大きな魅力ではないかと思います。プロジェクトの大小や難易度にもよりますが、多くの社員が入社1年目や2年目からプロジェクトリーダーを任され、経験を積むことができます。私自身も入社2年目からプロジェクトリーダーを担い、技術的な知識・スキルはもちろん、プロジェクトマネジメントをはじめとするビジネスとしての知見を早期から養うことができました。また、社内には「チャレンジ投資制度」というものがあります。自身の着眼点で新規技術開発や新規ビジネスのアイデアを企画し、採用されれば自身が推進役となって企画を実行するという制度です。ビジネスとしての目論見が前提とはなりますが、年次や肩書を問わず応募可能で技術的難易度の高い企画が歓迎されるため、チャレンジ精神を刺激されますよね。

  • 大塩

    そうですね。若手のうちから「自分の頭で考える」ということが求められますし、鍛えられると思っています。当社に寄せられるお客さまからの依頼は解決策がはっきりと見えていないことも多いですから、それらを具体的なソリューションに落とし込むうえでは、考える力が必須です。若手でも大きなミッションを任せてもらえますし、任された後のプロセスや道筋は自由です。これは、単に若手社員のモチベーションを高めるというだけでなく、「考える力」を養うことで、早期に戦力になってもらおうという会社の方針の表れなのだと理解しています。

  • 橋本

    そうですね、私自身、ある分野では当たり前に使われている技術が別の分野では検討すらされておらず、課題解決の糸口となった事例をたくさん見てきました。幅広い分野に関わってきたことで、課題解決に向けた選択肢が広がってきたように思います。また、ある技術を様々な分野に適用することで、応用法を習得できるとともに、その技術に対する理解が深まったように感じています。

それでは、みずほリサーチ&テクノロジーズの
強みとはどんなところにあるでしょうか?

  • 橋本

    多くの社員も感じていることと思いますが、社内に多種多様な分野のスペシャリストがいることだと思います。わからないことがあっても、部内や社内のどこかに専門家がいるので、高度な知見をすぐに享受できます。お客さまのニーズやご要望が多様化するなかで、自身の担当分野の知見だけでは応えきれないケースも増えてきましたが、多種多様な分野のスペシャリストの力を結集しお客さまにソリューションを提案できることは、当社ならではの強みだと感じます。

  • 大塩

    そういった意味では、いわゆる「調査」だけではなく、事業の中で直接「社会実装」に携わっているシンクタンクというのはごく少数だと思います。今回、対話したお二人を見ていても、多様なニーズに実践的に対応できる希少な会社だと思いますね。

  • 賀須井

    具体的なソリューションでお客さまの要請に応えるためには、調査で概要を捕捉するだけでなく、細部まで把握して、どのような対策が有効なのかを考える必要があります。お二人が指摘するように、個人が持つ専門性と組織が有する多角的な知見を採り入れられる点が、強みになっていると思います。

最後に、今後の目標を教えてください。

  • 大塩

    先に触れましたが、直近は量子コンピュータを実用化させ、〈みずほ〉の金融ビジネスに貢献することですね。また、少し目線を伸ばすと、やはり環境問題をはじめとする社会課題の解決に寄与していきたいと考えています。量子コンピューティングはそのための大きなポテンシャルを持つ分野になるので、挑戦をし続け、社会に価値を還元していきたいと思っています。

  • 賀須井

    お客さまの研究上の課題解決に貢献するという仕事は、その研究の発展ひいては社会実装を推進し、世の中を少しずつでもいい方向に導くことにつながるものだと信じています。私にとってはそれが大きなやりがいとなっているので、今後も当社の強みを活かしながら、自分自身の成長とともに、社会により大きく貢献していきたいと思っています。

  • 橋本

    目下は、直面している外観検査の精度向上に努めたいと思っています。そのプロセスで得た知見を、画像だけではなく自然言語や音声などに関する技術と組み合わせ、より幅広い用途・業界に貢献していきたいと思っています。

  • 大塩

    やはり技術者ならではの成長と働きがいを大切にしていきたいですよね。

※所属部署は取材当時のものになります。